実は普段の運転に一番効果あり!! 最新施設オープンでプロドライバーも勧めるシミュレータの上手な活かし方

「クルマ趣味を新しいカタチの文化に」をテーマに事業を行なうHC GALLERYが、2022年7月10日に東京都心でシミュレータを使用したトレーニングができる新サービス「HC GALLERY ―Simulator Room―」を開始した。

　今回は、新たにオープンした「HC GALLERY ―Simulator Room―」の紹介をしつつ、この施設でドライビングレッスンの講師を担当するプロドライバー澤圭太氏が語るリアルとバーチャルとの上手な付き合い方についてお届けしたい。

文／ベストカーWeb編集部
写真／ベストカーWeb編集部、HC GALLERY

■習い事感覚で気軽に始められるモータスポーツ

　サーキット走行と言えば、自分のクルマを使って参加するので、ガソリン代、メンテナンス代などが高額でなかなか一歩を踏み出せない……という人も多いのではないだろうか？

　とはいえ、公道で練習するのはただの暴走行為だし、何かあれば自分だけの問題ではなくなる大事故にもつながる危険をはらんでいる。

　今回オープンした「HC GALLERY ―Simulator Room―」は、そんな走り好きのために、あえてゲーム性の強いe-Sportsではなく、実際のドライビングに役立つ、リアルとシミュレータを上手くマッチングさせることを目的とした施設となる。

都営大江戸線 牛込柳町駅直結の立地にオープンした「HC GALLERY ―Simulator Room―」。カフェ風に仕上げたオシャレな店内に、最新シミュレータ2台を設置している

　代表取締役を務める佐野順平氏によれば、HC GALLERYは、サーキット専用にチューニングされたトヨタ GR86や86をシェアリングして気軽にサーキット走行ができるサービス「HC Sharing」（月々3300円と諸費用）など、さまざまなサービスを展開しているという。

　今回オープンした「HC GALLERY ―Simulator Room―」は、そんなHC Sharingの前のステップ、自ら参加するモータースポーツに興味を持ってもらうための施設なのだ。

　シミュレータは、2022年5月に発売された最新鋭の『DRiVe-X』が2台導入されており、どちらも『iRacing』と『Assetto Corsa（アセット・コルサ）』がインストールされている。ドライバーのレベルや、トレーニングしたい車種によって使い分けるとのことだ。

　常駐アドバイザーによるワンポイントアドバイス付きの1時間のプログラムから、ル・マン24時間出場経験もある澤圭太氏らをコーチ陣に迎えた本格レッスンを習い事形式で受けられるプラン（月額1万4000円、月1回2時間の講義あり）などが用意されている。

　入会金7000円＆月額2000円の『シムSharing会員』になると、月1回使える1時間走行券が12回分支給される（毎年）。ワンポイントアドバイス付きの1時間走行（実走45分）は会員価格3000円ということを考えると、かなりお得にシミュレータを利用することができる。

　さらに学生（会員）であれば、3000円の走行が1000円に割引されるので、実車はまだ乗れないけど……という若年層でもしっかりとしたトレーニングを受けることができる。

取材に訪れた媒体関係者も体験。シミュレータと侮るなかれ、ハンドルのフォースフィードバックも強く、ブレーキも力いっぱい踏む必要があるので、想像以上に疲れる……。澤圭太氏からも体験程度だったが、熱の入った指導をいただいた

■澤圭太氏が語る シミュレータとの上手な付き合い方

4輪レース歴21年。マカオGP優勝やル・マン24時間レース出場などの出場経験があり、10年以上もさまざまなドライビングレッスンを行っている澤圭太氏

　まずシミュレータは、ただやるだけでは下手の上塗りになる可能性があります。リアルで上手くなりたいのであれば、こういった施設に来て、時間の限りひたすら走るのではなく、しっかりレッスンコーチを付けたうえで、「3周いきます」「こういった目標を立てます」と決めてやることが大切です。

　シミュレータでたまにあるのは、プロよりアマチュアのほうが速いタイムが出ちゃうこと。これは”シミュレータ走り”と言われて、リアルでは不可能な動きも、ソフトウェアが許容してしまうために起きます。本当はそんな操作をしたら大事故だよとか、タイヤが受け付けないよ……というものもある。

　プロドライバーはこれまでの経験からリスクと代償を知っているので、リアルでやれないと思われることは絶対にやらないんです。なので、正しくシミュレータを使える人は、リアルとシミュレータを行ったり来たりして練習している人が多いです。

　人によって、走り方の操作に問題がある人、技術があるのにパフォーマンスを引き出せない人など、さまざまな問題があるので、レッスンコーチがどんな問題があるのかを把握して導いていく必要があります。そして、シミュレータだからこそできることと、シミュレータだからやっちゃいけないことを知ってトレーニングすることが重要です。

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　代表の佐野氏いわく、「ご主人がシミュレータでしっかり練習したあとの奥さんから話を聞くと、最近主人の運転で酔わなくなった」という声があるという。

　シミュレータだけでなく、モータースポーツ全般に言えるが、勇気と根性ではなく、理論に基づいて技術を向上させるので、普段のクルマを運転する技術も向上するのだ。

　「HC GALLERY ―Simulator Room―」では、シミュレータで実力と自信をつけたら、「HC Sharing」のサービスに移行して、クルマも道具も用意せずにサーキットにデビューすることが可能なので、ぜひシミュレータ初心者という読者も足を運んでみてもらいたい。

■HC GALLERY ―Simulator Room―　店舗情報
・所在地　東京都新宿区原町1-18 松永ビル7F
・営業時間　13時～21時（最終入店20時）
・電話番号　03-6380-2012（広報）
・料金
［1］シムSharing会員　入会金7000円＋月額2000円（月1回使える12回分のクーポンを支給）
［2］時間練習費用　会員：3000円、非会員：4500円、学生割引：1000円（実走45分でワンポイントアドバイス付き）
［3］プロによるシムトレーニング・スクール　月額1万4000円（月1回2時間講義あり、自主練チケット1枚付き）
［4］時間練習費用（プロによるアドバイス付き）　会員：1万円、非会員：1万8000円（実走45分、インストラクション＆データロガー解析15分）

HC GALLERY ―Simulator Room―　公式サイト

　

Comments

車校に置かないと!

サーキット行ってS履く人なら実感できると思うけれど、ライン一つ外すだけでダスト喰ってコンマレベルでタイムが落ちる。　加減速や旋回G再現は難しいにしても、そういうレベルまでは再現されると現実味が増すと思う。　TAよりもタイヤへの依存度が下がるドリフトだと、総額100万程度で組んだシステムでも意外と現実味を感じる事が出来るので楽しめる。勿論Gは感じないから飽きるけれど。