人気トップはCBX案! 祈存続CB400SF/SB総選挙・結果報告【失ってはならぬ日本の至宝】
名車Z1やCB1100Rの”スタイル”を楽しむカスタム手法に抜きん出るドレミコレクションが、大人気の名車CBX400Fを見事に再現するCB400SF用の外装キットを開発。その裏側では”CB400SF全モデル対応”という要件を満たすために、並々ならぬ苦労があったようだ。ドレミコレクションの代表・武浩氏に、その思いを尋ねた。
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司) ●CG:SRD ●外部リンク:ドレミコレクション
ドレミでなければできない、究極のフィッティング
発表予定の東京MCショーの日程が迫り、今まさに出品モデル最終仕上げ中であろう、CB400SF用ボルトオン外装キット「CB400 TYPE-X」。この外装キットの開発には幾多のハードルがあったという。
その最たる理由が”CB400SF全モデル対応”。これは多くのユーザーの希望に応え、外装キットのプライスを抑える点でも必須事項。とはいえCB400SFは、’92年の初期型から30年も生産されている。大別すればNC31/39/42の3種だが、モデルごとに数回のマイナーチェンジが行われている。その都度、タンクの燃料コックの位置やシートのロック方法、サイドカバーやテールカウルといった外装パーツの固定方法などの細部が、毎回微妙に変更されているという。それを極力共通のパーツで対応させるには、ドレミの技術力はもちろんだが、多くのトライ&エラーがあったことは容易に想像がつく。
―― FRPで造形した外装パーツのフィッティングをチェック。ここから細部を詰めていく。写真の車両はNC39だが、全モデルで試行している。 [写真タップで拡大]
その中でも大きな問題が、シートレールを大きく改変した’14年以降のNC42後期型。このモデルだけはグラブバーの基部が幅広で、CBXのナローなテールカウルにはどうにも収まらなかった。かといってテールカウルの幅を広げると全体のスタイルが崩れてしまう。
そこで投入されたアイディアが、CBXのカスタムでも流行したウイング付きのテールカウル。幅広なシートレールを隠すための造形は苦肉の策というが、スタイリッシュに仕上げる技術は、さすがドレミと唸らせるモノがある。なので、シートカウルだけは2種の形状が存在する。
ちなみに東京MCショー出品モデルはプロトタイプのため、サイドカバーやシートカウルはFRP製だが、市販時には純正パーツと同じ、強度や耐久性に長じたABS樹脂で製作する予定。またシートやウインカー一体のコンビネーションタイプのテールランプについては、プロトタイプではCBX純正パーツを加工して装着するが、市販品は専用パーツを製作。これらもすべて外装キットに含まれるという。
―― スリムなNC31~NC42前期型のテール部。シートレールの形状などは異なるものの、CBXのナローなテールカウルの幅に収まる。 [写真タップで拡大]
―― NC42後期型だけはシートレールが幅広のため、CBXのカスタムで流行ったウイング付きのテールカウルを作成した。 [写真タップで拡大]
◆歴代すべてのCB400SFに対応
この外装キットは、CB400SF全車に対応。たとえば相場が40~60万円代のNC39がベースなら、工賃込みでも100万円未満でTYPE-Xが手に入る。中古価格も高騰中なので、早めにベース車を手に入れるのがオススメだ。
―― 【’92- NC31】「プロジェクトビッグ1」としてCB1000SFと同時開発され、’92年4月に先行発売。威風堂々としたスタイルで人気爆発!
―― 【’99- NC39】バルブ切り替えシステムのハイパーVTECを搭載。VTECはSPEC-II/IIIへと進化し、足まわりや外装も幾度か変更した。
―― 【’07- NC42前期】電子制御燃料噴射システムPGM-FIを採用し、ハイパーVTECレボに進化。外観を一新し、前後連動ABSも装備する。
―― 【’14- NC42後期】サイドカバーやテールカウルのデザインを変更し、細い10本スポークのホイールを装備。細部の熟成を重ね現行モデルに至る。
ドレミコレクション代表インタビュー「気軽に付き合えるCB TYPE-Xで、頑張れ4発400!」
実は『ヤングマシン』本誌においても、’21年6月号掲載「次期CB400総選挙」企画にてCBX400Fの予想CGを製作しており、奇しくもCBX外装キット開発とタイミングが重なっていたということになる。それについて、ドレミコレクション代表の武浩氏は次のように語った。
―― CB400SF/SBは’21年、ユーロ5非対応ということで生産終了の噂が流れた。そこでディスコン(生産終了)に反対する我々は、続を後押しすべく、「次期モデル総選挙」を敢行。見事1位に輝いたのがCBX400F案だった。そしてその一方で、ドレミコレクションではすでに外装キットの開発が進んでいた。これは偶然というより必然か!? (→投票結果はこちら) [写真タップで拡大]
「自分の中で勝手に、’21年は”CBX40周年”と決めて開発を進めてきましたが、『ヤングマシン』誌のイメージCGを見てビックリしましたね(笑)。でも、思いは通じるところがあるんです。やっぱり400cc4気筒には消滅してほしくないですし、『CB頑張れ! ホンダさん頑張って!!』と、生産を続けてほしい。そのために微力でも後押しになれば、って気持ちを込めています。
―― ドレミコレクション・武浩代表
当社ではゼファーのZ2スタイルがヒットしましたが、購入された多くの方はZ400FXで青春時代を過ごしたライダー達の息子さん世代なんですね。これがホンダだとCBX400Fで、やはり30代ぐらいがストライク世代。そんな皆さんに気軽に楽しんでほしいんです。ヤングマシンの総選挙で「世の中が欲しているんだな」って確信が持てました(笑)」
◆CB400 TYPE-X実車公開! 東京モーターサイクルショーのドレミブースへGO!
2年ぶりに開催される東京モーターサイクルショーで、ドレミコレクションはCB400 TYPE-Xを2台(ノーマルテール/ウイング付きテール)展示。他にもいっそう完成度を高めたZ900RSベースのニンジャおよびローソンや、CB1100タイプRなども展示し、さらに“隠し玉”もあるらしい!?
―― 写真は’19年東京モーターサイクルショーのドレミコレクションのブース。革新的なZ900RSのインナータンクによる「Z1スタイル」を発表した。 [写真タップで拡大]
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みんなのコメント
いつまで懐古趣味に浸っているつもりなんだろう?
空前のバイクブーム直撃世代の50代ですが、当時ヘンテコなバイクも沢山あったが、作り手の情熱とかこだわりが確かにあった。もう鬱陶しい程に。
その熱が伝わって、あのブームになったと思ってます。
メーカーには、客に媚びない自分の作りたいバイクを作って欲しい。
若い子達が憧れて、何が何でも乗りたい!と思えるバイクを作って欲しい。