■日本の道にも最適! 小型EVに商機アリ!?
2024年6月、ヒョンデが新型コンパクトEV(電気自動車)「INSTER(インスタ―)」(韓国名「キャスパー エレクトリック」)を世界初公開しました。
SUVテイストをもったAセグメントのコンパクトハッチバックで、日本の道路事情にもマッチしそうなモデルとして注目されます。
【画像】めちゃカワイイ! 新型コンパクトSUV「インスタ―」を画像で見る(30枚以上)
SNSでは「EVは長距離を走れないから使えない」といったネガティブな声が散見されます。
大容量バッテリーを搭載したモデルであればそうした課題もクリアできますが、その分高価になってしまいます。
それでは、近距離をメインとして使う小型EVであればどうでしょう。
戸建て住まいであれば自宅充電が可能で、いつでもエネルギー満タン。暖機運転いらずですぐに出かけることができ、狭い道もスイスイ。さらに移動コストがガソリンよりもかからずに済みます。
生活範囲内に限定すれば、EVは非常に有用な移動手段となり得ます。
例えば、日産と三菱が共同開発し2022年に発売された軽自動車のEV、日産「サクラ」/三菱「eKクロスEV」は、2024年9月に累計生産10万台を達成しました。
また日本の新興メーカーであるKGモーターズは、自社で開発した1人乗りの超小型EV「mibot(ミボット)」が、1か月で1000台の予約を獲得したと発表しています。
このように小型サイズのEVは、国内でも十分な需要があるといえるでしょう。
そんななか、韓国のヒョンデがコンパクトEVのインスタ―を発表しました。本国では「CASPER Electric(キャスパー エレクトリック)」と名乗っていますが、欧州などの海外市場ではインスタ―の車名で統一されるようです。
ヒョンデは現在、日本で電動車(EV/FCEV)のラインアップをすすめています。
2024年6月には、高性能モデル「アイオニックN」を日本で発売。最高出力650PSに及ぶハイパワーマシンで、0-100km/h加速は3.4秒という高性能ぶりです。
いっぽう新型インスタ―は、そんなアイオニックとは逆にAセグメントにカテゴライズされる小型EVとなっています。
ボディサイズは、全長3825mm×全幅1610mm×全高1575mmで、ホイールベースは2580mmとなっています。
全長・全幅は、軽EVのサクラ/eKクロスEVよりもひとまわり大きいサイズ。ただし全高はサクラよりも低い値です。
しかし直線が多用されたSUVテイストの力強いスタイリングで、存在感は十分です。
インテリアはガソリン車と大きく変わらず、インパネにはメーターやインフォテイメントパネルが備えられています。
エアコン操作ボタンはシンプルなアナログタイプで、ブラインド操作が可能となるような配慮だと思われます。
内装全体としては、高級感というよりも自室のような落ち着ける空間を目指しているように映ります。
EVは静粛性が非常に高いため、くつろげる室内と言えるでしょう。
グレードは「標準レンジ」と「ロングレンジ」の2種類が用意されています。
バッテリー容量は標準が42kWhで、ロングが49kWh。航続距離は標準でも300km超えで、ロングレンジは355km(WLTPモード値)です。
最高出力は、標準が71.1kW(97PS)で0-100km/h加速が11.7秒。同じくロングが84.5kW(115PS)で0-100km/h加速が10.6秒となっています。
なお、充電は約30分で10%から80%まで回復可能とのことです。
ロングレンジの80%は、WLTCモード値で計算するとおよそ284kmとなります。エアコンなどの使用を想定しても200kmが実用範囲と計算ができます。
高速道路や道の駅にEV用充電器の整備が進んでいることを考えれば、遠出にも対応できるバッテリー容量を備えていると考えて良いでしょう。
※ ※ ※
日本の道路は狭い道が多いのが特徴です。東京の住宅街から地方の山間部に至るまで、サイズの大きいクルマは扱いが難しく、だからこそ日本ではコンパクトカーや軽が広く普及しています。
その点でインスタ―は日本で乗るにも苦労しないサイズ感で、かつEVのため維持費も抑えられ、魅力的に映ります。
なによりこうしたコンパクトSUVクラスの手ごろなEVは国産車にラインアップがなく、日本でも商機があるのではないでしょうか。
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ヒュンダイ=爆発、暴走するクルマ。