JLRのプラットフォーム採用
text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
【画像】新型ジャガーEペイス【ラインナップの各モデルと写真で比較】 全123枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
ジャガーは新型Eペイスを発表した。単なる一部改良ではなく、新しいプラットフォームへと切り換え、マイルド・ハイブリッドとプラグイン・ハイブリッドの両方に対応できるようになった。
2020年モデルのEペイスは、XE、XF、Fペイスに続いて改良を受けた。とはいえ、フォード関連の旧プラットフォーム「D8」がジャガー・ランドローバーの新型プラットフォーム「PTA」に変更されたことで、大きな差が生じていることは間違いない。
これは、2019年にランドローバー・ディスカバリー・スポーツとレンジローバー・イヴォークで行われたのと同じ手法だ。
ジャガーによると、サスペンションの取り付け剛性が向上したことで、ハンドリング、乗り心地、そして全体的な洗練度が向上したという。しかし、改良の主な目的は、パワートレインを一新することにある。
7つの新エンジンのうち6つがハイブリッド化されている。前輪駆動、MT、163psのエントリーグレードのディーゼルが唯一の例外だ。
同じディーゼルエンジンで、全輪駆動、9速ATのモデルには、環境性能を向上する48Vのマイルド・ハイブリッドが搭載された。小型リチウムイオン・バッテリーはトランクの床下に配置。このパワートレインには204psを発揮するバージョンも用意されている。
注目はプラグイン・ハイブリッドだ。200psの1.5L 3気筒ガソリンエンジンに108psの電気モーター(リア)と15kWhのバッテリーを搭載。ジャガーによると、0-97km/h加速は6.1秒(Eペイスとしては最速)、CO2排出量44g/km、60km/lの燃費を誇るという。フル充電での航続距離は55kmとされている。
また、2.0L 4気筒ガソリンエンジンにマイルド・ハイブリッドを組み合わせたモデルを3種類展開し、それぞれ出力は200ps、250ps、300psとなっている。いずれもATと全輪駆動のみ。PHEVは8速だが、他は9速が採用された。
全輪駆動は新世代のオンデマンドシステムで、巡航時にリアアクスルを切り離して効率性を高めることができる。300psのP300スポーツには、アクティブ・ドライブラインが採用されており、フロントからリアへトルクを配分するだけでなく、わずか0.1秒で最大100%のトルクを後輪の左右どちらかに配分できる。
さらに、路面状況に応じてトルク配分を自動で調整するアダプティブ・サーフェイス・レスポンス・モードが追加された。
インテリアと車載システムを一新
内装では、最新のジャガーモデルと同様のアップデートが施されている。11.4インチのHDタッチスクリーンは従来よりも48%大型化し、グラフィックと読み込み速度が向上したという。
車載システム「Pivi Pro」による最新の各種コネクテッドサービスに加え、2台のLTEモデムを搭載しており、複数のストリーミング/ダウンロード機能を同時に行うことができる。ソフトウェアの無線アップデートも可能だ。Apple CarPlayとAndroid Autoは標準搭載している。
ドライバー正面には、12.3インチのデジタルメーターと改良されたヘッドアップ・ディスプレイを採用。また、車内のアレルゲンや微粒子を除去する空気のイオン化システムも搭載されている。
さらに、新世代のアクティビティキー、リアビュー・ミラー、多機能3Dサラウンドカメラなど多くの装備が追加された。トリムやディテールも手が加えられている。
エクステリアの変更点は目立たないが、バンパーとグリルを一新したほか、LEDヘッドライトが全車に採用されており、上位グレードではピクセルシステムが装備される。IペイスにインスパイアされたLEDテールライトも特徴的だ。
英国での価格は3万2575ポンド(444万円)からで、改良前と比べて2000ポンド(27万円)上昇した。P300スポーツは4万7545ポンド(649万円)から、プラグイン・ハイブリッドのP300eは4万5995ポンド(627万円)から、最上位モデルは5万860ポンド(694万円)からとなっている。
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