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390万円! 1768cc!! インディアン・パースート試乗「クルマ以上の快適さ、ハーレーとは違うスポーティ水冷エンジン」

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390万円! 1768cc!! インディアン・パースート試乗「クルマ以上の快適さ、ハーレーとは違うスポーティ水冷エンジン」

インディアンの巨艦パースート「車重416kgの巨大ボディは 圧倒的な存在感」

ひと頃、「流儀」という言葉をよく耳にしました。やり方やしきたりを品よく表現したようですが、インディアンのイケてる最新クルーザー・パースートに乗ってみると「インディアンの流儀」を感じずにはいられませんでした。

【画像17点】車体色も全5色と超豪華!「インディアン パースート」の全車体色、装備を写真で解説

ご存知の方も多いでしょうが、インディアンはアメリカ最古のバイクメーカーで、創業はハーレーダビッドソンに先駆けることわずか2年先。2社が互いにライバル視するのも大いに頷けますね。インディアンはこのパースートのほかにも、スカウトやチーフといった伝統の名を継承したバイクをラインアップ。国内でも19軒の正規ディーラーを構え(2022年8月時点)、確固たるステイタスを築き上げたブランドです。

そんな彼らが2022年に送り込んできた最新モデルがパースートで、ダークホース・ウィズ・プレミアムパッケージと、リミテッド・ウィズ・プレミアムパッケージの2グレードを展開。
今回テストしたのは、エンジンやマフラーなどがフラットブラックにペイントされたダークホース・ウィズ・プレミアムパッケージです。リミテッド・ウィズ・プレミアムパッケージは逆にクロームパーツが増えますが、基本性能に変わりはありません。

とにかく、実車を目の前にするとその巨体、存在感に気圧されました。車両の説明を受けつつ気付いたのは、ハンドルやステップ、あるいはスイッチひとつとっても繊細で、美しい仕上がりということ。389万9000円というクルマ並みの価格ですから、当然と言えば当然でしょうが、やはりハイエンドなバイクかくありきといった雰囲気。オーナーとなることを想像すれば胸も膨らむというものです。

さて、パースートにまたがろうとしたところで、始めの「流儀」に直面しました。シートそのものの高さや車体の幅については問題なく乗りやすそうなのですが、高いところに設置された豪華なリヤシートのおかげで「どうまたがろう?」と戸惑った次第。まわし蹴り的に足を上げるには高いし、メインシートをまたぐにもリヤシートのひじ掛けが微妙に気になるわけです。
結局、足をクニャリとたたむことを選びましたが、カッコよく乗りこむには「流儀」をマスターする必要があるでしょう。

快適性、娯楽性、安全装備はヘタな四輪車以上

シートに腰をすえると、眼前に広がるカウルやスクリーン、そしてハンドル周りがクルーザーらしい走りを予感させ、誰しもテンションが上がるはず。7インチのタッチスクリーンはスマホとBluetoothで連携して音楽を楽しめるほか、Apple CarPlay対応なのでiPhoneユーザーはナビを表示させることもできるんですが、ライディングモードやサスペンションという車両セッティングもコレで操作。
クルマと同じどころか、200Wのステレオアンプを標準装備、純正アクセサリーでは400Wにも変更できるなど、もはや高級車並みといっても過言ではありません。

さらに、6軸IMU搭載によるバンク角連動で作動するトラクションコントロールやABS、電子制御ダンパーといったライダーサポートデバイスの数々。操る楽しみを倍増させ、しかもセーフティライドを支えてくれる。そんじょそこらのクルマとは違った安心感とともに、パースートならではのリッチなクルージングに出かけられること請け合いです。

とはいえ、最初の走り出しは緊張せずにはいられませんでした。なにしろ装備重量416kgの超重量級ですから、歩道から道路へのちょっとした段差すら神経質になりました。
が、動き出してしまえば、むしろドッシリとした重心というか、塊にまたがっている安心感があります。慣れてしまえば、車体を寝かしつつのUターンもそれほどの難題ではなさそうです。

シート高は672mmなので、たいていの日本人が両足ベッタリでしょう。
シートの背に腰を押し付けると、体格によってはハンドルが遠く感じる方もいるかもしれません。もっとも、シートやハンドルはカスタムできるパートなので、オーダーメイド感覚で「オレのパースート」を楽しみながら仕上げてみてはどうでしょう。

■シートのクオリティはこのクラスの流儀どおり極上で、疲れ知らずの優れモノ。またがったまま車体を前後に動かす際も、低めのシート高なのはありがたし。

■リヤシートもまた素晴らしい快適さ。ちょっと後ろにも乗ってみたところ、高速走行時でも風の当たり方さえコントロールされているようで、気持ちよすぎて眠たくなるほど。なお、フロント、リヤシートともにヒーターが内蔵され、3段階の温度調節が可能となっています。

■リヤのトランク、左右のサイドパニアを合計した収納スペースは135Lという大容量。各コンパートメントごとに電子ロックを装備していて、車体のセキュリティと連動しています。キャンプツーリングだって易々とできることでしょう。

回せばスポーティな1768cc水冷エンジン、電制サスで巡航も快適

1768ccのVツインエンジンは122ps、18.1kgm/3800rpmという十分すぎるパフォーマンス。水冷OHC4バルブということで、よく比較されるハーレーダビッドソンとはキャラがまったくと言っていいほど違います。ドコドコと荒々しい鼓動感は薄く、何から何まで精度の高い緻密な動きに感じられ、エンジンの芯からパワーがみなぎるニュアンス。ゆえに、低回転の重々しいトルクで走るというよりも、積極的にエンジンを回したくなりました。

回転上昇の早さ、スムーズネスは感激するレベルで、3000rpmを越えてからのワイドオープンでは歓声をあげたくなるパワフルさ。高速道路ではむやみやたらとスロットルオンオフを繰り返してしまったほどでした。

フリクションロスが感じられない緻密な回転感を伴って、パースートの高速巡行は快適そのものです。フロント19、リヤ16インチのタイヤは接地感のインフォメーションに長けていて、座り心地のいいシートながら、つねに路面状況をキャッチアップすることができました。
また、リヤのFOX製電子制御サスペンションはイニシャルセットが変更できる方式ですが、こちらの乗り心地もクルーザーにふさわしいもので、極上と言えるでしょう。段差や目地の乗り越えも最小限の衝撃に抑えられ、不快に思うことはまずありませんでした。

ただ、強い風が吹いている状況で電動スクリーンを最も高いポジションにしているとさすがに抵抗があり、ハンドル保持に気を遣う場面も。低いポジションでもウインドプロテクションはかなりのものなので、さほど神経質にならず、便利なギミックとして活用すべきでしょう。

フォグランプが装備されているロワーフェアリングにはベンチレーションがついており、フラップ操作でエアーを取り込むことができます。高速道路では前面から風が流れ、足元を涼しくしてくれるかと。
実際、走っている間はそれなりの効果を感じたものの、渋滞中はやっぱり「熱い!」ラジエターファンが回り始めると、右足くるぶしあたりに熱風が押し寄せるので、足元はしっかりしたブーツなどがオススメです。

■ダークホース・ウィズ・プレミアムパッケージでは、水冷V型2気筒OHC4バルブエンジンもまた精悍なブラックにペイント。1768ccの排気量から122ps、18.1kgm/3800rpmというパワーを発揮。それでいて、上品なエキゾースト、緻密な回転感など、インディアンの真骨頂が味わえるユニットです。

ワインディングでは意外なほどスポーティなハンドリング(無茶は禁物だけど……)

驚いたのは、高速道路を降りてからのゆったりとしたワインディングロードでした。フロントカウルやリヤシートなど重量物が高いところにあるためか倒しこみがとても簡単で、しかも早い。また、フロントブレーキはブレンボ製キャリパーが装備されており、その名に恥じぬ効き目。
それゆえ、コーナーリングも積極的にラインを狙っていけるため、クルーザーというスタイルのわりにはスポーティな乗り味が楽しめたのでした。パースートを操る「流儀」はリヤブレーキの多用でしょうか。うまく使えばノーズダイブを抑えながら自在に姿勢をコントロールできるはずです。

もちろん、絶対的な重量は大きいので、物理の神様に抗うような走りはご法度。S字コーナーでヒラリヒラリというのは限界があること、肝に銘じておくのがいいでしょう。とはいえそんな範囲でも、タンデマーが快哉を叫ぶくらいの走りは余裕なので、旅の道中にワインディングをぜひ組み入れてみてください。

■フロントブレーキは320mmのダブルディスク+ブレンボ製4ピストンラジアルマウントキャリパーの組み合わせ。効き目はしっかり十分なものですが、過度なノーズダイブを避けたいなら、リヤブレーキもしっかり活用するのがオススメです。

■リヤブレーキの効き目も特筆に値するレベルで、パースートの巨体を自在にコントロールしてくれる立役者。ペダルにもロゴが刻まれているあたりはさすがプレミアムクラス。満足感を高めてくれるポイントです。

高品質なオーディオシステム「まさに大人のためのバイク」

このクラスになると、走りの質は保証されているも同然なのですが、クルージング=旅の質もハイエンドまで高めてくれているのもパースートの「流儀」にほかなりません。とにかく驚いたのが、スピーカーシステムのクオリティ。よくビッグスクーターなどで爆音をまき散らしていることを散見しますが、あちらとは全く世界が違います。

スピーカーの指向性、音像、粒立ちなどどれをとってもホームオーディオに負けないレベル。それが走行中でもキレイかつ、迫力あるサウンドとして聞こえるのですから、音楽好きでなくともワクワクしてしまうはず。バイクはエンジン音やエキゾストノート、あるいは環境音を楽しむべしという向きもあるかと思いますが、令和の今ならバイクのオーディオ、パースートのサウンドシステムをぜひ体験していただきたいものです。

山の中腹でエンジンをとめ、パースートを降りた時のことです。眼下に広がる絶景、ブラックアウトされたパースートの佇まいという様子に得も言われぬ充実感を覚えました。身体の奥底から「大人の余裕」とか「幸福のバイブス」が静かに満ちてきて、価値ある時間が過ごせたことを実感。

大人のバイカー……「良き趣味としてバイクに乗る」という価値がわかっている方にこそ乗っていただきたいモデル、インディアン パースートはその筆頭と呼んで差し支えないでしょう。

■フロントカウルに埋め込まれたスピーカーは、ロードノイズや風切り音を制御するイコライザーによって、どんな時でも力強く高音質なサウンド。音楽好きにはたまらないでしょう。フルボリュームでは選挙カーもビックリのパワー!その点だけ頭に入れておいてください。

インディアン パースート・ダークホース・ウィズ・プレミアムパッケージ主要諸元

[エンジン・性能]
種類:水冷4サイクルV型2気筒OHC4バルブ ボア・ストローク:108mm×96.5mm 総排気量:1768cc 最高出力:90kW(122ps)/── 最大トルク:178Nm(18.1kgm)/3800rpm 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:2609 全幅:990 全高:1444 ホイールベース:1688 シート高672(各mm) タイヤサイズ:F 130/60B19 R 180/60R16 車両重量:416kg 燃料タンク容量:22.7L
[価格]
398万9000円
[車体色]
ルビーメタリック×ブラック、ブラックスモーク、スピリットブルーメタリック、シルバークォーツスモーク、パールホワイト×ブラック、クォーツグレーメタリック

■タンクは22.7Lの容量ですが、それほど巨大な存在でなく、むしろコンパクトに感じられました。テスト時の燃費は大体20km/Lで、高速道路など定速クルージングであればさらに伸びるはず。装備重量416kgという超重量級にしては経済的といえるでしょう。

■アナログのスピード&タコメーターに加え、タッチパネル式フルカラー液晶が埋め込まれたコックピット。ライディングモードやサスペンションセッティング、サウンドコントロールの操作はスクリーン経由で直感的に操作できます。またBluetoothでスマホと連携できるほか、ナビ機能などが使えるApple CarPlayにも対応。

レポート&写真●石橋 寛 編集●上野茂岐

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みんなのコメント

14件
  • バイクの快適さを分からない人が、車の方が、とか書き込んでいて、笑うしかないね。
  • 安全性が下手な四輪以上ってほんと?
    車よりバイクの方が安全性が高いって信じられないです
    車と大型バイク持ってますけど、そんなこと思ったことないです
    インデアンは車より安全性が高いってほんとですか?
    記事適当すぎませんか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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