この記事をまとめると
■「SUBAROAD」はスバル車オーナー向けのドライブアプリ
SUBARU流はハンパない! bZ4Xと兄弟車なのに一部改良でソルテラのステアリング形状「だけが」変更されたワケ
■2024年3月現在、全国各地に19のコースが用意されている
■スバルのEV、ソルテラに乗って「SUBAROAD」を試してみた
効率化へのアンチテーゼから生まれたドライブアプリ
良くも悪くもどんどん効率的になっていく世の中。自動車業界も例外ではない。
常時インターネットに接続できる機能を搭載した「つながるクルマ」の普及はその代表例だ。
ナビに目的地を設定すれば、渋滞や事故を考慮した上で最短ルートを表示してくれる。とても便利な機能であり、重宝している人も少なくないだろう。
そんな中スバルは効率化に限らず、オーナーひとりひとりと関係を築くことを「つながる」の本質と考えているという。
スバルらしい「つながる」を実現するために市場調査を行うと、オーナーは移動価値以上の「何か」を求めていることがわかった。それは効率という言葉では言い表すことのできない、エモーショナルなものだ。
『ドライブする時、家族にバレないようにしながらあえて遠回りをしている。スバル車はとにかく走るのが楽しい』
『あえてナビのルートから外れた道をドライブする。そうすることでその土地ならではの風景に出会える。スバル車の性能を最大限に感じられる道もある』
オーナーからはそんな声が上がったのだそうだ。
テクノロジーの進化により人はいつからか効率的なルートばかりを求め、ナビの案内どおりにしかドライブをしなくなった。だけどじつは一本、二本外れたところにその土地の魅力があるのではないか? 同じ道、同じ風景、同じ体験、それは本当に面白いのだろうか?
そんな気づきから生まれたスバル車オーナー向けのドライブアプリが「SUBAROAD」である。
「SUBAROAD」が案内するのは目的地への最短ルートではなく、その土地の魅力やスバル車の走りを堪能できるルートだ。2024年3月現在、19のコースが用意されている。
今回スバルの電気自動車、ソルテラに乗って「SUBAROAD」を試してみたのでリポートしたい。
コースは伊豆の「愛車と一体となって半島の突端まで駆け抜けるアドベンチャーツーリング」を選択。
道の駅伊豆ゲートウェイ函南からさまざまなスポットを経由して最終的にあいあい岬を目指す、走行距離120kmのコースだ。
「SUBAROAD」は2023年2月よりApple CarPlayに対応したため、ディスプレイに映して操作できるのも嬉しいポイント。
また「SUBAROAD」は音楽アプリ「AWA」と連携していて、旅中のシーンに合った曲をかけてくれる。この機能を利用するには事前に質問に答えておく必要があり、今回のコースでは「旅の始まりに聴きたい曲は?」「まっすぐな道を走る時に聴きたい曲は?」など9つの項目と、それぞれに9曲の選択肢が用意されていた。後述するが旅を彩る要素になるので、ぜひ回答しておいてほしい。
シチュエーションにぴったりの音楽がドライブを盛り上げる
まずは恵比寿のスバル本社から「SUBAROAD」の出発地点、道の駅伊豆ゲートウェイ函南を目指す。
2023年10月にマイナーチェンジを施したソルテラ。楕円形のステアリングが先進的な印象だ。見た目にはインパクトがあるが操作性は円形ステアリングと大差なく、ほかのクルマから乗りかえても問題ないだろう。改良前のソルテラに乗った際、メーターがステアリングとかぶっていて見にくいと感じたのだが、その問題も解消されていた。
予想以上に混んでいた東名で活躍したのがAdvanced Drive。高速道路での渋滞時にクルマが車線維持、加減速、停車、発進操作をアシストしてくれる。40km/h以下ではステアリングから手を離すことができ、この機能のおかげで渋滞に疲弊することなく駅伊豆ゲートウェイ函南に到着。
道の駅伊豆ゲートウェイ函南の駐車場には急速充電器が設置されていて、昼食をとっている間にソルテラを充電することができた。
いよいよ旅路の始まり。「SUBAROAD」のスタートボタンを押すと「ようこそSUBAROADへ」と音声ガイドが喋り出す。
「このコースでは旧富士見パークウェイから伊豆スカイラインに向かい、走りの楽しさと素晴らしい景色を堪能していただきます。その後、森の中を抜ける細い峠道を走り、天城へ。天城を越え海岸線で南へと向かい、伊豆半島の最南端、石廊崎のさらに先、奥石廊崎にあるあいあい岬を目指します」と説明。
「まずは最初の目的地、伊豆スカイラインの多賀駐車場を目指しましょう。さあ、いよいよ旅の始まりです!」というコメントの後、KUWATA BANDのスキップ・ビート(SKIPPED BEAT)が流れる。
なるほど、「旅の始まりに聴きたい曲は?」という質問で選んだ曲がかかったのだ。シチュエーションにぴったり、かつ自分の好みの音楽に気分が上がる。
伊豆スカイラインの韮崎峠料金所にさしかかると、音声ガイドが「冷川料金所で降りるとお伝えください。料金は590円です」と教えてくれた。まごつきがちな料金において、このような配慮はありがたい。
EVでありながらパドルシフトがついていて、回生ブレーキのきき具合を調整できるソルテラ。ワインディングの走りを楽しみながら最初の経由地、多賀駐車場にたどり着いた。相模灘の眺望に負けず劣らず見応えがあったのがソルテラの外観。先進的でありながら逞しいルックスが峠に似合っていた。
多賀駐車場を出ると1kmにも及ぶ下り坂が出現。「総延長40.6kmの伊豆スカイラインの中でもこれほど長い直線はここだけ。まっすぐ伸びる気持ちの良い道をお楽しみください」という音声ガイドに続いて流れたのはヨルシカのただ君に晴れ。物語の主人公になったような気分だ。
巣雲山駐車場にも立ち寄り、伊豆スカイラインを出て筏場のわさび田へ。
静岡県のわさび栽培は栽培面積、生産量ともに日本一で伊豆市はとくに盛んなのだという。
一面に広がるわさびの葉が美しく、静謐な空間はまさに秘境といった印象。「SUBAROAD」がなければ見られなかった景色だろう。
筏場のわさび田を後にし、冒険気分で国士峠の林道を走る。勾配はさほど急ではないが、音声ガイドいわく「雨や風の後は路面状況が悪いのがデフォルト」とのことで、このような道ではやはりスバルのAWDが心強い。
続いて浄蓮の滝に到着。力強く流れ落ちる様は圧巻だ。コバルトブルーの滝つぼも神秘的でしばらく見入ってしまった。
自然の力で心も体もリフレッシュしたところで天城を越える。
かつて天城山は豊かな水をもたらす一方で、伊豆の南部と北部を隔てる交通の難所だったそうだ。1095年に天城山隧道が開通するまでの伊豆の人々の苦労について説明がされた後、車内に響く石川さゆりの天城越えは一層心に染みた。
河津七滝ループ橋では「ぐるぐると言えば?」という不思議な質問で回答したBUMP OF CHICKENの車輪の唄が流れてまだまだ走っていたい気持ちになったが、ここで日が暮れてしまったため残りは翌日に持ち越すことに。
さまざまな状況でスバル車の魅力を再確認
200Vの充電器がある宿に泊まり、満充電の状態で2日目がスタート。ソルテラはバッテリー残量(%)や充電完了のお知らせがメーターに表示されるため、状況が一目瞭然だ。
「お待たせしました、海です」という音声ガイドの言葉とともに、ルートは国道135号の海岸線へ。「海は見られる時に見ておかないと」という意識で育った海なし県出身の筆者にとっては刺激的なドライブ体験だ。そしてこのタイミングで流れるスピッツの渚。エモすぎて卒倒するかと思った。
経由地の尾ヶ崎ウイングは海を眺めながら一息つくのにぴったりの場所だった。
その後アップダウンのある市街地を通ったのだが、ソルテラのS PEDAL DRIVEが重宝した。S PEDAL DRIVEとはアクセルペダルひとつで加速と減速をコントロールできる、EVならではの機能。アクセルから足を離すことでブレーキをきかせられるようなイメージだ。ペダルを踏み替える回数が減るため、頻繁に加減速を行わなければならないシーンでの運転がぐっとラクになる。
他社のワンペダルのように完全停止まではしないが、スバルのS PEDAL DRIVEは自然な感覚が魅力。前回のマイナーチェンジにより、センターコンソール上のスイッチだけでなくパドルスイッチでもオン・オフができるようになった。
続いての経由地は崖の一部が波の力で削られてできた海食洞、龍宮窟だ。天井部分には直径50mの穴が空いていて、洞窟内部には厳かでありながら開放的な景色が広がっていた。上から見下ろすとハートの形に見えることでも知られているそうだ。
龍宮窟のすぐそばには田牛サンドスキー場も。傾斜30度、滑走距離45mの天然の砂のゲレンデは迫力満点。そりができるとのことで心惹かれたのだが、今回は準備をしてこなかったため泣く泣く断念。
そしてついに最終目的地へ。締めくくりにMISIAのアイノカタチが流れ、今回の旅の思い出が走馬灯のように蘇る。
あいあい岬にはエンディングにふさわしい、伊豆の絶景が広がっていた。
音声ガイドが教えてくれたユウスゲ公園にも足を伸ばし、美しい景色や出会いの鐘での撮影を堪能。
さまざまな状況で性能を発揮してくれたソルテラにもすっかり愛着が湧いた。今回の行程で充電は2回。充電のためだけに時間をとることなく、食事中、宿泊中に済ませることができた。
1日目にあいあい岬まで行き2日目は帰路につくのみ、などと考えていたのだが丸々2日間かけて旅を楽しんでしまった。撮影をしながら巡ったのもあるが、「SUBAROAD」が想像以上に魅力的だったことも大きいだろう。
ちなみに今回ルート付近のめんたいパーク、ストロベリーファーム、旧天城トンネルにも立ち寄り、途中で宿に入ったが、「SUBAROAD」は寄り道をしてもOK。ルートを外れたことでナビが混乱した場合は、設定メニューから「ルートリフレッシュ」を行うと元通りになる。
カーライフは日進月歩でより安全に、便利に、効率的になっている。テクノロジーの進化には間違いなく助けられているのだが、一抹の寂しさを感じることがあるのも事実。
生産終了となったEJ20を抱きしめMTのシフトレバーにしがみついている筆者にとって、ムダを楽しむことが許されなくなった世の中は少々生きづらい。
だが「SUBAROAD」では遠回りをすることで、その土地の景色やクルマの走りを楽しむ。ドライブの本質を再確認させてもらえたような気がした。
ドライブに関しては効率化へのアンチテーゼがあってもいいのではないか? いまの時代にこのような考えを持つメーカーの存在は希望だ。
スバル車オーナーの方はぜひ「SUBAROAD」に導かれるがまま、趣のあるドライブを楽しんでみてほしい!
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