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BMW M1の復活を10年以内に目指す 600psのハイブリッド・スーパーカー

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BMW M1の復活を10年以内に目指す 600psのハイブリッド・スーパーカー

10年以内にM1後継モデルの量産を目指す

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)2019年のフランクフルト・モーターショーでデビューした「ビジョンMネクスト」は、先進的なカーボンファイバー・ボディを持つコンセプト・クーペ。BMWのハイパフォーマンスモデル部門「M」が、41年前に誕生した伝説的なモデル、M1の後継モデルを開発しているという姿の現れだといえる。

【画像】ビジョンMネクストとi8 全84枚

BMWの開発責任者を務めるクラウス・フレーリヒに生産の可能性を尋ねると、「約束したことは実現させます」と回答してくれた。量産モデルは、今後10年以内に発売される計画となっているそうだから楽しみだ。ビジョンMネクストに搭載されるのは、600psを発生するプラグイン・ハイブリッドのドライブトレインで、スーパーカーだけでなく、その他のMモデルにも搭載される予定だという。

BMW i8の倍近いの最高出力を持つことになるハイパフォーマンス・ドライブトレインは、BMW M社の新しいCEO、マルクス・フラシュが推し進める、電動化プログラムのひとつとして開発しているもの。ビジョンMネクストは、M社が掲げる2025年までに25種の電動化技術を取り入れたモデルを販売するという、「ストラテジー・ワン・ネクスト」の旗振り役としてもデザインされている。

同時にこのクーペは、R8を持つアウディ・スポーツやGTを持つメルセデス-AMGなどのライバルに対して、M社の競争力と経営基盤を高める狙いを持っている。

モダンとレトロが混在したデザイン

往年のスーパーカー、M1の後継モデルを開発するという決定は、ミドシップ・モデルのコンセプトを30年近くに渡って練ってきたBMWの成果でもある。BMWの上層部からの情報によれば、2世代目となるBMW i8の発表に先駆けて、300km/hの能力を持つ限定生産の2シーターモデルをリリースする予定があるとのこと。これは、両車が基本コンポーネントを共有する可能性が高いことも示している。

そんな重要な役目を負うビジョンMネクストは、1978年から1981年にかけて生産されたオリジナルのM1を彷彿とさせる、くさび形のシルエットに、シャープなボディラインが特徴。どこかレトロ感も漂わせている。

エクステリアデザインは、BMWの近年のコンセプトモデルにも通じる要素が散りばめられている。シャープなパターンメッシュが埋め込まれた特徴的なキドニーグリルや、フロントに取り付けられた平面的なカナードやスプリッター、最先端のOLEDライトにバタフライ・ドア。ボディ後方にはミドシップされるガソリンエンジンと電気モーターを冷却するための大きなエアインレットが飛び出し、アンダーボディの黒い部分は骨格が軽量なカーボンファイバー製だということを示唆している。

「ビジョンMネクストのエクステリア・デザインは、非常に明瞭で、自身に満ち溢れたものだと思います」 と話すのはBMWブランドデザイン・ディレクターを務めるドマゴイ・ドケック。M1が誕生する前に発表された、1972年のBMWターボ・コンセプトとの関係性も認めている。BMW上層部の最終的な承認は降りていないそうだが、コンバーチブル・モデルの可能性もあるとAUTOCARに話してくれた。

速いだけでなくEVとして100km走行可能

BMWが初代M1の後継モデルのコンセプトカー「M1オマージュ」を発表したのは、2008年のヴィラ・デステ・コンクール。M社によるスーパーカー復活の可能性を示したものの、BMWが新しく掲げたブランドビジョン「エフィシェント・ダイナミクス」に合わせて計画は中断。その後、環境に配慮されたi8が誕生している。

ビジョンMネクストに搭載されるパワーユニットは、ターボ過給される2.0Lの4気筒ガソリンエンジンで、順次さまざまなMモデルに搭載されることになるという。ミドシップされる内燃エンジンを、BMWが開発し製造する2基のモーターがアシストするが、1基はフロントタイヤを、もう1基はリアタイヤを駆動する。ドライブモードの選択状態によって、4輪駆動か後輪駆動かが切り替わるそうだ。

この3基のパワーソースが組み合わさり、ビジョンMネクストの最高出力はシステム総合で600psとなる。またEVとして約100kmの走行も可能だという。0-100km/h加速に要する時間は3.0秒で、最高速度は300km/hとされており、明確にi8よりも速い。ちなみに現在のi8の場合、1.5Lの3気筒ターボエンジンと2基のモーターが組み合わさり、総合での最高出力は367psとなっている。

ビジョンMネクストのインテリアは、BMWらしくドライバーが中心となったデザイン。ドラッグレーサーのようなグリップを持つステアリングホイールには、ディスプレイを内蔵する。指紋認証によりエンジンのスタートが可能となっている。また、新しいドライビング体験を与えてくれる装備として、大きく弧を描きドライバーを包むインスツルメント・モニターと、拡張現実型のヘッドアップディスプレイも特徴といえるだろう。

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