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勝田貴元、WRC最終戦モンツァは7位。2度のセカンドベストなど「いくつか収穫があった」

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勝田貴元、WRC最終戦モンツァは7位。2度のセカンドベストなど「いくつか収穫があった」

 11月18~21日、イタリア北部のモンツァ・サーキットを中心にWRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・モンツァ』が開催され、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムから同ラウンドに挑んだ勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタ・ヤリスWRC)は、セカンドベストタイムを2回記録するなどスピードを示し、総合7位でフィニッシュした。

 2021年シーズン最終戦、そして現行規定WRカーでの“ラストイベント”として実施されたラリー・モンツァは、その名のとおり伝統のクラシック・サーキットが戦いの中心となるラリーだ。

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 今大会も昨年と同様に、サーキット内に残る旧オーバルコースのバンクやF1のグランプリコースとして有名なレーシングコース、それらをつなぐ未舗装のサービスロードが組み合わされたサーキットステージと、モンツァの北東に位置するベルガモ周辺の山岳ステージというキャラクターの異なるふたつのターマック(舗装路)ステージで構成され、2021年大会では後者の割合が半分以上に増加した。

 18日(木)のシェイクダウンを経て迎えたラリー初日のデイ1。勝田は午前のループに設定された4本の山岳ステージでは濃い霧と湿った路面を警戒し、やや慎重なスタートを切る。しかし、サーキットに戻って行われた午後のループでは力強い走りを披露。5番手タイムを2度記録して総合6位にポジションを上げる。さらに、1日の最後のSS7ではステージ2番手のタイムをマークしてみせた。

 翌20日(土)には午前の山岳ステージでも自信とスピードを高め、SS9で4番手タイムを記録すると、その後サーキットで実施されたSS12でも4番手タイムを刻むなど上昇気流をつかんだ。日曜日もその勢いを維持した勝田はオープニングのSS14をステージ4番手で終え、総合5位のライバルとの差を詰める。
 
 しかし続くSS15では、シケインに設置されたコンクリートブロックに左フロントタイヤをヒットさせてしまい、その後ダメージが拡大。ストレートを走行中にサスペンションが壊れたことで姿勢を崩し、スピン状態でバリアに激突するアクシデントに見舞われた。

 幸いにも、勝田はこのステージを走破することができたものの、順位は7番手に後退。最終パワーステージ(SS16)への出走も危ぶまれることになった。だが、メカニックたちの懸命な修復作業により、わずか15分間のサービスの間にヤリスWRCは復活を果たす。
 
 勝田は彼らの努力に報いるべく、SS16で渾身のアタックを敢行。今大会2回目となるセカンドベストタイムを記録し、ポジティブなかたちで長かった2021年シーズンを締めくくった。また、パワーステージで得たボーナスの4ポイントによって、勝田はドライバー選手権7位を獲得している。

■初日から一転して「土曜日はすぐに自信を持てるようになり、タイムも向上した」

「今回のラリーは、自信をつけようとして臨みました」と今戦の戦いを振り返った勝田。

「サーキットのステージではスタートからとても良い感触が得られました。山岳ステージについては、さらなる改善の必要性を感じましたが、どこでタイムを失っているのかは分かりましたし、2日目にはフィーリングが向上し、より積極的に攻められるようになりました」

「日曜日の終盤にはほんのわずかな、しかし愚かなミスをして順位を落としてしまいましたが、最終ステージを走ることができるようにマシンを修理してくれたチームに感謝します」

「その最終のパワーステージでは2番手タイムを記録することができたので、今回のラリーではいくつかポジティブな収穫があったといえます。今シーズン、サポートしてくれたすべての人に感謝しています」

 既報のとおり、勝田は2022年シーズンもWRC全ラウンドに出場することが決まっている。ジョンストンとのコンビで新型ラリーカー『トヨタGRヤリスWRCラリー1』をドライブする彼を、引き続きインストラクターなどの立場からサポートするユホ・ハンニネンは、今大会での走りについて「最終的には良いかたちでシーズンを終えることができた」と評した。

「タカ(勝田貴元)にとって厳しいラリーがしばらく続いていたので、モンツァでの目標はしっかりと走ってシーズンを終えることだった」と説明したハンニネン。

「金曜日のコンディションは路面のグリップ変化が激しくトリッキーで、彼はあまり自信を持つことができなかったようだ。しかし、土曜日はすぐにクルマと自分のドライビングに自信を持てるようになり、タイムも向上した」

「日曜日は、順位を上げようとトライしていた時にコンクリートブロックにぶつかってしまった。だが、サービスでメカニックたちによってクルマは修理され、リタイアすることなく最終ステージに臨み、完走できたので本当に良かったし、パワーステージではとてもいい走りをみせてくれた」

「クルマは決して完璧な状態ではなかったが、自分がミスをしたステージでいいタイムを出したので、とても良かったと思う。最終的には良いかたちでシーズンを終えることができたので、この後は来シーズン、そしてラリー・モンテカルロに向けて集中して取り組むことができるだろう」

 WRカー規定に代わるラリー1規定が導入され、“ハイブリッドカーによる新時代”を迎えるWRCの2022年シーズンは1月20~23日、伝統のラリー・モンテカルロで開幕する予定だ。

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