トヨタで最も古くからあるモデルであり、SUVとしては最上位に位置する。それが「ランドクルーザー(300シリーズ)」です。ここでは、どのようなグレード編成になっており、その違いはなにかを解説します。文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
5つのグレード編成と2つのパワートレイン
SUVのツートップ!ランドクルーザーVSレンジローバー、あなたはどちら派?
「ランドクルーザー(300シリーズ)」のグレード編成は5つ。エントリーが「GX」、それから「AX」、「VX」と続き、スポーツグレードの「GR SPORT」があり、最上位が「ZX」となります。
パワートレインはガソリン・エンジンとディーゼル・エンジンの2種類。ガソリン・エンジンは全グレードに用意されますが、ディーゼルは「GR SPORT」と最上位の「ZX」のみ。
また、乗車定員は2列シートの5名と、3列シートの7名の2種。ただし、全グレードに用意されているのではなく、5名乗車はガソリン・エンジンの「GX」と、ディーゼル・エンジンの「GR SPORT」と「ZX」。つまり、ガソリン・エンジンは、ほとんどが3列シートなのに対して、ディーゼル・エンジンはすべてが2列シートの5名乗車となります。
価格は以下のような並びとなります。
ガソリン・エンジンの「GX」(5名定員) 510万円
ガソリン・エンジンの「AX」(7名定員) 550万円
ガソリン・エンジンの「VX」(7名定員) 630万円
ガソリン・エンジンの「GR SPORT」(7名定員) 770万円
ガソリン・エンジンの「ZX」(7名定員) 730万円
ディーゼル・エンジンの「GR SPORT」(5名定員) 800万円
ディーゼル・エンジンの「ZX」(5名定員) 760万円
エントリーとなるGX
エントリーグレードとなるのが「GX」です。2列シートの5名定員で、ガソリン・エンジンのみ。エクステリアは、シルバー塗装でメッキ加飾付のラジエターグリル、ブラックのドアベルトモール、シルバー塗装の18インチアルミホイールが標準となります。LEDサイドターンランプ付きのドアミラーは、ボディ同色のカラードです。アルミのサイドステップはオプションとなります。LEDフォグランプはオプションとなります。
インテリアの特徴は、ステアリングが本革巻きのみというもの。メーターが、4眼オプティトロンメーター+4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションとなります。ナビ・オーディオは、ディスプレイオーディオが標準。T-Connectナビゲーションは設定されていません。また、指紋認証スタートスイッチがオプションとなります。内装色はブラック。シートはファブリックとなります。
トヨタ・セーフティ・センスの主な機能は標準となりますが、レーントレーシングアシスト(LTA)と、ドライバー異常時対応システムがなく、代わりにレーンデパーチャーアラートが装備されています。
ミドルグレードのAX
ミドルグレードとなる「AX」。ガソリン・エンジン車で、3列シートの7人乗車定員となります。
エクステリアのうち、ラジエターグリルとアルミホイール、ドアミラーは「GX」と同じ。ただし、ドアベルトモールはステンレスとなります。サイドステップとLEDフォグランプは、このグレード以上では標準装備となります。
インテリアの本革巻きステアリングと4眼メーターは「GX」と同じです。ナビ・オーディオは、ディスプレイオーディオが標準で、オプションに10スピーカーのT-Connectナビゲーションシステムが用意されています。指紋認証スタートスイッチは、このグレード以上が標準装備されます。内装色はブラックのみ。シートはスエード調ファブリック。
トヨタ・セーフティ・センスは「GX」と同じ内容です。
上位グレードのXV
上位グレードとなる「VX」。ガソリン・エンジンに3列シートの7名乗車定員となります。
「GX」と「AX」との違いは、18インチのアルミホイールがスーパークローム塗装になっていること。ドアミラーがメッキとなります。ヘッドライトにLEDコーナーリングランプが追加されています。リヤのLEDコンビネーションランプが、テール・ストップ・ターン・バックアップランプとなります。
インテリアでは、ステアリングがゼブラウッド杢目調+本革巻きになります。そしてメーターは、2眼オプティトロンメーター+7インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイになります。TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイが大きくなっています。内装色はブラックですが、パネルはゼブラウッド杢目調。シートはブラックの本革になります。
トヨタ・セーフティ・センスでは、レーンデパーチャーアラートではなく、レーントレーシングアシスト(LTA)とドライバー異常時対応システムが標準採用されています。
スポーツグレードのGR SPORT
スポーツグレードの「GR SPORT」は、7人乗車定員のガソリン・エンジン車と、5名乗車定員のディーゼル・エンジン車の2つが用意されています。
エクステリアでは専用の、ラジエターグリル、フロントバンパー、リヤバンパー、ブラックホイールアーチモール、リヤトヨタエンブレム(アクリル+ブラック)、マットグレー塗装の18インチアルミホイール、専用エンブレム(フロント、サイド、リヤ)、バックドア下端デカール、ロッカーモール(ブラック塗装)、アウトサイドドアハンドル(ブラック塗装)、ドアミラー(ブラック塗装)が装着されています。
足回りには、電子制御でスタビライザー効果を変化できるE-KDSSが「GR SPORT」のみに採用されています。減衰力を変化させるAVSも採用。電動デフロックも、リヤだけでなく、フロントにも採用されています。
インテリアも専用品が数多く採用されました。専用の本革巻きステアリングホイール(切削カーボン調加飾+GRエンブレム付)、T-Connectナビの専用オープニング画面、GRエンブレム付の専用フロントシート、切削カーボン調パネルのインテリア加飾、専用スマートキーというもの。内装色も、GR専用ブラックとGR専用ブラック&ダークレッドとなります。
トヨタ・セーフティ・センスは、「VX」とほぼ同じですが、ヘッドライトがオートマチックハイビームではなく、アダプティブハイビームシステムになります。
最上位となるZX
最上位グレードとなる「ZX」は、7人乗車定員のガソリン・エンジン車と、5名乗車定員のディーゼルの両方が用意されています。
エクステリアの違いは、前後のバンパーがメッキモール付きのエアロバンパーになっていること。そしてアルミホイールが、スーパークロームメタリック塗装の20インチになっています。サイドステップは、LED照明付きのエアロ一体タイプとなります。
インテリアの違いはステアリングホイールが、ウォールナット杢目調+本革巻きになっていること。また、内装色がブラックだけでなく、ニュートラルベージュが用意されています。内装パネルはウォールナット杢目調。シートは本革で、ブラックとニュートラルベージュの2色が選べます。
サスペンションには減衰力を変化させるAVSが採用されています。
「ランドクルーザー(300シリーズ)」のグレード編成は5つ。基本となる3つの上に、スポーツタイプの「GR SPORT」と最上位の「ZX」が用意されている格好です。エントリーと最上位の価格差は200万円以上あるということで、さすがにシートなどの豪華装備には違いがありました。ただし、走行性能や安全系の違いは、それほど大きくありません。
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