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【2カ月で200万円暴騰!!!】R34 GT-R中古急騰事情と「5年後3000万円説」

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【2カ月で200万円暴騰!!!】R34 GT-R中古急騰事情と「5年後3000万円説」

 R34スカイラインGT-Rの中古車相場が凄いことになっている。2019年8月初旬現在、大手中古車情報サイトに掲載されているR34スカイラインGT-Rの最高値は、なんと「1800万円」。走行3万kmの1999年式Vスペックだ。

 ただし、そのほかにも走行わずか数千kmのVスペックIIニュルのニュルが「価格応談」で掲載されていたりもするので、本当の最高値は1800万円ではなく、実はもっともっと上なのかもしれない。

【技術の日産!!】一基ずつ手組みしているGT-Rのエンジンのすごさとは? 

 そこで、今R34スカイラインGT-Rの中古車相場はどうなっているのか? 今後、どこまで値が上がっていくのか? 中古車事情に詳しいライター、伊達軍曹が報告する。

文/伊達軍曹
取材協力/RITZ GARAGE
写真/ RITZ GARAGE  日産自動車

ここ2カ月で一気に200万円上がった!!

1999年1月8日に発売されたR34GT-R。 新車価格は499万8000円 。排ガス規制の影響により2002年12月に販売終了

 R34GT-Rの「異常相場」は今後どうなるのだろうか? ある時期を境に少しは安くなるのか、それともこのまま宇宙ロケットのように超高値圏を目指し続けるのか?

 そのあたりを探るため、箱スカからR34まで各世代のGT-Rをこれまで星の数ほど販売し、現在もR34GT-Rのストック数台を保有している東京都足立区のスポーツカー専門店「RITZ GARAGE 」代表の船本 穂さんに、R34GT-R相場の現状と「未来予想図」を聞いた。

―そもそも、R34GT-Rのここ最近の中古車相場ってなぜこんなにも高いんですか?

船本さん:中古車の価格は「需要と供給」の関係で決まりますので、基本的には「人気があるのに数は少なめだから」ということに尽きます。しかし直近のR34 GT-Rは「買いが買いを呼んでいる」という状況なんだと思いますね。

R34GT-Rのボディサイズは全長4600×全幅1785×全高1360mm、車重は1560kg。総生産台数は1万1134台

―買いが買いを呼ぶ?

船本さん:はい。以前から高騰していたR34GT-Rの相場ですが、実はここ2カ月でさらに200万円ぐらい一気に上がったんですよ。

 その高騰の最初のきっかけが何だったのかは定かではありませんが、まあ、おそらく投機目的での買いが大きく入ったのでしょう。

 で、そのように上がり始めると、我々のような車屋はお客様に「もしも買うなら早くしたほうがいいですよ!」と言います。これはセールストーク的な意味ではなく、本当にそう思うから言うのですが、そうするとお客様は焦りますよね。

 「マジか! ヤバい、急がなきゃ!」みたいな感じで。そうなると、先ほど申し上げた「需要と供給」の関係でさらに相場が上がってしまうわけです。

 そしてそうなってくると今度は、ベストカーWEBさんがこうして記事にするじゃないですか? 「R34GT-Rの中古車相場・高騰の理由を探る」みたいな感じで(笑)。

 そうするとその記事がまた需要を煽るというか人の心を焦らせる原因になって、相場がさらに上がっていく……みたいなサイクルです。

 要するに「誰も悪気はないのだけれど、結果としてみんなでよってたかってR34GT-Rの相場を上げている」というのが、今起きていることの実相に近いのではないでしょうか。

R34GT-R標準車のコクピット。 コンソール中央にマルチファクションディスプレイ(MFD)と呼ばれる車両の状態を確認する5.8インチのモニターが搭載され、水温、ブースト圧などを表示。メーターは左がタコメーター、右がスピードメーター

―なるほど……。この高騰の流れはもう止まらないんですかね? それとも、あるタイミングから微妙に安値に転じるとか?

船本さん:たぶん止まらないでしょうね。これはもう市場心理および群集心理の問題ですから。ある企業の株価が「連日のストップ高」になるようなものです。

25年ルールが適用される2024年にはさらに高騰!

―となると、それってある意味「バブル」とも言えると思うのですが、いつかバブルがはじけて暴落するんじゃないですかね?

船本さん:それもないでしょうね。といいますのは、アメリカの「25年ルール」の解禁日が近づいているからです。

―25年ルールというのは、「製造後25年が経過したクルマはクラシックカー扱いになって連邦自動車安全基準の適用外となるため、それまではアメリカ国内に持ち込むことができなかった車種でも輸入が可能になる」ってやつですね。

船本さん:おっしゃるとおりです。2018年にはNSXが解禁になって、NSXタイプRの相場が暴騰したことは記憶に新しいかと思いますが、R34GT-Rも、初期型は2024年に解禁となります。

第2世代最後となるRB26DETT型を搭載。最高出力&最大トルクは280ps/40.0kgm。ターボチャージャーはギャレット社製C100-GT25型ツインボールベアリングのセラミックタービンを採用。ヘッドカバーは赤く塗装され「SKYLINE GT-R NISSAN」の文字が印刷されたプレートが装着された。Nürにおいては金色のカバーが採用されている(写真)

―解禁になると、上がりますかね?

船本さん:条件の良いタマは絶対に上がりますね。……わたしも長いこと車屋をやってますが、これまでお客様に「○○の相場は絶対に上がります」と言ったことは一度もないんですよ。

 なぜならば、未来のことなんて誰にもわかりませんから。でもR34GT-Rについては今、車屋として初めてお客様に申し上げてるんです。「2024年以降、絶対に上がっちゃいます!」って。

2000年10月のマイナーチェンジ時にVスペックに代わり登場したVスペックII。
新車価格は 574万8000円 。NACAダクト付きカーボンボンネットが特徴

―たはーっ、そうですか……。では船本さんから「相場の未来予想図」を頂戴したいと思います。まずはR34GT-R相場の「総論」から。

船本さん:うーん、もちろん私も正確に見通せるわけではないのですが、34GT-R全体の相場は「2024年まで横ばい、またはじり上げ。そして2024年に再び高騰」という感じになりそうです。

―2024年までは鋭角に上がり続けるのではなく、横ばいまたはじり上げですか?

船本さん:もちろん100%の確証があるわけじゃありません。でも、ここ最近の相場は「行き過ぎてる」と感じるんですよね。未来の価格をすでに織り込んでいるというか。そのため、しばらくは調整局面が続くのではないかと見ています。

―なるほど。そしてアメリカで25年ルールが解禁となる2024年にドカン! と上がると。

GT-R VスペックII Nür(ニュル)のニュルとは、GT-Rがテストコースとして使用していたニュルブルクリンクサーキットからとったもので、R34型GT-Rの生産終了を記念して限定1000台が販売された。新車価格は610万円。エンジン、ウォーターポンプ、エキゾーストマニホールドなどすべてがN1仕様となっており、ヘッドを従来の赤から金色としたN1エンジンにはバランス取りを行っているほか、タービンもN1仕様のメタル製タービンを採用


Mスペックは乗り心地と上質感を重視した仕様で足回りは専用セッティング。インテリアはハンドメイド縫製の本革ヒーター付きシート、専用ステアリングを装着、シリカブレスの専用色を設定。新車価格はMスペックが595万円、写真のMスペックニュルが630万円

VスペックIIニュルの低走行車は現在の1500万円から2000万円にアップ!

船本さん:どのぐらいの幅で上がるかはわかりませんが、上がるのは間違いないですね。例えば今1500万円ぐらいで売られている低走行のVスペックIIニュルは、倍の3000万円ぐらいになるんじゃないですか? 

―サ、サンゼンマンエンですか???  新車価格が610万円ですから新車価格の5倍に跳ね上がるわけですね!

船本さん:3000万円どころか、そのまま20年保有すれば5000万円ぐらいにはなると思いますよ。

―そうですか……。では「VスペックIIニュル」というグレード名が出たついでに「グレードごとの未来予想図」を教えてほしいのですが?

船本さん:う~ん、それは難しいかなあ。というのも、もちろん「標準車よりはVスペック」「VスペックよりはVスペックII」「VスペックIIよりは圧倒的にニュル」みたいな図式は確かにあります。

 そのなかでもさらに「ニュルはとにかく別格」「標準車の人気はぼちぼち」というのもあります。

 しかし、それ以外のグレードに関しては、グレードうんぬんよりコンディションで価格が決まってくるので、なかなか一概には言えないんですよ。

【前期標準車の価格例】
1999年式スカイライン GT-R
価格: 849.9万円/走行0.6万km/フルノーマル/修復歴なし

【後期標準車の価格例】
2001年式スカイライン GT-R
価格:759.8万円/走行6.9万km/キセノンヘッドライト/修復歴なし

【前期Vスペックの価格例】
1999年式スカイライン GT-R Vスペック
価格:818万円/走行7.5万km/ニスモエアロ/社外マフラー/修復歴なし

【後期VスペックIIの価格例】
2001年式スカイライン GT-R VスペックII
価格:1599万円/走行2.3万km/フルノーマル/ワンオーナー禁煙車/修復歴なし

【後期VスペックII N1の価格例】
ほぼ流通なし


【後期VスペックIIニュルの価格例】
2002年式スカイライン GT-R VスペックIIニュル
価格:1680万円/走行8.3万km/新品ベアエンジン交換後1000km/修復歴なし

※上記の価格、スペックは編集部独自調べの一例です。また上記は、今回お話を聞いた「RITZ GARAGE」販売車両のスペックではありません。

※上記の写真をクリックするとR34GT-Rの中古車情報ページへ

船本さん:ただとにかくひとつ言えるのは、将来の値上がりを目的として、つまり投資対象としてR34GT-Rを買うのであれば、おすすめは「走行2万km以下の個体」ですね。

 2万km以下の個体をそのままキレイに維持しておけば、将来的にはすごい価格になるでしょう。しかしスカイラインというのはGT-Rであっても「乗るクルマ」ですので、そこにこだわりすぎる必要はないとも思いますけどね。

VスペックIIニュルの走り。当時、280馬力自主規制が敷かれていたが間違いなく最速の日本車だった

―なるほど。ちなみにR33GT-Rの相場は今後どうなりそうですか?

船本さん:R34GT-Rに引きずられる形で若干上がると見てますが、「大幅に上がる」ってことはなさそうですね。ただし走行2万km以下の個体だけは、R33であってもかなり上がるはずですが。

――R32GT-Rは?

船本さん:うーん、今や走行距離の少ない上玉が少ないため、基本的にはさほど高騰はしないと見ていますが、それでも「走行10万km以下の個体」は、それなりの値上がりを続けるでしょう。


※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  

 いやはや、ここまでR34GT-Rの相場が上がっているとは予想外でしたね。

 文中で船本代表が繰り返しおっしゃっていたように「必ずそうなるかどうかはわかりませんが」という部分はあるにしても、2024年以降、コンディション良好なR34GT-Rの中古車相場は「成層圏を超えて宇宙へ」みたいなレベルに達することも大いにありえそう。

 であるならば、もしもR34GT-Rを本気で買いたいのであれば、その目的が「投機」であれ「乗ること」であれ、相場が比較的横ばいに近い今、決断して買うしかないのだろう……。

■スカイラインR34GT-R年表
●1999年1月8日/R34GT-R発売。ラインアップは標準車とVスペック、1999年1月末まで発売されていたR33GT-Rで採用されたミッドナイトパープルII
●2000年1月7日/ミッドナイトパープルIII発売。2000年3月までの期間限定
●2000年10月30日/マイナーチェンジにより後期型へ移行。ターンシグナルランプレンズがオレンジからクリア色に、ペダルが樹脂製からメタル製に変更、バンパーのデザインを変更したほか、N1仕様の大型リアブレーキローターを採用。同時にVスペックに代わり NACAダクト付きカーボンボンネットなどが装備されたVスペックIIが登場
●2001年5月8日/乗り心地と上質感を重視した仕様のMスペック発売
●2002年2月26日/最終限定車としてVスペックIIニュルおよびMスペックニュルをあわせて1000台限定で発売し、即日完売
●2002年8月/生産終了。以降は在庫分のみの対応となる。生産台数は1万1344台
●2002年12月/販売終了


■スカイラインR34GT-R新車価格
●1999年1月
GT-R/499万8000円
GT-R ミッドナイトパープルII/514万7000円
GT-R Vスペック/559万8000円
GT-R Vスペック ミッドナイトパープルII/574万8000円
GT-R VスペックN1/599万8000円
●2000年1月
GT-R ミッドナイトパープルIII/514万8000円
GT-R Vスペック ミッドナイトパープルIII/575万8000円
●2000年10月
GT-R/504万8000円
GT-R VスペックII/574万8000円
GT-R VスペックII N1/609万8000円
●2001年5月
GT-R Mスペック/595万円
●2002年2月
GT-R VスペックIIニュル/610万円
GT-R Mスペックニュル/630万円

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