超高額車のみならず3ナンバーなど大型車の販売が好調
ロールス・ロイスが日本で売れている。2016年の新車登録台数は223台。これは前年比43%増であるばかりか、25年ぶりに年間200台を超えたという。ロールス・ロイスのような価格帯の世界になると、魅力的な商品開発だけでは、この好調は説明できない。新型モデル「ドーン」の商品力はもちろんだが、それを購入できるだけの市場がなければ売れないからだ。
さて、前回年間200台販売を突破した25年前といえば、バブル景気の最後といえる1991年。いまだリーマンショック以降のネガティブな景況感に基づく報道が多いが、現実的には株価は全体としては上がっているし、失業者も減っていれば、自殺も減っている。ついでに交通事故も減っている(これは景気回復とは別の理由だが)。
巷間いわれているように格差の拡大という面はあるにせよ、全体として景気は上向いている。だからこそ、バブル期並みに、ロールス・ロイスのような富裕層向け商品が売れているのだろう。
こうした傾向は、ロールス・ロイスのような超高額車だけに限った話ではない。実際、2017年の普通乗用車(3ナンバー)の販売台数は前年比110.0%の1,490,216台。小型乗用車や軽自動車は前年比割れをしていることを考え合わせると、上位層から景気回復を実感しているといえそうだ。
日本国内の自動車保有台数が微増していることを考えると、いわゆる「自動車離れ」というのは車両販売に不調を示す言葉であることは明らかで、景気回復こそ自動車離れを解決するクスリである。ロールス・ロイスの好調が経済の好調を示す一例だとすれば、景況感も確実に回復されていくだろう。
誰もが好況を実感できないというのもまた事実だろうが、ロールス・ロイスの好調というニュースを聞くと、景気回復の恩恵を多くの人が感じられるようになることを期待するばかりだ。
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