モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツwebがコラボしてお届けするweb版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。今回のテーマは1998年の全日本GT選手権(JGTC)を戦った『トヨタ・スープラ』です。
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『トヨタ・スープラ(1996年編)』GT専用マシン化が進んだ“黒船”の対抗馬【忘れがたき銘車たち】
トヨタのフラッグシップスポーツカー、JZA80型のトヨタ・スープラは本格始動初年度である1994年から全日本GT選手権(JGTC)への参戦を開始し、翌1995年には初優勝を記録。さらに参戦4年目となる1997年には、初のタイトルを獲得した。
その初タイトル獲得の翌年である1998年シーズン、スープラは前年モデルのコンセプトをキープしたまま、各部に改良を加えて、1998年モデルへと進化した。
まず空力面ではフロントフェンダーをエアダム的なデザインに変更した。ただこれは、シーズン途中で車体後部のドラッグを生んでいると判断され、1997年モデルのデザインに戻されている。
そのほかにもフロントスポイラーの改良や終盤戦では大型の一枚式リヤウイングが採用されるなど、シーズン終了間際まで苦心しつつのモディファイが行われていた。
またエンジンはロールケージが新たな形状となったほか、電動パワーステアリングの搭載、さらにエンジンが2.0リッター直4ターボの3S-GTEでありながら、NA並みの燃費を発揮。
TRDの開発専用車両がこの年から導入されたこともあり、シーズンが始まってからも日進月歩で車両の開発が進んでいった。しかし、その成果はすぐに実らず。またこの年、ホンダNSXが速さを見せたこともあってスープラ勢は1勝もできないままシーズンを終えてしまう。
ポイントランキングでも6位に入ったデンソーサードスープラGTが最上位という結果だった。そしてTRDは1999年に向け、スープラに大改良を施すことになるのだった。
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