欧州最大級のモーターショー、開幕間近
9月5日から9月10日まで、欧州最大級のモーターショー「IAAモビリティ2023」がドイツ・ミュンヘンで開催される。
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ドイツの大手メーカーに加え、フランスのルノーや中国の新興ブランド、そして珍しいことに米国のテスラも出展する。さらに、ボッシュ、コンチネンタル、ZFといった大手サプライヤーのほか、自動運転技術を開発するモービルアイの出展も決定している。
今回は、IAAモビリティ2023における注目発表について予習をしておこう。ショーに関する追加情報が入り次第、内容をアップデートしてお届けしていきたい。
アバター
中国の自動車メーカーである長安汽車とスマートフォン大手のファーウェイ(華為技術)による新ブランド、アバター(Avatr、阿維塔)がミュンヘンで欧州デビューを果たす。
アバターは、4月の上海モーターショーで展示されたSUV「11」(写真)を披露する見込みで、先日現地の特許申請画像がリークされたセダン「12」についても、さらなる詳細を明かす可能性がある。
リークされた情報によると、12は全長5020mm、全幅1999mm、全高1460mm(テスラ・モデルSとほぼ同じサイズ)で、最高の312psのシングルモーター仕様と、最高出力578psのデュアルモーター仕様の2種類が用意されるようだ。
駆動用バッテリーの詳細はまだ明らかにされていないが、SUVの11には最大240kWの充電が可能な90kWhと116kWhのパックが用意されている。
BMWノイエ・クラッセ・コンセプト
BMWはIAAモビリティ2023で新たなコンセプトカーを発表する予定である。ブランドの未来を決定付ける次世代EVラインナップ「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」について新しい発見があるだろう。
このコンセプトカーは、2021年に同じくミュンヘンで公開されたiビジョン・サーキュラーや、今年のCESで公開されたiビジョンDee(画像)に続く、iビジョンシリーズ第3弾となる。車名などの詳細はまだ明らかにされていない。
コンセプトカーでは新開発の円筒形バッテリーセルなど、次世代のパワートレインおよびバッテリー技術も見ることができる。これにより航続距離は30%向上し、1回の充電で最大1000km走行できるようになるという。急速充電時間は30%善され、バッテリーパック全体の重量は10~20%削減される。
インテリアは、従来のインフォテインメント・タッチスクリーンを省き、フロントガラスを覆うヘッドアップディスプレイを採用するなど、iビジョンDeeで示されたアイデアを発展させたものになる見込み。
また、iビジョンDeeの名前の由来となった人工知能アシスタントの「Dee」も、より製品版に近い形で登場する可能性がある。
スタイリング的には、シャークノーズが目立つ前2作を踏襲しつつも、現行の3シリーズに近い形状になると予想される。
BYD
BYDは、世界販売台数を昨年の約200万台から倍増させることを目指しており、ミュンヘンでは欧州展開の次のステップを詳述する予定だ。
BYDはすでに、クロスオーバーのアット3、セダンのハン(漢)、SUVのタン(唐)を欧州市場に投入しており、間もなくハッチバックのドルフィンとセダンのシールを投入する。
その次の欧州向けモデルとしては、小型のシーガルが投入される可能性がある。2万ポンド(約360万円)以下という手頃な価格帯を設定し、市場に揺さぶりをかけるだろう。
クプラ・タバスカン
セアトから独立したスペインの高性能車ブランド、クプラは、大型グリルや特徴的なトライアングルのライトシグネチャー、トランク幅のリアライトバー、アーチ型のルーフラインを備えた新型電動SUVのタバスカンを披露する。「ブランドの夢が実現する」というキャッチコピーとともに世に送り出された、期待の新人である。
クプラのスポーティーなキャラクターを受け継ぎ、最高出力340ps、最大トルク69.3kg-m、デュアルモーター仕様と、最高出力286psのシングルモーター仕様が用意される。バッテリーは、フォルクスワーゲンID.5と同じ82kWhのユニットを採用し、最大550kmの航続距離を実現するとされる。
LG
LGエレクトロニクスは、「楽しい旅」を掲げ、これからの世代の車内エンターテインメントを紹介する。同社は7月、「スマートライフ・ソリューション・カンパニー」への移行を発表し、モビリティ業界におけるトップクラスのサプライヤーになることを目指している。
マグナ
マグナは自動車業界最大のサプライヤーの1つで、受託製造、パワートレイン、座席システム、その他多くの製品を展開している。今年は、電動化、アクティブ・セーフティ、コネクティビティ強化のための統合システムを披露する予定である。また、エネルギー管理のための予測機能を備えた新しいソフトウェア・パッケージも発表する予定。業界に対するマグナの影響力を考えると、9月にミュンヘンで展示されるシステムの少なくとも1つが、あなたの次のクルマに搭載されることは間違いない。
メルセデス・ベンツのコンセプト
メルセデス・ベンツはIAAモビリティ2023で、次世代EVファミリーのプレビューを行う。
新型のエントリーモデルが2024年に発売予定であることが確認されており、現行Cクラスと同サイズながら、現行CLAを彷彿とさせる流麗なルーフラインを持つと予想されている。
1回の充電で1200kmを実際に走行することができたコンセプトカー、ビジョンEQXXからの知見も活かされるだろう。ビジョンEQXXでは効率的なエアロダイナミクスだけでなく、エネルギー密度の高いバッテリー技術や、ルーフに設置されたソーラーパネルなどが特徴だった。
ミニ・クーパーEV
ミニにとって第2世代のEVとなる新型クーパー。2024年の発売を前に、9月のミュンヘンで一般公開される予定だ。
EVモデルと内燃エンジンモデルがあり、前者はスポットライト・オートモーティブが設計した新しい前輪駆動プラットフォームをベースに中国で製造される。後者は別のプラットフォームを使用してガソリンエンジンを搭載し、ミニの英国オックスフォード工場で生産されることになっている。
EVモデルのクーパーは2024年5月に発売予定で、最高出力183psと218psの2種類の導入が予定されており、その約2か月後にガソリン車のクーパーが発売される。
インテリアでは、ミニの原点に立ち返り、初代モデルに倣ったミニマリストなデザインを採用する。8種類の走行モードを搭載し、排気音などさまざまな合成サウンドによって車内を演出するという。
ミニ・カントリーマン
以前、米国の一般道でテスト走行しているところを目撃されたカントリーマン。第3世代に数えられる次期型は2024年2月に発売予定で、新型BMW X1と双子として、ボディサイズがかなり大きくなる。
次期型カントリーマンでは、EVモデルと内燃エンジンモデルの両方に標準仕様、パワフルなS仕様、高性能のジョン・クーパー・ワークス(JCW)仕様が設定される。
ガソリンエンジン搭載のカントリーマンの生産は今年11月に開始され、納車開始は2024年の第1四半期か第2四半期になる見込み。
ルノー
ルノーは新型セニックをお披露目する予定だ。セニックはミニバンとして知られるモデルだが、新型は未来的な角ばったデザインと持続可能性に重点を置いた電動SUVとして登場する。
また、レトロなデザインを持つ小型EV、5に関する新たな情報が提供されるかもしれない。ルノー5のプロトタイプは現在、2024年の生産開始に向けて最終テスト段階にある。
スマート#3
スマートは、ブランド史上最大のモデルとなる#3をミュンヘンで一般公開する。2024年初頭に欧州で発売される予定である。
エアロダイナミクスを重視したそのデザインは、メルセデス・ベンツのEQシリーズから一部影響を受けており、滑らかなフロントマスク、小型の#1でも見られた「シャークノーズ」、スリムなヘッドライトが特徴だ。
#3の技術仕様は後日発表されるが、今年初めにリークされた情報では、全長4400mm、全幅1800mm、全高1600mm、ホイールベース2785mmで、フォルクスワーゲンID.5とほぼ同じサイズであることが判明している。
テスラ
独自イベントに主眼を置いてきたテスラは、珍しくIAAモビリティ2023に出展することを明らかにした。そして、モデル3、モデルY、モデルS、モデルXといった既存ラインナップ以外にも展示する用意があることを示唆している。
テスラは5月に新型車の予告画像を公開しており、待望の「モデル2」登場も近いのではないかと噂されている。
最近の報道によると、テスラは現在、新型車を割安で製造できる新工場を探しているようで、英ロイター通信はその候補の1つとしてインドを挙げている。
一方で、もし新型車を展示するのであれば、コードネーム「Highland(ハイランド)」と呼ばれるモデル3の改良新型である可能性もある。
この改良では、コスト削減と生産台数増加というテスラの目標に沿って、スタイリングの微調整、インフォテインメント・システムのアップグレード、機械的なシンプルさの向上が図られる見込み。
イーロン・マスクCEOは5月、次の新型2車種について「おそらく年間500万台以上を生産することになるだろう」と述べている。
オペルのデザインコンセプト
オペルは先鋭的なコンセプトカー「エクスペリメンタル」をミュンヘンで披露する。同社のデザインチーフ曰く「オペル2.0」を初めて具体化したものであり、次世代EVのデザインを予告し、2028年の全面電動化に向けたオペルの進化を予感させるものである。
エクスペリメンタルは、オペル・アストラとほぼ同サイズのクーペSUVで、持続可能な素材や未来的な車載技術、航続距離を伸ばす空力開発にも重点を置いている。コンセプト自体が市販化されることはなさそうだが、デザインや機能の一部は市販車にも反映されるはずだ。
フォルクスワーゲンID.7 GTX
フォルクスワーゲンが満を持して導入する高性能のEVセダン、ID.7 GTXがミュンヘンで初公開される。
搭載されるデュアルモーター四輪駆動のパワートレインは、標準モデルのリアモーター(286ps、55.6kg-m)とID.4 GTXのフロントモーターを組み合わせたもので、合計出力は約395psに達する見込み。
既存のID.7プロSの0-100km/h加速は約6.0秒とされているが、GTXでは大幅に短縮されるはずだ。ただ、テスラ・モデル3パフォーマンスの3.3秒に匹敵する可能性は低いだろう。
パワートレインの強化により、航続距離は標準の700km(86kWh仕様の場合)から約640kmになると予想されている。
エクステリアとしては、グロスブラックのアクセント(ルーフを含む)、ティンテッドウィンドウ、赤を基調としたトリムエレメントが追加され、スポーティ性を強調する外観となるだろう。
価格は5万ポンド(約900万円)前後からとされる標準のID.7に比べ、かなり差が広がると予想される。参考までに、同様の高性能モデルであるID.4 GTXは、標準のID.4ピュアより1万4020ポンド(約250万円)高い。
フォルクスワーゲン・パサート・エステート
フォルクスワーゲン・パサートは今後、セダンが廃止され、ステーションワゴンのエステート(ヴァリアント)のみの設定となる見込みである。
詳細は不明だが、MQBエボ・プラットフォームをベースとし、より効率的なハイブリッド・パワートレイン、より大きなトランク、車載技術のアップグレードを特徴とすると予想される。
次期型パサート・エステートの全長4915mmと言われており、事実であれば現行型より142mm長いことになる。その延長分はレッグルームを拡大するためのホイールベースに割り当てられるだろう。
室内では、フォルクスワーゲンの最新インフォテインメント・システムが採用され、10.25インチのフルデジタル・インストゥルメントクラスタと12.9インチのセンター・タッチスクリーンが装備されると報じられている。
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