2019年のWorldRX世界ラリークロス選手権は4月5~6日、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで第1戦が行われ、ニクラス・グロンホルム(ヒュンダイi20)がトップチェッカーを受けたがレース後にペナルティを受け、ケビン・ハンセン(プジョー208)が勝利を手にした。
サーキットレースとラリー競技の要素をあわせ持つラリークロス。その世界選手権であるWorldRXの2019年シーズン初戦は、シリーズ初開催となるアブダビを舞台に、新設された全長1.2kmのコースで争われた。
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この2019年シーズンはフォルクスワーゲン、アウディ、プジョーなどが相次いでシリーズへの関与を終了したため、参戦台数減少も危惧されたが、開幕戦には17台がエントリーしている。
このなかで速さを発揮したのは、昨年までプジョーのサポートを受けていたチーム・ハンセンMJPのティミー・ハンセン(プジョー208)とケビンのハンセン兄弟で、Q1~Q2はティミー、Q3~4はケビンがトップタイムを記録してみせる。
しかし、このうちティミーはQ3のターン1でアンドレアス・バッケルド(アウディS1 EKS RXクアトロ)と接触し、その際のマシンダメージからリタイアを余儀なくされてしまった。
兄弟機を失ったケビンだったが、ファイナル進出をかけたセミファイナル1ではライバルを1秒以上引き離す快走でトップチェッカー。ファイナル1列目を手にしてみせた。
セミファイナル2はマーカス・グロンホルムの息子、ニクラスが勝利。ケビンの脇にマシンを並べることに。そのほか、ファイナルにはティモ・シャイダー(セアト・イビサ)、ジャニス・ボウマニス(フォード・フィエスタ)、クリスチャン・サーボ(アウディS1クアトロ)、リアム・ドゥーラン(アウディS1クアトロ)が駒を進めた。
6周のファイナルでは、もっともイン側スタートだったケビンがトップを守って1コーナーをクリア。後方にグロンホルム、シャイダーが続く格好となる。
先行する2台は3番手以下をまたたく間に引き離して、優勝争いは一騎打ちに。そしてコンマ4秒差で迎えた4周目、後半セクターでテール・トゥ・ノーズに持ち込んだグロンホルムは、ヘアピンの立ち上がりでケビンの左リヤに接触。バランスを崩したケビンをやや強引に抜き去り、トップに浮上した。
体勢を立て直したケビンだったが、レース残り周回数が2周だったこともありオーバーテイクは叶わず。グロンホルムが開幕戦トップチェッカーを受ける形となった。
しかし、レース後の審議でグロンホルムの接触に対し3秒のタイムペナルティが課されたため、優勝はケビンの手に渡り、アブダビ戦初代ウイナーに輝いた。
「クレイジーな週末だったよ」とケビン。
「ポールポジションからスタートして5周に渡ってレースをリードしていたけど、ターン10でニクラスにプッシュされたんだ。危うくスピンするような状態になってラップリーダーの座を失ってしまった」
「スチュワードのいる部屋で勝利が確定したのは理想的な形とは言えないけど、今日に向けて懸命に作業してくれたチームスタッフが報われる結果になった。それにこの勝利は(クラッシュで戦線離脱した兄の)ティミーに捧げたい。彼は今日、表彰台に上がっていたはずだからね」
タイムペナルティで2位に後退したニクラスは「故意にやった接触ではなかったけど、時としてスチュワードとは別の見方をするものだ。この決定を受け入れて前に進んでいくよ」とコメントを残した。
3位は全車に消化義務のある遠回りルート“ジョーカーラップ”をレース1周目に通過したドゥーランが獲得し、世界ラリークロスで自身初の表彰台フィニッシュを手にした。
2019年のWolrdRX第2戦は4月27~28日、スペインのカタロニア・サーキットで行われる。
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