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フレンチな独自性に誘惑される DS 4 E-テンス225 PHEVへ試乗 快適重視のシャシー

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フレンチな独自性に誘惑される DS 4 E-テンス225 PHEVへ試乗 快適重視のシャシー

ひと回り大きいEMP2アーキテクチャを採用

フォルクスワーゲン・ゴルフ・サイズのCセグメント・ハッチバックで、より高級なものをお探しなら、BMW 1シリーズやメルセデス・ベンツAクラス、アウディA3といった選択肢が真っ先に思い浮かぶだろう。ただし、少しありきたりかもしれない。

【画像】ドイツ勢と異なるプレミアム DS 4 A3、1シリーズ、Aクラス 競合モデルと写真で比較 全120枚

2022年の英国では、メルセデス・ベンツAクラスは販売台数トップ10に入る人気モデルだ。ご近所にも1台停まっている、という読者もいらっしゃるはず。人とは違うクルマを、と考えてDS 4に辿り着いてもまったく不思議ではない。

フランスのプレミアム・ブランドとして、ドイツ勢に代わる選択肢となるのが新しいDS 4だ。周囲とは異なるスタイリングと快適性を併せ持ち、Cセグメント市場の絶妙なポジショニングを狙っている。

それが市場でどう判断されるのかは、今後の販売台数で見えてくる。少なくとも、DS 4が優れた競争力を備えている必要性があることは、間違いない。今回は、その実力を確かめてみよう。

メカニズムは、属するステランティス傘下のモデルとして、大きな驚きはないかもしれない。プラットフォームは、プジョー508やDS9など、主にひと回り大きいモデルがベースにするEMP2アーキテクチャを採用している。

グループ内の同サイズ・モデル、プジョー308などは、ひと回り小さいCMPアーキテクチャを採用している。大型モデル用のプラットフォームを利用することで、ワンランク上の洗練性を目指したといえる。

快適性重視のソフトな乗り心地

EMP2は、純EVへの派生を前提に開発されていない。そのためDS 4で選べるパワートレインは、通常の1.6Lガソリンエンジンと、1.2Lか1.6Lのディーゼルエンジン、さらにガソリンエンジンが軸のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)となる。

トランスミッションは、エンジンに関わらず8速オートマティックが組み合される。今回試乗したのは、システム総合で最高出力227psを発揮するPHEVのE-テンス225だった。

このE-テンス225は、とてもスムーズでパワフル。駆動用バッテリーだけで最長56km走行可能で、ライバルと遜色ない能力を備える。現実的な距離は、40km前後のようだ。

DS 4には、好きだと思える部分が多い。試乗車には3モードから選択できるアダプティブダンパーが装備され、おしなべて快適なこともその1つ。

コンフォート・モードを選ぶと、このクラスのハッチバックとしては最もソフトな乗り心地を味わえる。ボディは長い周期で優しく揺れる。スポーツ・モードを選んでも、柔軟だと感じるほど。

ただし大径のアルミホイールを履いているため、舗装の剥がれた穴などを通過すると、完全には衝撃を吸収しきれない。アクティブ・スキャンと呼ばれる、路面状況をフロントガラス上のカメラで読み取り、事前に減衰力を調整する機能が装備されていても。

柔らかい足回りだからボディロールは大きめ。ステアリングホイールも軽い。スポーティという言葉とは縁遠いものの、快適性重視だから、まったく問題にはならないだろう。

独自色の強いインテリア 気になる点も

高速道路を走らせてみると、車内は静かに保たれ、とても落ち着いている。ドイツ勢に劣らない、上質な素材が用いられたインテリアに浸ることができる。一部、組み立て精度が若干甘い部分も残ってはいたけれど。

内装と操作系のデザインやレイアウトは、DSの独自色が強い。特別な空間に身をおいていると実感する。インテリアの配色は、全体的に暗め。もう少し華やかな差し色があっても、良かったと思う。

幾つか、小さな気になる点も存在する。シート自体は快適なものの座面がフラットすぎ、身長の高いドライバーは快適なドライビングポジションを得にくいかもしれない。

PHEVでは、ブレーキペダルの踏み心地が柔らかいと感じた。反応には、もう少し一貫性があっても良い。アダプティブ・クルーズコントロールの制御も、まだ改善の余地があるだろう。シフトパドルに対する8速ATの反応には、鈍さがある。

インフォテインメント・システムはグラフィックが鮮明だが、反応のスピードが遅め。BMWのiドライブに触れたことがあれば、DSのインターフェイスには不満を抱くかもしれない。

とはいえ、ユーザーの好みに応じてカスタマイズは可能。システム自体はロジカルで、慣れれば扱いにくいとは感じにくいだろう。ドイツ勢へ完全に肩を並べるには、細部までの作り込みが重要ではある。

好感の持てるフレンチ・プレミアム

DS 4の英国価格は、130psの1.2ピュアテックで2万6860ポンド(約437万円)から。試乗したE-テンス225の場合は、パフォーマンスライン・グレードで3万6100ポンド(約583万円)からとなる。

価格設定も、ドイツのプレミアム・ブランド勢を強く意識したものといえる。ただし、オプションを追加していくと、PHEV版の価格はさらに上昇していくが。

あと少し、という点もなくはないDS 4だが、その魅力度は間違いなく高い。価格を踏まえても、オリジナリティの強いデザインをまとったフレンチ・プレミアム・ハッチバックに、筆者は好感を抱いてしまう。

このセグメントの競争は厳しい。だが、新しいDSというブランドの独自性に、誘惑されるという人も少なくないのではないだろうか。

DS 4 E-テンス225 PHEV パフォーマンスライン+(英国仕様)のスペック

英国価格:3万6100ポンド(約583万円)
全長:4400mm
全幅:1830mm
全高:1490mm
最高速度:233km/h
0-100km/h加速:−
燃費:65.1-82.2km/L
CO2排出量:27-35g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:9.9kWh(実容量)
最高出力:227ps(システム総合)
最大トルク:31.1kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

3件
  • やっぱクルマはベンベに限るよね!
  • 惜しいね。
    Cピーラーからリアフェンダーにかけてのデコラティブな処理
    フロントの縦に伸びるシルバーライン。
    ちょっとくどいね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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