現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > F1の”ビジネス価値”を考える……デジタル配信”大手”からの関心が、F1の放映権収入を引き上げることになるのか?

ここから本文です

F1の”ビジネス価値”を考える……デジタル配信”大手”からの関心が、F1の放映権収入を引き上げることになるのか?

掲載
F1の”ビジネス価値”を考える……デジタル配信”大手”からの関心が、F1の放映権収入を引き上げることになるのか?

 F1の主な収入源は、サーキットの開催権料、スポンサー収入、そしてテレビの放映権料である。

 F1のオーナー企業であるリバティ・メディアのグレッグ・マッフェイCEOは、デジタル配信業者からの関心が高まっているため、将来的に放映権料収入を増やしていくことができると考えている。

■NetflixのF1番組、恩恵は“新たなファン層”? F1上層部、利益少なくも満足

 Amazon Primeはスポーツのライブストリーミングを強化しており、Huluなど他の配信業者も、スポーツへの関与を増している。現にF1はすでに、WEBサービスの部門を通じてAmazonとの関係を構築しており、日本でも幅広いスポーツを配信するDAZNが、F1を全セッション生配信している。

 マッフェイCEOは、これらのライブ配信サービスがF1の放映権を獲得すべく入札すれば、既存のテレビ放送局に対抗することになり、放映権料を引き上げることになると考えている。

「我々は常に、プロモーターや放送局、そしてスポンサーシップの契約を順次見直すことになっている」

 マフェイCEOはサンフランシスコで行なわれた投資家向けのイベントでそう語った。

「何かひとつの契約に依存しているわけではない。確かに、他よりも大きなモノもある。例えばドイツ(RTL)とはそれを行なっている最中だ。それがどうなるかということについては、私は楽観的に考えている」

「一般的に言えば、プロモーターとの影響力は、上がっていると思う。なぜなら、このスポーツ(F1)への関心が高まっているからだ。しかし、このスポーツへの関心の高まりにより、最高の放映権契約を結ぶための競争があることが、我々を駆り立てている」

「入札する放送局が多ければ多いほど、そして切迫感があればあるほど、競争相手と対峙することができる。その点における立ち位置について、私は大いに自信を持っている」

「長期的に見た場合のこのビジネスの良い面のひとつは、スポーツ業界に参入し、スポーツコンテンツに入札する、新しい、より大きなデジタル配信業者がいるということだ。それは我々にとって、ポジティブなことだと思う」

 マッフェイCEOは、有料放送/配信が増えることにより、放映権料を増やすことができると考える一方で、F1の露出が減ることになるため、スポンサーを獲得するのは難しくなる可能性があることを認めた。

「我々は、3つの大きな収入源を持つ強力なビジネスを展開している。放映権料、スポンサー収入、そしてレースの開催に伴って支払われる収入だ。そしてそれらの3つは、競合することが多い」

「全てを無料のテレビ放送に載せることができれば、スポンサーの露出を増やすことができるため、スポンサーシップ収入をより迅速に増やすことができるだろう」

「逆に、全てを有料のプラットフォームにするならば、放映に関する収入は劇的に増加するだろうが、スポンサーシップに関する収入は脅かされるだろう」

 F1は、自社の配信システム『F1 TV』を展開しているが、これを劇的に成長させるのは難しいと考えていることを認める。なぜなら他のスポーツとは異なり、F1は他の形式でも観ることができる上、有料だとしても追加の素材を提供できる範囲が限られているからだという。

「我々が持っているF1 ProやF1 TVが、大規模な収入源になるとは思わない。たしかに、熱心なファンにとっては有益なモノだろうし、ファンをより結びつけるものにはなるかもしれない」

「これに関する課題のうちのいくつかは、レースの多くが既にオンエアされているということだ。21レースもしくは22レースしかない場合、追加で出すことができるコンテンツはあまりない。他のスポーツと比較してね」

「素晴らしい例はWWEだ。彼らには、他の放送プラットフォームでは放送されず、独自に配信できるイベントが半数以上ある」

「我々には、それをするだけの十分なコンテンツがない。たくさんのショルダーコンテンツ(イベント前後のショー)やたくさんのカメラアングル、たくさんのアーカイブなどはある。しかしそれは、本当に熱心なファンだけのためにあるんだ」

「より一般的なファンに対してできることもある。それは有料ではないかもしれない。しかし、それがファンをF1に結びつけ、F1に対する関心を集めることになるかもしれない」

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ソニー損保、自動車保険満足度調査で2部門1位を獲得…事故対応に高評価
ソニー損保、自動車保険満足度調査で2部門1位を獲得…事故対応に高評価
レスポンス
最後までもつれ込んだメーカー対決はトヨタに軍配! 僅差でヒョンデ逃す。総合優勝エバンス|WRCラリージャパンDAY4午後
最後までもつれ込んだメーカー対決はトヨタに軍配! 僅差でヒョンデ逃す。総合優勝エバンス|WRCラリージャパンDAY4午後
motorsport.com 日本版
スズキ 新型「スポーツクロスオーバー」登場! 斬新デザインの“尖った”スタイリング!? 軽量な車体を活かした軽快な走り! 「Vストローム250SX」何が変わった?
スズキ 新型「スポーツクロスオーバー」登場! 斬新デザインの“尖った”スタイリング!? 軽量な車体を活かした軽快な走り! 「Vストローム250SX」何が変わった?
くるまのニュース
勝田貴元が限界ギリギリの力走。トヨタ勢が猛追も、SS12は安全確保を理由にキャンセル/ラリージャパン デイ3午前
勝田貴元が限界ギリギリの力走。トヨタ勢が猛追も、SS12は安全確保を理由にキャンセル/ラリージャパン デイ3午前
AUTOSPORT web
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
くるまのニュース
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
motorsport.com 日本版
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
ベストカーWeb
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
Auto Messe Web
「足が長くて」スタイリッシュな新型SUVが2024年内に正式発表か!?DSオートモービルズの電動化戦略が新たなステージ
「足が長くて」スタイリッシュな新型SUVが2024年内に正式発表か!?DSオートモービルズの電動化戦略が新たなステージ
Webモーターマガジン
都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス
都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス
乗りものニュース
ディーゼルトラックをEVへ改造、国内初の量産予定車が完成 ヤマトモビリティが発表
ディーゼルトラックをEVへ改造、国内初の量産予定車が完成 ヤマトモビリティが発表
レスポンス
FIAがフロア摩耗に関する取り締まりを強化。フェラーリ、メルセデス等に加え、抜け穴を指摘したレッドブルも修正
FIAがフロア摩耗に関する取り締まりを強化。フェラーリ、メルセデス等に加え、抜け穴を指摘したレッドブルも修正
AUTOSPORT web
頭文字Dの次なる遠征先は豊田市駅前? ラリージャパン2024はイベント盛りだくさん/WRC写真日記
頭文字Dの次なる遠征先は豊田市駅前? ラリージャパン2024はイベント盛りだくさん/WRC写真日記
AUTOSPORT web
優れたラリードライバーならF1でもきっと戦える! 8度のWRC王者オジェは確信「ファンも見たいと思っているはず」
優れたラリードライバーならF1でもきっと戦える! 8度のWRC王者オジェは確信「ファンも見たいと思っているはず」
motorsport.com 日本版
新車150万円台で「5速MT」あり! イチバン安い「普通乗用車」どんなモデル? 「国産ダントツ安価」でも装備は必要十分! めちゃ“リーズナブル”な「トヨタ車」とは
新車150万円台で「5速MT」あり! イチバン安い「普通乗用車」どんなモデル? 「国産ダントツ安価」でも装備は必要十分! めちゃ“リーズナブル”な「トヨタ車」とは
くるまのニュース
“熊本~東京1300km” 電気自動車でも快適に移動できる「裏ワザ」とは? 新型「タイカン クロスツーリスモ」で体感! ポルシェらしい走りと遊び心に触れる旅
“熊本~東京1300km” 電気自動車でも快適に移動できる「裏ワザ」とは? 新型「タイカン クロスツーリスモ」で体感! ポルシェらしい走りと遊び心に触れる旅
VAGUE
[15秒でニュース]メルセデスAMG、初の電動SUVを市販化へ
[15秒でニュース]メルセデスAMG、初の電動SUVを市販化へ
レスポンス
軽自動車の6MT!! 2020年登場ホンダ[N-ONE RS]の中古ってどうなん
軽自動車の6MT!! 2020年登場ホンダ[N-ONE RS]の中古ってどうなん
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村