リマックが新会社立ち上げ ロボタクシー運用
高性能の電動スーパーカーで知られるクロアチアの自動車メーカー、リマックは6月26日、自動運転サービスを専門とする新会社「ヴェルヌ(Verne)」を設立した。今後2年以内に欧州でロボタクシー事業を開始する計画だ。
【画像】リマックが2人乗りの自動運転車を公開【ヴェルネのロボタクシーを写真で見る】 全11枚
ドライバーレスで大都市を移動するためにゼロから設計された、2人乗りの電動ハッチバックをロボタクシーとして投入する。
広い居住空間、人間工学、エンターテインメントに重点を置いており、仕事にも休憩にも使える「特大」シートは5段階のポジション設定が可能だという。
43インチの巨大なディスプレイは、動画鑑賞などのエンターテインメントや走行中の情報表示に利用できる。ディスプレイの操作はセンターコンソールのタッチパッドで行う。
車内にはステアリングホイールもペダルもない。
「わたし達はインテリアを自動車的ではなく、リビングルームのようにしたかった」と、リマック・ネヴェーラも手がけたヴェルヌのデザイナー、アドリアーノ・ムドリ氏は語った。
ムドリ氏によると、2人乗りの設計としたのは「10回のうち9回は1人か2人で使われるため」だという。
ヴェルヌのサービスでは、専用の配車(ライドヘイリング)アプリを使用することで、乗車前に車内のコンディションを調整することもできる。例えば寒い日には、事前に車内を暖めておくことが可能だ。芳香剤の香りも設定できるという。
車両には、柔軟性が高いとされる新しいEV用プラットフォームが使用され、各地域のニーズに応じて複数のバリエーション展開が可能性になるようだ。ヴェルネは「さまざまな場所、さまざまな道路タイプ、さまざまな天候、さらには地域の運転スタイルを考慮」して設計されていると述べた。
自動運転システムは、半導体大手のインテルが所有するイスラエルの専門企業モービルアイとの提携によって開発された。モービルアイは、中国の吉利汽車やフォルクスワーゲン・グループなど、世界有数の自動車メーカーに運転支援システムを提供している。
車両については内側から設計し、必要なカメラとセンサーを統合したうえで空力性能に優れたボディを採用した。
ムドリ氏は、「カメラ、レーダー、近距離・長距離LiDAR、およびそれらのクリーニング・システムを深く統合しました。同時に、人間が運転する典型的な車両の特徴を取り除くことで、外観をシンプルにすることができました。フロントガラスのワイパーやサイドミラーを省略しています。これにより、空力性能がより効率的になり、洗車も容易になりました」と話す。
ヴェルヌのCEOを務めるマルコ・ペイコヴィッチ氏によると、ロボタクシーはクロアチアの首都ザグレブで生産され、「クロアチアを未来技術の開発を奨励する国として地図に載せる」狙いがあるという。
2026年からザグレブでロボタクシー事業を開始し、2027年には英国とドイツにも参入する。欧州の計11都市と事業のための協定を結んでおり、順次展開していく予定だ。
事業開始に先立ち、各都市に「マザーシップ」と呼ばれるベース拠点を建設し、車両の点検、整備、充電を行う。
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