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トヨタ・三井住友など88社が参画 世界をリードする水素社会の推進協議会が設立へ

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トヨタ・三井住友など88社が参画 世界をリードする水素社会の推進協議会が設立へ

■分野を超えた水素社会実現への取り組みが加速

 2020年現在、世界各国で水素社会実現に向けた取り組みが加速しています。
 
 そのなかで、水素社会の構築・拡大に取り組む民間企業による団体「水素バリューチェーン推進協議会」が発足しました。
 
 今後、水素社会の実現に向けてどのような取り組みがおこなわれるのでしょうか。

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 菅総理大臣は、2020年10月26日の所信表明演説において、「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しました。

 このような脱炭素社会に向けた取り組みの重要性が高まるなか、水素は地球上に水という形で存在する元素となり、燃焼による温室効果ガスを排出しないことから、グリーン社会実現の鍵を握る資源として注目されてきたのです。

 また、世界各国でも水素社会実現に向けた取り組みを加速させています。

 欧州では、「2050年にCO2排出実質ゼロの目標」や「水素エネルギー戦略」を公表。一方で日本は前述の菅総理大臣の表明に先駆けて、2017年に水素基本戦略を制定し、水素・燃料電池戦略のロードマップに取り組んできました。

 そうしたなかで、水素社会の構築・拡大に取り組む民間企業9社(以下に記載)は、水素分野におけるグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進する新たな団体「水素バリューチェーン推進協議会」を2020年12月7日に設立。

 参画企業には、世界初の水素を燃料とした燃料電池車「MIRAI」を展開するトヨタ自動車や全国で水素ステーションを展開するENEOSなど、水素を生産・運搬・利用といったさまざまな分野に関わる約90社が名を連ねています。

 今回の新団体は、今後も日本が世界をリードし続けるために、水素の社会実装に向けた革新的な取り組みを進めると同時に、さまざまなステークホルダーの皆様と連携し、水素産業の育成と発展に向けた取り組みを実施するものです。

 新団体設立の目的や主な活動内容として、新団体では、既存団体や事業者と協力・協調し、水素バリューチェーンの構築を目指し、活動に取り組んでいくため、事業化、渉外、調査等の機能を準備していくとしています。

 なかでも、「水素バリューチェーン構築の為、横断的な取組をおこなう」、「水素社会の実現の為、社会実装に向けた動きを加速する」、「金融機関と連携し、資金供給の仕組みづくりを推進する」という内容に重点をおいた活動をおこないます。

 また、水素バリューチェーン推進協議会は経済産業省など官民一体となり水素社会で世界をリードする水素社会実装に向けた経済的支援システムや仕組みを作っていくといいます。

 今回の水素バリューチェーン推進協議会にあたり、経済産業省の梶山弘志大臣は次のように述べています。

「さまざまな分野で活用される水素は、世界各国に先駆けて官民一体で取り組んできました。

 しかし、この1年の間に脱炭素社会に向け世界各国が戦略を強化しており、諸外国が活性するなかで、日本がどうリードしていくかということが今後の水素社会において鍵となります。

 水素を新たなエネルギー利用に水素を位置づけ、生産・運用・運搬などさまざまな分野を巻き込んで、経済産業省としても水素利用やこの取り組みを全力で応援していきます。

 さらには、経済産業省として水素の価値を正しく発信できる仕組みを発信していくほか、水素ステーションの普及や規制の合理化、水素自体のコストダウンを後押し、税や国際標準も含めて政府としても水素社会の実現は重要な戦略だと考えています」

※ ※ ※

 今後、水素バリューチェーン推進協議会の設立により、水素の製造、運搬、利用などさまざまな分野を巻き込むことで、水素社会において世界各国をリードする取り組みが期待されます。

■なぜトヨタは水素社会に注力するのか

 トヨタは、2020年10月6日に同社が研究・開発を進めている燃料電池に関してのリリースをふたつ公表しました。

 ひとつ目は、日本においてトヨタとJR東日本、日立は、水素を燃料とする燃料電池と蓄電池を電源とするハイブリッドシステムを搭載した試験車両を連携して開発することに合意したことです。

 この取り組みは、水素をエネルギー源とする革新的な鉄道車両を開発していくことで、地球温暖化防止やエネルギーの多様化などによる脱炭素社会の実現への貢献を目的としています。

 JR東日本は鉄道車両の設計・製造の技術、日立はJR東日本と共同で開発した鉄道用ハイブリッド駆動システムの技術も有しており、トヨタでは燃料電池自動車「MIRAI」や燃料電池バス「SORA」の開発で培った燃料電池の技術を有しています。

 この3社が持つ鉄道技術と自動車技術を融合し、自動車で実用化されている燃料電池を鉄道へ応用することで、自動車より大きな鉄道車両を駆動させるための高出力な制御を目指したハイブリッド車両(燃料電池)の試験車両を実現するものです。

 ふたつ目は、北米市場における取り組みで、トヨタと日野が燃料電池大型トラックを共同で開発するというものです。

 この取り組みは、2020年3月に発表した日本国内向け燃料電池大型トラックの共同開発をさらに発展させるものとしており、北米市場での大型電動トラックへの関心の高まりを受け、同市場向けに、燃料電池で走行する大型トラックの開発を共同でおこなうものだといいます。

 トヨタ側のシニア・エグゼクティブ・エンジニアである横尾将士氏は今回の取り組みについて、次のように話しています。

「トヨタが20年以上にわたって開発してきた燃料電池技術と、日野の大型トラックに関する知見を組み合わせることで、革新的で競争力のある製品を生み出すことができるでしょう」

※ ※ ※

 燃料電池技術を鉄道事業で活路を広げる取り組みも展開するなど、トヨタは自動車産業に限らず水素社会の実現に注力していることがわかります。

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みんなのコメント

2件
  • やっと水素社会の実現に少し動き出した感じですね。水素の一番の良さは石油等の化石燃料と違って地球上のみならず宇宙にも無限に存在する事。そして石油のように産油国の政治的な影響を受けないため資源弱小国の日本にとっては大きい。水素を取り出したり保管する技術さえ磨けば今後資源に悩むことは減ると思いますよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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