半世紀の進化を重ねたハッチバック
生物の進化では、ある類似した特長へ収束する傾向があるそうだ。異なる地域で暮らす異なる系統の生物であっても、生態的に近い地位にある場合は、互いに体型や特性が似ていくのだとか。モグラとケラが似ていることも、それが理由だという。
【画像】HVハッチバック比較 ホンダ・シビック トヨタ・カローラ タイプRとツーリングも 全102枚
そんなことが、日本メーカーのCセグメント・ハッチバックでも起きている。ホンダ・シビックとトヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)は、約半世紀に渡って世界中で愛されてきたファミリーカーだ。
これまで進化を重ね続け、最新版が今でもわれわれの身近な場所にある。シビックの誕生は1972年。カローラは1966年と、6年ほど先輩ではあるが。
この2台は、各世代で多様なメカニズムを搭載してきた。カローラは当初後輪駆動だったし、クーペが誕生したこともあった。しかし、現在のパッケージングはかなり似ている。
最新版は前輪駆動の5ドア・ハッチバックで、シリーズ・パラレル方式と呼ばれるハイブリッドを搭載する。ガソリンエンジンに発電と駆動を担う2基の電気モーター、電気式無段変速機(e-CVT)と呼ばれるトランスミッションが組み合わされている。
そんな11代目ホンダ・シビックが英国へ上陸した。トヨタも、カローラへアップデートを施した。この機会に、2台のハッチバックを比較してみよう。
先代と大きく見た目の印象が異なる11代目
ホンダは、先代モデルとのスタイリングのつながりを重視しない。今回も大きくイメージチェンジを図ってきた。
1983年のボクシーなデザインもあったし、2005年の宇宙船のような見た目も特徴的だった。だが、直近の2世代は今ひとつシビックとしての訴求力が薄かったように思う。
11代目はこれまでと印象が大きく異る。スタイリングはシャープで、プロポーションも良い。若干リアの仕上げにぎこちなさはあるものの、全体的にはスポーティで好印象だ。
ボディサイズはCセグメントとしては大きめ。全長は4551mmで、ハッチバックのカローラより181mmも長い。
寸法としてはひと回り小さいカローラだが、市街地での存在感は劣らない。英国での販売が始まってから4年が経過するが、新鮮味は薄れていない。市街地で頻繁に出くわすから見慣れているが、改めて観察するとカッコいい。
トヨタは2023年仕様としてカローラにフェイスリフトを施したが、スタイリングにはさほど手を加えなかった。ライトまわりとバンパーのディティール、アルミホイールなどがリフレッシュされている。
改良の中心はメカニズム。2.0L版ハイブリッドは6ps最高出力を高め、CO2の排出量を3g/km減らし、0-100km/h加速を0.3秒縮めている。1.8L版のハイブリッドも、駆動用モーターなどが大幅に新しくなっている。
アクティブ・セーフティ機能も更新され、大きなインフォテイメント用タッチモニターや、新しいメーター用モニターなども獲得している。シビックとの戦いへ備えるように。
機械的なアップデートの必要性を感じない
本来ならフェイスリフト後のカローラを用意できれば理想的だったが、実際にわれわれの手元に届くのは2023年1月以降。改良前の、英国仕様の2.0Lハイブリッドで比較することになった。といっても、相手としてまったく不足はないようだ。
2.0Lハイブリッドのカローラに乗ってみると、機械的なアップデートが必要だとは感じさせない。新しいシビックの実直な印象に、まったく劣っていない。
確かに、走行中は古いCVTのようにダイレクト感が若干薄いものの、フィーリングはかなり良好。アクセルペダルを倒しきらない限り、エンジンの回転数の変化に不自然なところは殆どない。ノイズが過剰に高まる場面も限定的だった。
一方のシビックは、よりエンジンの存在感が前にある。アクセルペダルを半分程度まで倒すと、多段ギアのオートマティックのように振る舞う。メカニズムに関心を寄せないドライバーなら、至って自然に、従来のクルマのような印象を受けるはず。
スポーティ度が高く、2.0L 4気筒エンジンから好ましいサウンドが優しく耳へ届く。それでいて、動力性能や燃費性能はカローラと肉薄している。
実際の加速力ではカローラの方が若干鋭いようだが、同じ条件でストップウォッチを持ち出さなければわからない程度。燃費は、英国の交通環境では簡単に18.0km/L以上を狙えられる。
シビックの方が燃費はやや優れる。だが、カローラはアップデートされた2023年仕様ではない。動力性能を考えれば、両車ともエネルギー効率は唸らされるほど高い。
カーブの続く道で見えてくる小さな違い
英国郊外の一般道を走らせると、2台の個性が似ていることを実感する。今回のカローラはGRスポーツ・グレードで、少しアグレッシブな見た目と赤と黒のGRロゴ、18インチ・アルミホイールを得ているが、それ以外は通常のカローラと同等だ。
同じく18インチ・ホイールを履くシビックの方が、乗り心地は少し硬めではあるが、直接乗り比べなければ気が付かない範囲。柔らかすぎることもなく、硬すぎず、ファミリー・ハッチバックとして的を得ている。
カーブの続く道を走らせると、小さな違いが見えてくる。カローラの方が若干ソフトな足まわりのため、ボディロールもやや大きい。ステアリングはシビックよりスローで軽いが、負荷が高まるほど重く転じ、安心感も増していく。
ホンダのステアリングはクイックで、手応えも多い。しっかり路面を掴んでいる印象があり、低めのドライビングポジションがドライバーの気持ちをそそる。かといって、大きな違いといえるほどではないだろう。
この続きは後編にて。
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