FIA F2に参戦するダムス・ルーカスオイルは11月7日、2024年シーズンも残り2戦という中、突如としてファン-マヌエル・コレアのチーム離脱を発表した。同時に、コレアの代役としてフェラーリ育成のディーノ・ベガノビッチが残る2戦でステアリングを握ることが明らかにされた。
コレアの代役を務めるベガノビッチはスウェーデン出身の現在20歳。レーシングカートを経て2020年にイタリアF4でシングルシーターデビューを飾るとシリーズ3位を獲得。なお、この年の初頭にはフェラーリのドライバー育成プログラムであるフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)に加わっている。
2019年スパの事故から3年。ファン-マヌエル・コレアがFIA F2に復帰「ここに戻るのが目標だった」
2022年にはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ(FRECA)で4勝を上げてチャンピオンに輝くと、2023年からはFIA F3にステップアップ。FIA F3では2年続けてランキング6位となっていた。また、ベガノビッチは11月14~17日にマカオで行われるFIAフォーミュラ・リージョナル・ワールドカップにSJMセオドール・プレマ・レーシングから参戦を予定している。
「ダムス・ルーカスオイルには歴史があり、素晴らしい結果を出そうとする意欲に溢れているチームだ。これは僕のキャリアにおいてごく自然な次のステップのような気もするし、非常に競争の激しいチャンピオンシップへ挑戦する準備はできているとも感じている」と、ベガノビッチ。
「カタールとアブダビでの2戦の目標は、できるだけ多くのことを学び、FIA F2で初めてのポイントを獲得することだ」
チームオーナーであり、元F1ドライバーのシャルル・ピックは「ディーノのような才能あるドライバーを残りの2戦に起用できることに興奮している。FIA F3からのステップアップに加え、FIA F2は非常に競争の激しい選手権だが、チームの協力があれば、ディーノはこの2戦で競争力を発揮できると確信している。彼には優れたレース参戦歴があり、ポイント争いに必要なものを備えていると信じている」とコメント。
さらに、ピックは「また、今シーズンのJM(ファン-マヌエル)の努力にも感謝したい。彼と一緒に仕事ができたことは喜びであり、今後の彼の活躍を願っている」とコメント。ダムス・ルーカスオイル発行のチームリリース内ではコレアの離脱理由に関する記述はなく、「ダムス・ルーカスオイルは、ファン-マヌエル・コレアに感謝するとともに、彼の今後のキャリアに幸あることを祈る」と締めくくっている。
コレアはエクアドル生まれのアメリカ人で現在25歳。2019年に当時19歳という若さでアルファロメオ・レーシングの開発ドライバーに就任。FIA F2へもザウバー・ジュニアチームからフル参戦の機会を得た。しかし、2019年F1ベルギーGPの併催レースとして開催されたFIA F2第9戦レース1。このレースで発生した多重クラッシュで、ルノーのジュニアドライバーだったアントワーヌ・ユベールが命を落とした。
またコレアも両足の骨折や軽度の脊椎損傷などの重傷を負った。26回の手術、そして長期間に及ぶリハビリに励み、2021年シーズンよりレースに復帰。ARTグランプリよりFIA F3に参戦し、レース復帰2年目となった2022年FIA F3第8戦ザントフールトの決勝レース1では、レース復帰以来初となる2位表彰台を獲得した。
2022年のFIA F2最終戦ヤス・マリーナでファン・アメルスフォールト・レーシングから念願のFIA F2復帰を叶えたコレアは、2023年にファン・アメルスフォールト・レーシングからFIA F2にフル参戦。2024年はダムス・ルーカスオイルに移籍し、1回の3位表彰台獲得も苦戦が続くシーズンを送っていた。
なお、ダムス・ルーカスオイルはコレアのチームメイトのジャック・クロフォードを2025年シーズンも起用することを10月9日に明らかにしている。
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