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埼玉トヨペットSupraがmuta GR86の猛攻を凌ぎ2連勝。20点リードで最終戦へ【第7戦GT300決勝レポート】

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埼玉トヨペットSupraがmuta GR86の猛攻を凌ぎ2連勝。20点リードで最終戦へ【第7戦GT300決勝レポート】

 10月15日、大分県のオートポリスで2023スーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT 450km RACE』の決勝が開催され、GT300クラスは52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰/野中誠太)がチャンピオンを大きく引き寄せる優勝を飾った。

 今年も唯一の九州決戦を迎えたスーパーGT。2023年シーズンも残すところ2戦となり、この第7戦はシリーズを争ううえでも天王山になる。オートポリスは予選日こそ曇り空になったものの、迎えた日曜決勝日は再び天候が好天。

【正式結果】2023スーパーGT第7戦オートポリス 決勝

 13時30分のフォーメーションラップスタート時刻には強い日差しがコースを照らし、気温17度、路面温度27度というコンディションでオートポリス初となる450km、97周のレースが幕を開けた。

 長距離レースということもありスタートでは各車クリーンな出だしをみせ、ポールポジションスタートの2号車muta Racing GR86 GTを駆る平良響を先頭に、61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝、31号車apr LC500h GTの小高一斗のトップ3に加え、後続もほぼ予選順位どおりに1周目を完了する。

 5周目には2番手を争っていた31号車を皮切りに、60号車Syntium LMcorsa GR Supra GT、5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号が先陣を切ってピットイン。レギュレーションで定められた1回目の給油義務を消化してコースに戻っていく。

 トップを走る2号車は快調に走行を重ね後続との差を4.5秒と広げる一方、2番手の61号車はペースが上がらず。7周目には52号車の先行を許し、52号車はその勢いのまま2号車の背後1秒差まで迫った。そんななかで迎えた15周目、8番手を争っていた18号車UPGARAGE NSX GT3と96号車K-tunes RC F GT3が1コーナーの進入で接触しスピンアウト。18号車はグラベルにストップしてしまったためレースはフルコースイエロー(FCY)が導入される。

 レースは18号車がコースに戻った後の16周目から再開。そのリスタート後には2号車平良と52号車川合によるトップ争いが再び白熱、17周目のヘアピンで平良のインに飛び込んだ川合がシリーズチャンピオンへの流れを引き寄せるオーバーテイクに成功すると、徐々にギャップを構築し始める。

 GT500クラスが26周目に入ったとき、10番手を走行していた27号車Yogibo NSX GT3の左フロントタイヤが外れてしまい2度目のFCYが導入。27号車はピットまで戻りタイヤを装着してコースに出るも、その1コーナーでトラブルの影響からかコースアウトしてしまい、一度は解除されたFCYが連続で導入される事態に。

 その後FCYは、27号車の回収完了後の28周目に解除された。2番手に下がった2号車はここでピットインを行い、平良のダブルスティントでレースに復帰すると、その翌周にはトップの52号車が合わせてピットイン。両車とも給油を行いドライバー交代はしなかったが、2号車はタイヤを交換したのに対し、52号車はタイヤ無交換作戦を決行する。同じブリヂストンタイヤを履く2台で選択が分かれる展開になった。

 レースは中盤戦へ突入するなか、GT500クラス車両のコースアウトによる3度目のFCYが導入される。45周目にはまだピットに入っていない56号車リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rに加え、2番手の52号車、3番手の31号車がここで同じタイミングでピットへ。

 ルーティン作業を完了した後に52、56、31号車の順でコースに復帰するが、56号車はわずか2周後に再びピットインを選択。超ショートスティントでマシンを呼び戻し、なんとタイヤ無交換で燃料補給のみの2度目のピットストップを行う奇襲作戦に出る。

 上位勢が2回目のピットインを完了した時点の順位は、52号車がトップ、2番手に2号車が付き、その背後の3番手に31号車、61号車と続く。奇策を採った56号車は、5番手まで浮上するも1分差でここまで。

 レースが後半に突入し始めると、首位の52号車と2号車の差が少しずつ縮まり、そのギャップは1秒ほどにまで縮まった。さらにその後方では31号車と61号車による3番手争いも白熱してくる。

 GT500クラスのマシン達とコースを分け合いながら繰り広げられたGT300のトップ争い。52号車の吉田広樹と2号車の堤優威によるテール・トゥ・ノーズのバトルは20周以上にわたって続いたが、順位は変わることなく吉田が堤の猛攻を死守してトップチェッカーを受けた。3位には新車投入後初表彰台となるapr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生)が続いた。

 この結果、52号車は最終戦へのチャンピオン決定に向けて大きなアドバンテージを得る優勝を手にすることになった。公式練習からウォームアップまでGT300を席巻した2号車は0.612秒差の悔しい2位に終わり、最終戦でのチャンピオン争いは52号車と2号車の2台に絞られた。そしてそのタイトル争いも、2号車が予選ポールポジションを獲得できなければ、その瞬間に52号車がチャンピオンに輝くという、52号車が圧倒的優位で迎えることになる。

 2023年のスーパーGTは泣いても笑っても次戦のもてぎが最終ラウンド。チャンピオンが決まる運命の1戦は11月4~5日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われる予定だ。

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