サーキットに焦点が向けらたワゴン
荷物をたくさん詰める高性能モデルといえば、アウディRS4 アバントは最たる例といえる。1990年代初頭にリリースされたスーパーカー・キラー、アウディRS2の後継モデルに相当し、現在においてもその魅力に不足はない。
【画像】スーパーワゴン アウディRS4 アバント・コンペティション ドイツの競合たちと比較 全130枚
ちなみにRS2は、0-48km/h加速でマクラーレンF1を凌駕していた。当時の80 アバントをベースに、ポルシェが手を加えた特別なワゴンだった。
RS4は2000年代初頭のB5系A4をベースに誕生し、現行モデルは4代目。代を重ねる毎に能力は磨かれ、圧倒される加速力や、他に例のない個性を受け継いできた。例えエンジンが自然吸気のV8から、ツインターボのV6に置き換えられても。
そんなスーパーワゴンなRS4だが、まだ物足りないというドライバーがいたのだろう。アウディは新たに、RS4 アバント・コンペティションを投入した。
B9系のRS4をチューニングし高速化させたモデルで、ステーションワゴンのシルエットでも、サーキットに焦点が向けられている。BMW M3 ツーリングへの対抗意識が見え隠れする。
軽量化と8速ATの改良で加速力上昇
ただし、通常のRS4 アバントとの違いは、パワートレインを見るとさほど大きくない。最高出力450ps、最大トルク61.1kg-mを発揮する、2.9L V6ツインターボは基本的にキャリーオーバーとなっている。
8速ATの制御ソフトは書き換えられ、変速時間を短縮。0-100km/h加速時間は0.2秒短い、3.9秒となった。鋭くアグレッシブに次のギアへつながるが、明確な変化とまではいえないだろう。
RSエグゾーストと呼ばれる排気系は、このコンペティションで初導入されている。エンジンルームと車内から防音材が8kgぶん省かれ、盛大なエンジンとエグゾーストのノイズを運転中に堪能できる。
2012年にデビューした3代目RS4が放った、極上のファンファーレには至らない。とはいえ、現代の高性能モデルにふさわしい音響だ。
ABSは再チューニングされ、通常のRS4ではオプションとなるカーボンセラミック・ブレーキディスクは標準装備。100km/hから停止までの制動距離を、2m縮めている。タイヤはピレリPゼロ・コルサを履く。
車重は1745kgあるものの、フルスロットル時の直線加速は猛烈。アウディがクワトロと呼ぶ四輪駆動システムが遺憾なく働き、8速ATが選んでいるギアに関係なく、甚大なトルクでドライバーの背中はバケットシートに押し付けられる。
間もなく試乗機会が得られるであろう、M3 ツーリングはどの程度の鋭さを発揮するのか? 比較できる時が楽しみでならない。
ステアリングやサスペンションも進化
もちろん、RS4 コンペティションの進化は加速力だけではない。剛性の高められたアンチロールバーやサスペンション・スプリング、新採用のダンパーなどによって、コーナリング性能も磨かれている。
引き締められた姿勢制御と、圧倒的な安定性やグリップ力は、ステーションワゴンとしては異次元といえるほど。従来以上に、積極的にコーナーへ飛び込んでいこうという気にしてくれる。
ステアリングラックにも手が加えられ、レシオはクイックになり、操舵感は一貫性を増している。切り始めから反応が鋭く、通常のRS4ではややスローに感じられた印象が改められた。全体の動的特性にも、まとまりが出たと思う。
郊外の道を、高速で正確に縫うことができる。軽くはない車重を感じさせない。
今回の試乗はスペインの滑らかな舗装に限られ、つぎはぎの多い英国や日本でどんな乗り心地なのか、明確なことはいえない。少なくとも、標準装備のダンパーをソフトな状態にしていれば、若干傷んだ区間でも快適には感じられた。
オプションの10mm車高が落ちるRSスポーツ・サスペンション・プロは、一層硬いことも間違いない。とはいえ、RS4 コンペティションの高性能モデルとしての実力を考えれば、乗り心地に目くじらを立てるドライバーは少ないはず。
実用性とサーキットでの能力を両立
アウディRS4 アバント・コンペティションの英国価格は、8万4600ポンド(約1395万円)から。通常のRS4 アバントから小さくない上昇となるが、日常的な実用性と非日常的なサーキットでの能力の両立を考えれば、納得できなくはない。
もしインゴルシュタットのスーパーワゴンに興味を抱いたのなら、早いうちに行動へ移すことをオススメする。僅か75台の限定となる英国の場合は、予定数の殆どが既に埋まっているらしい。
アウディRS4 アバント・コンペティション(欧州仕様)のスペック
英国価格:8万4600ポンド(約1395万円)
全長:4780mm
全幅:1865mm
全高:1435mm
最高速度:289km/h
0-100km/h加速:3.9秒
燃費:10.3km/L
CO2排出量:220g/km
車両重量:1745kg
パワートレイン:V型6気筒2984ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:450ps/5700-6700rpm
最大トルク:66.1kg-m/2000-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック
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みんなのコメント
フルタイム四駆だし先進装備満載だし
グリルのお化けとかしてFRベースと言う非効率な四駆のM3じゃ比較にならないでしょう
わぁーーー♪てサーキット行って、熱でダレダレで気が付かないでぶっ壊しました。なんて事になりそうでこわい。