現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 「レースで競えるために何でもサポートするよ!」ありがたいけどなんだか悔しい。DTMチャンピオン3人のスーパーGTの印象

ここから本文です

「レースで競えるために何でもサポートするよ!」ありがたいけどなんだか悔しい。DTMチャンピオン3人のスーパーGTの印象

掲載 更新
「レースで競えるために何でもサポートするよ!」ありがたいけどなんだか悔しい。DTMチャンピオン3人のスーパーGTの印象

 約7年の歳月を費やして昨年成立したスーパーGTとDTMの共通レギュレーション『クラス1テクニカルレギュレーション』。スーパーGTでは2020年からクラス1規定を順守したマシンが導入されるが、それに先駆けてスーパーGTとDTMの記念すべき最初のレースがDTMの今季最終戦第9戦、ドイツのホッケンハイム・サーキットで開催される。練習走行が行われた金曜日には、3名のDTMチャンピオン経験者がプレスカンファレンスに登場。GT500マシンのパフォーマンスなどについて語った。

 まずは前戦のDTM第8戦ニュルブルクリンクで今回の最終戦を残してチャンピオンを決めたレネ・ラスト(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・ロズベルグ)。ホッケンハイム金曜日の走りはじめのウエット走行は、慣れ親しんでいるDTMのトップドライバーでも難しいようだ。

ドライとなったDTM第9戦ホッケンハイムでGT500とDTM車の差は接近。バトン&NSXが15番手

「今年のF1(第11戦ドイツGPの決勝のウエット)を観ても分かるように、ここはレコードラインを外れるとすごく滑りやすいサーキットだから、ウエットだった午前中のフリープラクティスはスーパースリッピーなんだ。まるで氷の上を走っているようで、(滑り出したら)マシンのコントロールは不可能に近いよ。でも、レコードライン上にいる限りは問題ない」

「前戦のニュルブルクリンクで2度目のタイトルを決めることができたから、今週末は(DTMで)初めてプレッシャーのない状況でレースに出られる。チャンピオンシップを考えずにサイド・バイ・サイドのバトルを楽しんで、日本から来た『友人たち』といいレースをしたいね」と、レネ・ラスト

「まだスーパーGTのドライバーたちとは話せていないけど、必要なサポートは何でもしたいと思っている。(ハンコックの)レインタイヤはまったく経験がないわけだから、レースをコンペティティブなものにするためにも、タイヤの内圧など、情報はすべて提供したい。秘密は何もないよ」と、日本人プレスから見たら余裕が伺えるさすがのコメント。ありがたいコメントだけど、なんだか悔しい。

「ポールポジション争いは難しいだろうけど、明日はもっと上に来るだろう。少なくとも、今日よりもギャップは少なくなると思う。11月に僕たちが日本に行った時は、同じように彼らのサポートがあるとありがたいね。富士(スピードウェイ)では、DRSを使って300km/hのトップスピードで走りたい!(現実的にはスーパーGTの規定で開催されるため使用不可)。日本にも行ったことはないから、すごく楽しみにしているよ。できるだけ楽しんで、いい経験を積みたい」と、今年のチャンピオンは日本勢の巻き返しと11月の交流戦についても触れた。

 お次は2014年と2016年にDTMチャンピオンとなった、マルコ・ウイットマン(BMW M4 DTM/BMWチームRMG)。

「今回はスーパーGTから3台のマシン、5人のドライバーが来ているけど『クール!』だね。僕たち全員がずっと夢に見ていたことだからね。ついに、一緒にレースができる。富士でのレースも含め、ふたつのシリーズの将来に向けて、とてもいい方向に進んでいると思う」

「彼らにとっては、ドライでもウエットでもタイヤへの対応が一番の課題だろう。我々は同じコンパウンドのタイヤで3シーズンレースをしてきた。一方、スーパーGT勢はハンコックタイヤで初めてのウエットセッションだから、まずはタイヤを理解しているところだろう。彼らがどこまでタイヤに合わせてくるか。いいレースができることを望んでいるよ」と、大人のコメント。

■DTMチャンピオンたちが口を揃えて離す初めてのタイヤへの難しさ「シンプルではないから難しいだろうね」
「(ホッケンハイムで行われた)今年の開幕戦では優勝したから、最終戦も勝って終われればいいね。この週末はウエットコンディションになるだろうから、BMWにはチャンスがあると思う。今シーズン、特に後半に入ってから苦労したから、表彰台か、できれば優勝で締めくくりたいと思っている。僕たちのマシンはウエットで重要なマシンバランスが良いから、トリッキーなコンディションではチャンスがあるよ」と、その言葉どおりに、午後のセッションではトップタイムをマークして、今週末の本命の1台であることを印象づけた。

 最後はジェンソン・バトンとも親しく、F1フォース・インディアで日本のファンにも馴染みのなるポール・ディ・レスタ(アストンマーティン・バンテージDTM/Rモータースポーツ)。2010年にはDTMでもタイトルを獲得している。

「(デビューシーズンのアストンマーティンも)経験を積んでチームの戦略や動きがかなり改善された。各ラウンドの走り始めはアウディとBMWとの間に大きなタイム差があったが、シーズンが進むにつれて差を詰めている。この週末は生産的な仕事をして、来シーズンにつなげたいと思う」とディ・レスタ。日本に馴染みのあるディ・レスタだが、残念ながらアストンマーティンは11月の富士での交流戦を欠場することになった。

「日本のマニュファクチャラーとスーパーGTとのコラボにはずっと期待していた。何年もの話し合いの末に、やっと交流戦が実現したわけだから、アストンマーティンも日本で走ることを希望していた。でも、僕たちはアウディやBMWのように自動車メーカーが直接携わっているプロジェクトとは違うので、規模を考えるといろいろな制約があって……。まず我々がやるべきは、冬の間にマシンの開発を進めることだという判断を下した」と、苦しい事情を説明するディ・レスタ。

「今週末に走るスーパーGTのマシンは、主に空力面で数年前のDTMのように開発の幅が与えられている。我々が考えるべきことは、お客さんに喜ばれるエンターテイメント、ショーを見せることだから、この週末を通して(異なるマシンの)パフォーマンスをいかにバランスさせるかを全員が学ばなくてはならないと思う」

「カギとなるのはタイヤだろう。日本でハンコックタイヤのテストをしたそうだけど、短時間ですべてわかるほどシンプルではないから、温度や内圧の管理が難しいだろうね」と、現実的な問題点を指摘したディ・レスタ。

 実際、日本側のドライバ-、チームからも経験のないハンコックのドライ、そしてウエットタイヤに頭を悩ますコメントを聞いており、その習熟が今週末の大きな焦点となることは間違いないが、なんとかDTMのチャンピオンたちだけでなく、DTMドライバー、そしてチームを驚かすような活躍でスーパーGTの健在ぶりをアピールして、彼らを慌てさせるようなコメントをなんとか言わせてほしい。

こんな記事も読まれています

「えっ…9000円!?」 ガス欠って“違反”なの!? 条件次第で変わる道交法…何がアウト?「給油ランプ点灯後」にどれくらい走る?
「えっ…9000円!?」 ガス欠って“違反”なの!? 条件次第で変わる道交法…何がアウト?「給油ランプ点灯後」にどれくらい走る?
くるまのニュース
U-NEXTがBMWで観られる! 車内コントロール・ディスプレイにU-NEXTアプリを導入開始
U-NEXTがBMWで観られる! 車内コントロール・ディスプレイにU-NEXTアプリを導入開始
月刊自家用車WEB
改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(2) 夢中にさせる最高水準の操縦性 妥協ない動的能力
改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(2) 夢中にさせる最高水準の操縦性 妥協ない動的能力
AUTOCAR JAPAN
さらにワイルド&ドラマチック! 改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(1) アプデで総合700psへ
さらにワイルド&ドラマチック! 改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(1) アプデで総合700psへ
AUTOCAR JAPAN
まさに[小さなハリアー]!! 売れまくり[ヤリスクロス]は使いやすさ抜群! GRスポーツを勧めたいワケ
まさに[小さなハリアー]!! 売れまくり[ヤリスクロス]は使いやすさ抜群! GRスポーツを勧めたいワケ
ベストカーWeb
旧車の維持費は思ったほどじゃなかった! それより大変なのは……旧車オーナーが実体験を語る
旧車の維持費は思ったほどじゃなかった! それより大変なのは……旧車オーナーが実体験を語る
WEB CARTOP
[元警察官が解説] 制限速度1km/hオーバーでも捕まるのか? “検挙”と“指導/警告”の微妙な境目
[元警察官が解説] 制限速度1km/hオーバーでも捕まるのか? “検挙”と“指導/警告”の微妙な境目
WEBヤングマシン
欧州vs中国「EV戦争」 最高48%の関税賦課も、中国の“報復措置”はまだ起きそうもないワケ
欧州vs中国「EV戦争」 最高48%の関税賦課も、中国の“報復措置”はまだ起きそうもないワケ
Merkmal
トヨタ、部品欠品で稼働停止のランクルシリーズ 21日夕方から順次生産再開
トヨタ、部品欠品で稼働停止のランクルシリーズ 21日夕方から順次生産再開
日刊自動車新聞
トヨタ新型「RAV4」そろそろ登場!? もっと無骨に“大変身”&新パワートレイン搭載も? デビュー6年目の「超人気SUV」次期型どうなるのか
トヨタ新型「RAV4」そろそろ登場!? もっと無骨に“大変身”&新パワートレイン搭載も? デビュー6年目の「超人気SUV」次期型どうなるのか
くるまのニュース
酷暑の夏到来!! ヒトも自転車もこれまでにない状況に耐えられるのか?
酷暑の夏到来!! ヒトも自転車もこれまでにない状況に耐えられるのか?
バイクのニュース
マセラティ史上最速の市販車に敬意、『MC20』に白+青の「イコーナ」…20台限定
マセラティ史上最速の市販車に敬意、『MC20』に白+青の「イコーナ」…20台限定
レスポンス
4WDターボはランエボ&インプSTIだけじゃない! [マツダスピードアテンザ]は熱かった!!!
4WDターボはランエボ&インプSTIだけじゃない! [マツダスピードアテンザ]は熱かった!!!
ベストカーWeb
[バイクの仕組みQ&A] 油圧式/ワイヤー式クラッチ、何がどう違うのか?
[バイクの仕組みQ&A] 油圧式/ワイヤー式クラッチ、何がどう違うのか?
WEBヤングマシン
トライアンフ、限定モデル『ボンネビル T120 エルヴィス・プレスリー リミテッド エディション』発表
トライアンフ、限定モデル『ボンネビル T120 エルヴィス・プレスリー リミテッド エディション』発表
レスポンス
時代を超えた「ご長寿モデル」! 登場から“60年以上”続く「すごいクルマ」も存在! 長く愛されている「国産ロングセラー車」3選
時代を超えた「ご長寿モデル」! 登場から“60年以上”続く「すごいクルマ」も存在! 長く愛されている「国産ロングセラー車」3選
くるまのニュース
あと数台分がガマンできないのか!? 「もうちょいで右折レーン」「もう少しで右側の駐車場入口」なときの「チョビ逆走」は立派な交通違反だった
あと数台分がガマンできないのか!? 「もうちょいで右折レーン」「もう少しで右側の駐車場入口」なときの「チョビ逆走」は立派な交通違反だった
WEB CARTOP
スマホメーカーが開発する本気のEVスーパーカーは、ポルシェ『タイカン』を超えるか
スマホメーカーが開発する本気のEVスーパーカーは、ポルシェ『タイカン』を超えるか
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村