現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > マフラーの数はなぜ車種でバラバラ? 1本から4本で何が違う? EV化で消えるのか

ここから本文です

マフラーの数はなぜ車種でバラバラ? 1本から4本で何が違う? EV化で消えるのか

掲載 更新 44
マフラーの数はなぜ車種でバラバラ? 1本から4本で何が違う? EV化で消えるのか

■マフラーの出口本数はダブルスタンダード

 クルマには、排気ガスを排出させる「マフラー」がついています。
 
 このマフラーは、クルマによって1本出しと2本出しなどがありますがこれにはどのような違いがあるのでしょうか。

「やっぱり帰る!」 クルマ好き女子が選ぶ、迎えに来られるとがっかりするクルマ3選

 ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを搭載した内燃機関車は、ガソリンや軽油などの燃料を爆発させた力を原動力として走行します。

 燃料を爆発させる際には、有害物質を含んだ排気ガスと爆発音が発生することになりますが、クルマのマフラーの基本的な役割はそれらを緩和することにあります。

 マフラーには厳格な保安基準が定められており、騒音防止装置が備わっていることや、ばい煙、悪臭のあるガス、有害なガスなどの発散防止装置が備わっていることが、細かく規定されています。

 さらに、取り付け位置も細かく定められており、2009年1月1日以降に生産されたクルマのマフラーは、フロアラインを含む鉛直面から10mm以上突出してはならないと規定されています。

 一方、マフラーの本数、正確にいえばテールエンドの本数についての明確な規定はなく、片側1本出しや片側2本出し、両側2本出しや両側4本出しなども存在します。

 さらにカスタムカーイベントなどでは、8本出しのものなどにカスタムされたものも見ることができます。

 スポーツカーや高級車のように、大排気量のエンジンを搭載しているクルマは、爆発音や排気ガスの量も大きくなるため、マフラーの本数を多くするか、もしくは大径化させる必要が出てきます。

 また、排気効率を高めることでクルマのパフォーマンスも上がることから、モータースポーツの世界ではより排気効率の高い複数出しマフラーや大径マフラーが採用されています。

 そこから転じて、両側2本出しマフラーや両側4本出しマフラーなどが、スポーツカーや高級車の象徴とみなされるようになりました。

 このように、消音や排気ガスの浄化がマフラーの基本的な役割ではある一方、自動車ファンにとっては、リアエンドのルックスを向上させたり、好みの排気音を演出したりといった、ドレスアップのためのパーツという側面も持っています。

 実際に、マフラーの交換はクルマのドレスアップやカスタムのなかでも、人気のあるジャンルのひとつであり、人気車種ごとに専用設計されたマフラーを多く見ることができます。

 そうした社外マフラーのなかには、じゅうぶんな騒音防止装置が備わっていないものなど、保安基準に適合しないものもあるため、取り付けの際にはしっかりと確認することが求められます。

■電動化で変わるマフラーの役割

 近年ではエンジンのハイブリッド化やダウンサイジング化が進み、大排気量エンジンを搭載したクルマはかつてに比べて減りつつあります。

 排気量が少なくなれば、複数出しのマフラーや大径のマフラーの必要性はそれほど高いものではなくなります。

 実際、トヨタ「プリウス」やホンダ「インサイト」のような電動化をウリにしている車種では、あえてマフラーを目立たさないようなデザインとされている例が少なくありません。

 今後電動化が進めば進むほど、大排気量のエンジンを搭載したクルマは減少する傾向にあると見られ、それにともない複数出しのマフラーや大径マフラーを採用したクルマも減少することが考えられます。

 さらにいえば、電気自動車(EV)ではそもそもエンジン音や排気ガスを出さないため、マフラーそのものが不要になります。

 そうなると、マフラーに求められる役割は、消音や有害ガスの緩和といった機能的なものではなく、リアエンドにデザイン上のアクセントを与えるためであったり、スポーティさを演出するためであったり、といったエモーショナルなものへと変化していくと考えられます。

 現在でもそうした傾向は一部の車種で見られています。

 例えば、実際には必要最小限のマフラーしか搭載されていないにもかかわらず、デザイン上は両側2本出しのように見えるようにされているという例が、ドイツ車などを中心に見られています。

 電動化が進んだとしても、マフラーがデザインに与える影響は大きいことから、このような事例は今後増えてくるかもしれません。

※ ※ ※

 電動化が進むと、既存の内燃機関車に存在したパーツが必要なくなってしまったり、役割が大きく変わったりということが考えられます。

 マフラーはそのもっともわかりやすい例のひとつといえるかもしれません。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

違反したのに「ゴールド免許」が維持できる!?「ブルー免許」に格下げされない5つの“意外な違反行為”とは?
違反したのに「ゴールド免許」が維持できる!?「ブルー免許」に格下げされない5つの“意外な違反行為”とは?
くるまのニュース
ミラノが赤に染まる。フェラーリの公道F1デモランに3万5000人のティフォシ集結……新加入ハミルトンもファンの期待実感
ミラノが赤に染まる。フェラーリの公道F1デモランに3万5000人のティフォシ集結……新加入ハミルトンもファンの期待実感
motorsport.com 日本版
スポーツ走行もツーリングだってイケちゃう! 守備範囲の広いミドルクラスの「スーパースポーツ」バイク3選
スポーツ走行もツーリングだってイケちゃう! 守備範囲の広いミドルクラスの「スーパースポーツ」バイク3選
VAGUE
ホンダF1初優勝から60年の節目の年、5年連続チャンピオン獲得に向け視界良好!?~日本GPに先立ち東京・お台場でイベント開催~
ホンダF1初優勝から60年の節目の年、5年連続チャンピオン獲得に向け視界良好!?~日本GPに先立ち東京・お台場でイベント開催~
Webモーターマガジン
[RX-7]と[510ブルーバード]を借りられる!? [オジサン]感激で嬉し涙が止まらねぇぇぇ
[RX-7]と[510ブルーバード]を借りられる!? [オジサン]感激で嬉し涙が止まらねぇぇぇ
ベストカーWeb
【ワールドプレミア】新型アウディA6アバント登場 アバントの歴史に新章
【ワールドプレミア】新型アウディA6アバント登場 アバントの歴史に新章
AUTOCAR JAPAN
ネオクラシックのスカイラインなど…クラシックカーフェスティバル in アグリパークゆめすぎと
ネオクラシックのスカイラインなど…クラシックカーフェスティバル in アグリパークゆめすぎと
レスポンス
【CG】ホンダ新型「フィット」!? 丸目ヘッドライトな「旧車デザイン」が超カッコイイ! 2026年にも全面刷新!?な予想CGをデザイナーが作製
【CG】ホンダ新型「フィット」!? 丸目ヘッドライトな「旧車デザイン」が超カッコイイ! 2026年にも全面刷新!?な予想CGをデザイナーが作製
くるまのニュース
BMW新型「2シリーズ グランクーペ」は528万円から…日本の道路事情にジャストサイズが嬉しい! ガソリンだけでなくディーゼルもあります
BMW新型「2シリーズ グランクーペ」は528万円から…日本の道路事情にジャストサイズが嬉しい! ガソリンだけでなくディーゼルもあります
Auto Messe Web
「安ウマ」で人気のホンダWR-Vがもっと「ウマ味」をプラス! 弱点だった「上質感」が加わってバカ売れ確実!!
「安ウマ」で人気のホンダWR-Vがもっと「ウマ味」をプラス! 弱点だった「上質感」が加わってバカ売れ確実!!
WEB CARTOP
マツダ CX-30に手動運転装置を搭載したセルフ エンパワーメント ドライビング ビークルを新設定
マツダ CX-30に手動運転装置を搭載したセルフ エンパワーメント ドライビング ビークルを新設定
Auto Prove
アルピーヌF1、2026年に勝利&2027年タイトル争い!? 相談役のフラビオ・ブリアトーレが強気予想
アルピーヌF1、2026年に勝利&2027年タイトル争い!? 相談役のフラビオ・ブリアトーレが強気予想
motorsport.com 日本版
愛犬家必見! シュコダと獣医師の新たな研究で、犬は電気自動車を好むことが判明
愛犬家必見! シュコダと獣医師の新たな研究で、犬は電気自動車を好むことが判明
LE VOLANT CARSMEET WEB
ホンダ「ホーネット2.0」 最新モデルをインドで発表
ホンダ「ホーネット2.0」 最新モデルをインドで発表
バイクのニュース
国交省、新たな図柄ナンバー 十勝・日光・江戸川・安曇野・南信州 5月7日に交付開始
国交省、新たな図柄ナンバー 十勝・日光・江戸川・安曇野・南信州 5月7日に交付開始
日刊自動車新聞
革同等のプロテクション性能! OXFORD「スーパー ストレッチ ジーンズ」がクラウドファンディングに登場
革同等のプロテクション性能! OXFORD「スーパー ストレッチ ジーンズ」がクラウドファンディングに登場
バイクブロス
レクサス LXの一部改良と新ハイブリッドシステム搭載のLX700hを、そして「HIDEKI MATSUYAMA EDITION」を10台限定発売
レクサス LXの一部改良と新ハイブリッドシステム搭載のLX700hを、そして「HIDEKI MATSUYAMA EDITION」を10台限定発売
Auto Prove
欧州 CO2規制を緩和、自動運転開発にテコ入れ 「今こそ行動起こすとき」
欧州 CO2規制を緩和、自動運転開発にテコ入れ 「今こそ行動起こすとき」
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

44件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村