現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 内燃機関は死なず!! 日産 VCエンジン&マツダ SKYACVTIV-X 実用化目前の夢のエンジン

ここから本文です

内燃機関は死なず!! 日産 VCエンジン&マツダ SKYACVTIV-X 実用化目前の夢のエンジン

掲載 更新
内燃機関は死なず!! 日産 VCエンジン&マツダ SKYACVTIV-X 実用化目前の夢のエンジン

 自動車の“心臓”は、100年以上ずっと内燃機関=エンジンだった。いっぽう、ここ最近、EVなどモーターが新たなパワーユニットとして注目を浴びている。「内燃機関にはもう進化の余地はあまり残されていない」。そう思われ始めたなか、技術革新の『壁』をうち破った2つのエンジンが、まもなく市販化に漕ぎ着けようとしている。可変圧縮比を世界で初めて実現した日産のVCエンジンとマツダのSKYACTIV-X。2つのエンジンが、内燃機関の新たな歴史を切り開く!!

文:鈴木直也/写真:NISSAN、MAZDA
ベストカー2017年12月26日号

【ランエボ復活への道】三菱の新型ターボエンジンに「エボ」の資質あり!!

ディーゼルでしかできなかった『圧縮着火』を実現

SKYACTIV-Xを載せたアクセラの試作車

 内燃機関が生まれてから140年、これだけ長いことやってると有望な技術革新のネタは掘り尽くしたかと思われていたが、最近は注目の新技術が次々に登場している。

 で、その注目の新技術ナンバーワンは、いうまでもなくマツダのSKYACVTIV-Xだ。

 内燃機関の効率(熱効率)を高めるにはさまざまなアプローチがある。たとえば、圧縮比(膨張比)を上げるなんてのがポピュラーな手法だ。そのほか、熱損失や摩擦損失を減らすなど、さすがに140年も研究してるから基本メニューはぜーんぶわかってる。そのなかで、「わかってるけどなかなか実現できない」のが、薄~い混合比で(ガソリンを)燃やすということ。

 熱力学的には、これを「作動ガスの比熱比を上げる」と表現されるんだけど、要はシリンダーの中は、比熱比の高い空気やCO2の割合を高めるのがよろしいってことですね。

 ところが、ご存じのとおりガソリンと空気の理論空燃比は1対14.7と決まっていて、これを外れるとすぐご機嫌ナナメになる。実用上は1対20くらいまで。それ以上空燃比を薄めると、もうプラグの周りだけしか火がつかなくなったり、途中で失火したりする。

 SKYACTIV-Xは「圧縮着火」という発想で、この希薄燃焼問題をイッキに突破した新技術だ。その仕組みは簡単には説明しきれないけれど、要するにディーゼルみたいに圧縮比を上げてゆくと、どんなに薄い混合気でも自己着火するポイントがある。その原理を応用したものなんですね。

マツダが公開したSKYACTIV-Xエンジン。排気量は1997ccでリッター100psに迫る190psを発揮するという

『圧縮比を自在に』理想の効率を実現した日産

可変圧縮比のVCエンジン。2Lながら272ps/390Nmというパワー&トルクを発揮

 これ以外でも、日産はクランク/コンロッドの連結部に可変リンク機構を入れて、作動中のエンジンの圧縮比を自由自在に可変できるユニークなエンジンを開発中。

 ターボと組み合わせて、低負荷域は高圧縮、高速/ハイブースト域は低圧縮といった具合に、エンジンの全域で最適効率に近い運転が可能になる。

 いやー、枯れたとも思われていた内燃機関の技術、実は全然そんなことなかったんですね。今後が楽しみです。

【鈴木直也】

◆  ◆  ◆

 この2つのエンジンの注目すべき点は「すでに量産化が目前に迫っている点」。決して「開発中だけど、まだ導入予定はない」といった“肩透かし”を食らうことはないのだ。

 日産は2017年11月29日に、2LターボのVCエンジンを搭載した新型QX50を発表。2018年、即ち来年には北米などで実際に発売される見込み。

 そして、マツダのSKYACTIV-Xも2019年には次期型アクセラに搭載され発売予定だ。

 内燃機関新時代が始まる時は、もうすぐだ。

新型QX50。フロントタイヤ脇には「2.0t」の刻印。日本でスカイラインクロスオーバーとして販売された車種の後継車だ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
motorsport.com 日本版
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
AUTOSPORT web
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
Auto Messe Web
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
WEB CARTOP
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
日刊自動車新聞
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
くるまのニュース
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
motorsport.com 日本版
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
AUTOSPORT web
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
レスポンス
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村