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スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.8 本山哲さん

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スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.8 本山哲さん

 2021年も、ファンのために熱いレースを展開してくれるスーパーGTドライバーたち。SNS等でも散見されますが、所属するチームやメーカーによって差はあれど、多くのドライバーが“繋がり”をもっています。そんなGTドライバーたちの横の繋がりから、お悩みを聞くことでドライバーの知られざる“素の表情”を探りだす新企画をスタートしちゃいました! 今回はGAINERの星野一樹選手からバトンが繋がった、GT500三度のチャンピオン、本山哲選手に突撃です。

 しばしばSNS等でも見られる、気になる2ショット。「へえ、あのドライバーたち、仲良いんだ」とファンの皆さんも驚くこともあるのでは。そんなGTドライバーの繋がりをたどりつつ、ドライバーたちの“素”を探るリレートークのようなものができないか……? という企画が編集部内で出てきたのが2月。第1回の石浦宏明さんから阪口晴南さん、新田守男さん、高木真一さん、さらに片岡龍也さん、柳田真孝さん、星野一樹さんと繋がっています。

スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.7 星野一樹さん

 そして、一樹選手から繋がったのは、三度のGT500チャンピオンにして、2021年に待望のスーパーGT復帰を果たした本山哲さん。ふだんはかなりユルめにお届けしているこの連載ですが、以前から筆者は本山さんへの取材はかなり緊張していた(年上ドライバーの、しかもオーラがある方への取材はやはり緊張します)ので、今回はカタめの入りでお届けします。

* * * * *

■GT300を楽しめるように上位に入りたい
──今回はよろしくお願いします。この企画についてご説明させていただきたいのですが、オートスポーツwebで『お悩み相談ショッキング』なるユルめのコーナーを始めておりまして、『笑っていいとも』風に前のドライバーから次のドライバーをお友達として紹介していただき、前のドライバーのお悩み相談にのってもらうというコーナーなんです。
本山哲さん(以下、本山さん):なるほど。

──最初は石浦宏明さんから始まり、本山さんが8人目なんですが、マーさん、一樹さん、そして本山さんと繋がっています。基本的にはユルい取材なのですが、私が本山さんにちゃんとインタビューするのがひさびさなので緊張しています。というわけで、まずうかがいたいのですが、スーパーGTに復帰しての開幕2戦はいかがですか?
本山さん:ひと言で言っちゃうと、『アウディ(の戦闘力)が弱すぎる』という悩みがあるかな。性能調整なのか、それともクルマ自体の問題なのか。もちろん初めてのヨコハマタイヤだということもあったりするけど。

──海外ではそんなことはないので、スーパーGT特有の悩みかもしれませんが、今のところなかなか本山さんらしいレースになっていないですよね。
本山さん:まあね。なかなかね。

──GT300クラスに参戦するのは1996年以来ですが、雰囲気はいかがですか?
本山さん:GT300はずっと見ていたけど、変な意味ではなく良い意味で『みんな楽しそうにレースをしているな』というのがあった。そのなかで、そうやって良い意味で楽しみながらレースができれば……という思いで参戦させてもらった。

 ちょうどいろいろな状況が変わっているのか、タイヤの競争とか、GT300規定のGRスープラが出てきたりとか、みんな急にクルマが速くなっているので、ちょっと……『思ったほど楽しめないな』というか(苦笑)。なんというか、リザルトも含めて、楽しめるように上位に入りたいなというところではあるけど。

──チームの雰囲気はいかがですか?
本山さん:雰囲気は非常にいいよ。

──片山義章選手の成長はいかがですか?
本山さん:よっちゃん(片山)はすごく成長してる。F3で勝っているくらいなのでドライバーとしての力はぜんぜん問題ないはずなんだけど、使っているアイテムとしては、現段階で上の順位にいけていない。そういう面では、ちょっと苦労させちゃっているなというところがあるかな。

■純粋に、ただ思いきり走ればいいんじゃないかな?
──では、本題にいきたいのですが、前回星野一樹さんにお話を聞いたとき、少し抽象的ではあるのですが、『走りの面で自分の“100”が出せない。インパルの仕事もしていて、それを言い訳にするつもりはないし、年齢も言い訳にしたくないんだけど、若いころのような100%のマックスが出せない』というのが最近の悩みらしいのですが、一樹さんの悩み、なにかピンとくるところはありますか?
本山さん:もともと一樹はあまり器用ではないところではあるんだけど、ただスーパーGTとかクルマに関しては非常に経験も多いし、タイヤ開発もしている。だからあまり考えすぎずに、純粋にただ思いきり走ればいいんじゃないかな? と思うところはあるよ。

──一樹さんのなかでは、インパルの仕事を言い訳にしてしまっているところもあるんじゃないか、ということも感じているらしいです。
本山さん:う~ん。あんまりそうは思わないけどね。最近のスーパーGTが、タイヤ競争も含めてスピードが上がっているところもあるので、あまり考えすぎずにもっと思いきり走ればいいのかなと思うけど。

──一樹さんは今年44歳ですが、年齢の面ではまだ全然大丈夫ですよね?
本山さん:もちろん全然大丈夫だろうね。俺から見れば年下だし(笑)。トレーニングもずっとしているから体力でどうこうというのはまったくないだろうし。

──あまり考えすぎずにいくコツなどはありますか?
本山さん:一樹は意外と結構考え込むタイプではあるからね。

──ストレス発散法ではないですが、まっさらにして気持ちを切り替える方法などは何かありますか?
本山さん:俺のストレス発散法は書けない発散法なんで(笑)。一樹はふだんいろいろな仕事のストレスとか、会社で仕事しながらもお父様に怒られたりとかいろいろあると思うけど(笑)、それをスーパーGTのときに発散するような走りをすればいいんじゃないかな。

■『GT300でうまくいく秘訣をいただければ光栄です』の相手は?
──ありがとうございます。そんなこんなで、このコーナーは次のドライバーをご指名頂きたいのですが、そもそも本山さんにお悩みはありますか?
本山さん:悩み? あるよ、それはもう。

──え~、正直本山さんの悩みが想像がつかないのですが。
本山さん:マネージャーの手腕が足りなくて成績が上がらないという(笑)。
※この取材時、隣に本山さんの個人マネージャーが在席しておりました。

──それは由々しき事態ですね(笑)。
本山さん:GT300にこうやってチームとして参戦して、ここから成績を上げていくためにどうすればいいかということを日々考えているんだけどね。その相談相手は田中哲ちゃん(田中哲也)でもいい?

──あ、すいません。次に指名するのはGTドライバーでお願いしたいです。
本山さん:GTドライバーか。誰がいるかな……。

──最近この連載、ちょっと年齢層が高めなので、若手だと嬉しいです。
本山さん:じゃあ、いまGT300で速いクルリン(吉田広樹)!

──ほう!(正直予想外のご指名で、素でビックリしました)
本山さん:クルリンに『どうすれば成績が上がるかアドバイスをしていただきたい』という流れでいきたいなと(笑)。

──彼、本山さんにそんなこと言われたら絶対に困り果てて答えられないですよ(笑)。
本山さん:クルリンは昔、俺の会社に入ったことがあるの。

──そうなんですか!? それはまったく知らなかったです。
本山さん:そう。社員で。

──それは何年前くらいですか?
本山さん:何年前だろう……。もう十何年前かな。ハッちゃん(服部尚貴)に紹介されて(※吉田選手は石浦選手や白坂卓也選手と同じく、服部さんの『Team Naoki』の出身)、向いてないからレースを続けるか、止めるかという最後の年にウチの会社に入って、そこで向いていなかったからその時点で止めるはずだったんだけどね。でもそこから延々続けて、いろいろチームやクルマの状況もあるけれど、いまは速く走れるようになっているよね。

──いまやGT300のチャンピオン争いを展開するドライバーですからね。
本山さん:そうなんだよね。なのでGT300でもいつも上位にいるので、いまをときめくクルリンに『GT300でうまくいく秘訣をアドバイスをしていただければ光栄です』と(笑)。

──これは面白い繋がりになりました。それにしても、そんな時代もあったのですね。知りませんでした。
本山さん:ウチの会社に入社して3日目くらいに俺のクルマをぶつけたんだよね。運転手で雇ったのに運転手がぶつけちゃうという(笑)。

──とんでもないエピソード出てきましたね。ちなみにそのときのクルマはなんですか?
本山さん:そのときはシーマ。基本はヘタなんですよ(笑)。ふだんの運転はもっとヘタだった。レーシングドライバーとして絶対的に向いてなかったの。でも、今は速いからね(笑)。

* * * * *

そんなこんなで、次回は埼玉トヨペットGreenBraveの吉田広樹選手に繋がりました。大先輩からのお悩み相談にどう答えていただけるのでしょうか……?

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