インディカーは2023年からハイブリッドユニットを搭載し、2.4リッターツインターボV6エンジンを導入する予定だったが、一部コンポーネントの供給に問題が発生しているとして、これが2024年に延期された。
この延期によって生まれた時間的な猶予を活用し、コックピット保護デバイスであるエアロスクリーンの軽量化が進められるようだ。
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現在シボレーとホンダはそれぞれ、すでに2.4リッター新エンジンのテストをスタートさせているが、ハイブリッド関連部品のサプライチェーンに問題が起きていることから、ハイブリッドユニットと組み合わせてのテストはできていない状態だ。
新エンジンは現行の2.2リッターエンジンと比べて大型化することもあって、重量増加は避けられない。その影響は11ポンド(約5kg)ほどと見られているが、さらにハイブリッドユニットも加わることになる。
だがインディカーは、2024年のマシンをできる限り現行マシンと同程度の重量にすることを目指している。
そのためにターゲットとなっているのが、2020年に導入されたエアロスクリーンの軽量化だ。エアロスクリーンによる重量増は60ポンド(約27kg)もあり、より軽量な次世代エアロスクリーンの開発が計画されているのだ。
インディカーのプレジデントであるジェイ・フライはmotorsport.comに次のように語った。
「2024年の変更で、160ポンド(約72.5kg)増えると予想していたが、今はおそらく80ポンド台の後半になるとみている。新しいエンジン規制を2024年まで遅らせたことで、そのようなことを整理する機会を得ることができた」
「2.4リッターエンジンを積んだクルマによるテストは、例外的なものだ。次はハイブリッドコンポーネントを使ったテストになる。しかし、その一方で、クルマの重量を減らす作業も続け、できる限り現在の状態に近づけるようにする」
「我々はエアロスクリーンのフェイズ2に取り組んでいる。スクリーンやフレームをより軽くするんだ。(チタン製フレームを供給している)パンクルは、エアロスクリーンの重量を半分に減らしても、現在と同じように頑丈にできると考えているんだ」
「パンクルの技術は驚異的だ。新しいバージョンは、内部がハニカム構造のようになっているフレームを作り、見ただけでは半分の重さになっていることが分からないようなモノになるだろう」
「エアロスクリーンの次のバージョンでは、コックピットへの空気の流れをどうするかということも検討する。熱の問題は、2020年当初に比べればかなり改善されたが、また改善することができる」
「エアロスクリーンの見た目は今のまま変わらないだろう。だが重量は半分になり、耐衝撃特性も損なわれずに済むはずだ」
2021年の開幕戦アラバマでは多重クラッシュが発生し、ライアン・ハンター-レイのエアロスクリーンに他車のタイヤが直撃。当時、ハンター-レイは「エアロスクリーンが命を救ってくれた」とコメントするなど、エアロスクリーンはドライバーの命を守る重要なデバイスとなっている。
今後も安全性を落とすこと無く、改善が続けられていくことになるだろう。
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