現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 焦点はサーキット アウディRS4 アバント・コンペティションへ試乗 M3 ツーリングを迎え撃つ

ここから本文です

焦点はサーキット アウディRS4 アバント・コンペティションへ試乗 M3 ツーリングを迎え撃つ

掲載 15
焦点はサーキット アウディRS4 アバント・コンペティションへ試乗 M3 ツーリングを迎え撃つ

サーキットに焦点が向けらたワゴン

荷物をたくさん詰める高性能モデルといえば、アウディRS4 アバントは最たる例といえる。1990年代初頭にリリースされたスーパーカー・キラー、アウディRS2の後継モデルに相当し、現在においてもその魅力に不足はない。

【画像】スーパーワゴン アウディRS4 アバント・コンペティション ドイツの競合たちと比較 全130枚

ちなみにRS2は、0-48km/h加速でマクラーレンF1を凌駕していた。当時の80 アバントをベースに、ポルシェが手を加えた特別なワゴンだった。

RS4は2000年代初頭のB5系A4をベースに誕生し、現行モデルは4代目。代を重ねる毎に能力は磨かれ、圧倒される加速力や、他に例のない個性を受け継いできた。例えエンジンが自然吸気のV8から、ツインターボのV6に置き換えられても。

そんなスーパーワゴンなRS4だが、まだ物足りないというドライバーがいたのだろう。アウディは新たに、RS4 アバント・コンペティションを投入した。

B9系のRS4をチューニングし高速化させたモデルで、ステーションワゴンのシルエットでも、サーキットに焦点が向けられている。BMW M3 ツーリングへの対抗意識が見え隠れする。

軽量化と8速ATの改良で加速力上昇

ただし、通常のRS4 アバントとの違いは、パワートレインを見るとさほど大きくない。最高出力450ps、最大トルク61.1kg-mを発揮する、2.9L V6ツインターボは基本的にキャリーオーバーとなっている。

8速ATの制御ソフトは書き換えられ、変速時間を短縮。0-100km/h加速時間は0.2秒短い、3.9秒となった。鋭くアグレッシブに次のギアへつながるが、明確な変化とまではいえないだろう。

RSエグゾーストと呼ばれる排気系は、このコンペティションで初導入されている。エンジンルームと車内から防音材が8kgぶん省かれ、盛大なエンジンとエグゾーストのノイズを運転中に堪能できる。

2012年にデビューした3代目RS4が放った、極上のファンファーレには至らない。とはいえ、現代の高性能モデルにふさわしい音響だ。

ABSは再チューニングされ、通常のRS4ではオプションとなるカーボンセラミック・ブレーキディスクは標準装備。100km/hから停止までの制動距離を、2m縮めている。タイヤはピレリPゼロ・コルサを履く。

車重は1745kgあるものの、フルスロットル時の直線加速は猛烈。アウディがクワトロと呼ぶ四輪駆動システムが遺憾なく働き、8速ATが選んでいるギアに関係なく、甚大なトルクでドライバーの背中はバケットシートに押し付けられる。

間もなく試乗機会が得られるであろう、M3 ツーリングはどの程度の鋭さを発揮するのか? 比較できる時が楽しみでならない。

ステアリングやサスペンションも進化

もちろん、RS4 コンペティションの進化は加速力だけではない。剛性の高められたアンチロールバーやサスペンション・スプリング、新採用のダンパーなどによって、コーナリング性能も磨かれている。

引き締められた姿勢制御と、圧倒的な安定性やグリップ力は、ステーションワゴンとしては異次元といえるほど。従来以上に、積極的にコーナーへ飛び込んでいこうという気にしてくれる。

ステアリングラックにも手が加えられ、レシオはクイックになり、操舵感は一貫性を増している。切り始めから反応が鋭く、通常のRS4ではややスローに感じられた印象が改められた。全体の動的特性にも、まとまりが出たと思う。

郊外の道を、高速で正確に縫うことができる。軽くはない車重を感じさせない。

今回の試乗はスペインの滑らかな舗装に限られ、つぎはぎの多い英国や日本でどんな乗り心地なのか、明確なことはいえない。少なくとも、標準装備のダンパーをソフトな状態にしていれば、若干傷んだ区間でも快適には感じられた。

オプションの10mm車高が落ちるRSスポーツ・サスペンション・プロは、一層硬いことも間違いない。とはいえ、RS4 コンペティションの高性能モデルとしての実力を考えれば、乗り心地に目くじらを立てるドライバーは少ないはず。

実用性とサーキットでの能力を両立

アウディRS4 アバント・コンペティションの英国価格は、8万4600ポンド(約1395万円)から。通常のRS4 アバントから小さくない上昇となるが、日常的な実用性と非日常的なサーキットでの能力の両立を考えれば、納得できなくはない。

もしインゴルシュタットのスーパーワゴンに興味を抱いたのなら、早いうちに行動へ移すことをオススメする。僅か75台の限定となる英国の場合は、予定数の殆どが既に埋まっているらしい。

アウディRS4 アバント・コンペティション(欧州仕様)のスペック

英国価格:8万4600ポンド(約1395万円)
全長:4780mm
全幅:1865mm
全高:1435mm
最高速度:289km/h
0-100km/h加速:3.9秒
燃費:10.3km/L
CO2排出量:220g/km
車両重量:1745kg
パワートレイン:V型6気筒2984ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:450ps/5700-6700rpm
最大トルク:66.1kg-m/2000-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

こんな記事も読まれています

レクサスLBXが絶好調! 日産ノートオーラも売れている! 日本には「高級コンパクト」の潜在需要があり
レクサスLBXが絶好調! 日産ノートオーラも売れている! 日本には「高級コンパクト」の潜在需要があり
WEB CARTOP
トヨタ次期「セリカ」に期待! 「まもなく登場?」 8代目「次期型」20年弱ぶりに復活!? みんなの声は
トヨタ次期「セリカ」に期待! 「まもなく登場?」 8代目「次期型」20年弱ぶりに復活!? みんなの声は
くるまのニュース
オーストリアでの接触で友情にヒビ? ノリス、フェルスタッペンが責任逃れをするなら「リスペクトを失う」
オーストリアでの接触で友情にヒビ? ノリス、フェルスタッペンが責任逃れをするなら「リスペクトを失う」
motorsport.com 日本版
[カーオーディオ・素朴な疑問]メインユニット…カロッツェリア『サイバーナビ』のオーディオ機器としての実力は?
[カーオーディオ・素朴な疑問]メインユニット…カロッツェリア『サイバーナビ』のオーディオ機器としての実力は?
レスポンス
高級ファミリーカーの新提案──新型アウディQ6 e-tron試乗記
高級ファミリーカーの新提案──新型アウディQ6 e-tron試乗記
GQ JAPAN
マセラティ MC20/MC20 チェロ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
マセラティ MC20/MC20 チェロ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGP決勝
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGP決勝
AUTOSPORT web
2024年5月欧州新車販売は前年比2.6%減。HEVがシェアを伸ばしている
2024年5月欧州新車販売は前年比2.6%減。HEVがシェアを伸ばしている
カー・アンド・ドライバー
6速MTもある日産「新型スポーティセダン」発表! 生まれ変わった“精悍”顔に「カッコイイ」の声も! 新型「セントラ」約340万円からチリに登場
6速MTもある日産「新型スポーティセダン」発表! 生まれ変わった“精悍”顔に「カッコイイ」の声も! 新型「セントラ」約340万円からチリに登場
くるまのニュース
日産の最高級SUV!新型「インフィニティQX80」北米で登場 全長5.4mのフルサイズSUVがフルモデルチェンジ
日産の最高級SUV!新型「インフィニティQX80」北米で登場 全長5.4mのフルサイズSUVがフルモデルチェンジ
VAGUE
【古いクルマのオーナーこそ必見】この夏〝中古車バブル〟到来中! 愛車を高く売りたいなら、この7月がベスト
【古いクルマのオーナーこそ必見】この夏〝中古車バブル〟到来中! 愛車を高く売りたいなら、この7月がベスト
月刊自家用車WEB
あなたのスマホをしっかりホールド! ドライブライフの車載スマホホルダー「HLD02」が登場
あなたのスマホをしっかりホールド! ドライブライフの車載スマホホルダー「HLD02」が登場
月刊自家用車WEB
トヨタ“次期型”「ハイエース」いつ登場!? デビュー20年目の「大人気“商用バン”」どうなる? “超静音モデル”化に期待か
トヨタ“次期型”「ハイエース」いつ登場!? デビュー20年目の「大人気“商用バン”」どうなる? “超静音モデル”化に期待か
くるまのニュース
今気になるモデルの『○』と『×』
今気になるモデルの『○』と『×』
グーネット
スズキが「本格“軽”SUV」実車公開! 次期「スペーシアギア」!? 超カッコイイ「“ジムニー”顔」&「斬新内装」のアウトドアカスタムお披露目
スズキが「本格“軽”SUV」実車公開! 次期「スペーシアギア」!? 超カッコイイ「“ジムニー”顔」&「斬新内装」のアウトドアカスタムお披露目
くるまのニュース
【ポイントランキング】2024年FIA F2第7戦シュピールベルク終了時点
【ポイントランキング】2024年FIA F2第7戦シュピールベルク終了時点
AUTOSPORT web
ポルシェやランボも作れそう……「あたり」固体しか生まない設備も人材も日本最高峰!!! GRファクトリーが凄すぎる
ポルシェやランボも作れそう……「あたり」固体しか生まない設備も人材も日本最高峰!!! GRファクトリーが凄すぎる
ベストカーWeb
ファンティック「キャバレロ フラットトラック125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
ファンティック「キャバレロ フラットトラック125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ

みんなのコメント

15件
  • 現行のRS4が積む2.9LはポルシェのV6ターボだよね
    フルタイム四駆だし先進装備満載だし
    グリルのお化けとかしてFRベースと言う非効率な四駆のM3じゃ比較にならないでしょう
  • 常々思うが、サーキットを意識しているのなら、どこのサーキットを外気温○℃路面○℃で○分走行した時に水温○℃油温○℃タイヤ○℃てまともなデータを出すべきでは。
    わぁーーー♪てサーキット行って、熱でダレダレで気が付かないでぶっ壊しました。なんて事になりそうでこわい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村