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エリザベス女王に愛されたLand Roverについて

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エリザベス女王に愛されたLand Roverについて

運営元:旧車王
著者 :SANAE

「そうだ、オープンカーに乗ろう」。魅力をオーナー目線で考えてみた

■クイーンの生涯とともに歩むLand Rover1948年、女王エリザベスは21歳という若さでクイーンとなりました。

あの美しさからは想像できませんが、若いころから冒険家で好奇心旺盛、家のなかより外へ出て活動することを好んでいたそうです。

自らメカニックについて勉強し、クルマの知識も一般人よりはあったといいます。

第二次世界大戦中は、軍用車を運転していたほどです。

クルマ好きのクイーンが所有していた車輌は、アストンマーティンをはじめ、ロールスロイス、ベントレー、ジャガー、GM、フォルクスワーゲンなどさまざまですが、そのなかで彼女にもっとも愛され、生涯乗り続けたクルマが、ランドローバーでした。

21歳のころクイーン憲章を受けたとき、憲章と一緒に父が所有していランドローバーも受け継ぐことになりました。

数々のクイーンを写す映像や写真はいつもランドローバーと一緒で、このクルマに乗ってパレードをしていたこともありました。

クイーンの住むバッキンガムパレスはロンドンにがありますが、ノーフォークという田舎町にも家があり、ほとんどの時間はそこで過ごしていたようです。

王室の仕事以外は、シカを追って銃ハンティングしたり、山でのピクニック、馬の世話と乗馬など、趣味も多岐に渡っていました。

そんな趣味のためにはこのクルマは必須であったようで、彼女にとってフィールドを走るのにランドローバーが最適だったのでしょう。

■Land Roverと英国皇室の長い歴史ランドローバーが製造されたのは1948年で、オリジナルのLand Rover社によってこの世に出始めました。

皇室との結びつきは約70年に及び、Land Rover社がクイーンの父ジョージ6世に献上したことから、王室との付き合いが始まりました。

1951年、Land Rover社は王室から勲章を与えられ、王室の特別な自動車ブランドとなったのです。

またクイーンの夫であったエディンバラ公フィリップ王配もランドローバーの大ファンであり、彼もまたアウトドア派であったため、夫婦ともにランドローバーが生活にかかせないものでありました。

王室パレードの際は、必ずといっていいほどランドローバーでのお目見えでしたので、英国民誰もが知っているほど、クイーンとランドローバーの付き合いは深いものでした。

何台かのランドローバーのうち、クイーンが好んで運転していたのは、ランドローバー ディフェンダー110でした。

初代のランドローバーは普通サイズで見た目もかっこよくなく、贅沢さが一切ないオフロード用、すなわち山道やでこぼこ道を走るためのものでした。

しかし1984年にディフェンダーシリーズができ始めてから、ディフェンダー90、その後110、127、130などが製造され、外見や性能なども磨かれていきました。

■ランドローバーはそもそもオフロード用に製造されたクルマクイーンや王室にはとっても好かれていたランドローバーですが、その乗り心地はどうなのでしょう。

まず、最初にいわれるのがサスペンション。次に大きくて重ステ、足元は飛行機のエコノミークラスと同じくらい狭い、エンジン音が大きい、外見がかっこよくない、故障しやすわりに簡単に修理ができない、などなど…。

ランドローバーはそもそもオフロード用に製造されたため、農家のクルマなどと呼ばれていたこともありました。

一般の国民にとって日常生活に必須のクルマであれば、あえて農家のクルマなど選択しないでしょう。

逆に少数派ランドローバーファンにとってのこのクルマの魅力は、象徴的なデザインと四駆ならではのパフォーマンスであるといいます。

デコボコの山道を走る際、サスペンションの悪さゆえに体が上下にゆれたり、沼地にはまったときのランドローバーの見せどころなど、これらを楽しむ人もいるのです。

また車体の各パーツは頑丈で、強度の高いもが使用されていたり、クルマのフレームはアルミニウムを使った梯子型に作られており、剛性を増しています。

エンジンは、初期の1948年製は1.6Lガソリンエンジン、1958年には2Lエンジンができ、その後は徐々に大きさを増していって、ディーゼルエンジンも使用されるようになりました。

他にも、4シリンダーエンジンから、さらにV6エンジン搭載となり、馬力も徐々にアップされていきました。

ちなみに、初期のまだそれほど馬力がないオリジナルランドローバーは、第二次世界大戦中にはジープ同様、軍用車としても活躍していたのです。

■Land Rover は、いまやセレブリティ車クイーンはランドローバーの他にも、いくつかのクラシックなレンジローバーも所持していました。

特にお気に入りなのは、2004年製レンジローバー ヴォーグでした。

レンジローバーはランドローバー社のラインアップのひとつであり、1970年代からフラッグシップモデルとして認識されています。

2013年にJager Land Rover社に代わってから、莫大な数のレンジローバーを世に売りだしてきました。

ランドローバーの各モデルはオフロード向け、そしてレンジローバーは、もっとゆったり感と贅沢さを加えたSUVという位置付け。

この贅沢なレンジローバーが、一般層にも人気が出てくるようになりました。

それはセレブリティ達が乗るようになってきたからです。

キーンの名曲「Somewhere only we know」をカヴァーしたことでも有名な歌手リリー・アレン、映画「アンブレイカブル」シリーズに出演しているサミュエル・L・ジャクソン、映画「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」で数々の主演女優賞に輝いたリース・ウィザースプーンなどが所有しています。

最近ではランドローバー車全体がブラッシュアップされ、外見もスマートになり、品格を感じさせる方向性へシフトされました。

乗り心地のよい贅沢さや洗練さを追求するために、もちろんサスペンションのコイルも変え、ハンドルを軽くし、もっと静かに、そして車内には広いスペースを確保。

インテリアにもこだわりの素材を使用して、一般人が憧れるクルマへと進化していきました。

現在では、クイーンもよく運転していたディフェンダー110のニューモデルが発売されています。

かなりのお値段ですが、こちらも現代的かつ贅沢さを備えている素敵なクルマです。

70年以上の年月とともに、農家のクルマが贅沢な高級車へと変化してきた理由の根源にあるものは、やはりこのクルマが王室から始まり、クイーンに溺愛されてきたからだと思います。

クイーンが亡くなった今も息子のチャールズ現国王へと受け継がれ、ロイヤルファミリー全員に可愛がられています。

そのためクラシックランドローバーは、今後ますます希少なものとなるでしょう。

もし機会があるのならば、私は「とっても乗り心地が悪い」と指摘されることもある、初期のランドローバーに乗ってみたいと思いました。

[ライター・SANAE / 画像・Land Rover]

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