フェラーリは自社テストコースのフィオラノで、9月30日(水)に2018年のF1マシン『SF71H』を使用したテストを実施。フェラーリ・ドライバーズ・アカデミー(FDA)の若手ドライバーであるミック・シューマッハー、カラム・アイロット、ロバート・シュバルツマンがこれに参加した。
この3人はいずれも今季のFIA F2選手権に参戦中。シューマッハーがランキング首位、アイロットがランキング2番手、シュバルツマンがランキング5番手と上位を争っている。
■ミック・シューマッハーがついにF1フリー走行デビュー! アルファロメオから出走
FDAテクニカルチーフであるマルコ・マタッサによると、3人は割り当てられたプログラムをそれぞれ順調に終了。マシンに素早く適応したという。
「F2マシンに求められるドライビングスタイルからF1に最適なドライビングスタイルに切り替えるのは簡単なことではない」とマタッサは言う。
「クルマのパワーははるかに大きく、ブレーキシステムも格段に洗練されている。パワーステアリングシステムを適切に使いこなすには、繊細さと精度の高さが要求される」
「しかし彼らはみんな速かった。すぐに良いペースで走り始めた。今回の走行が、ニュルブルクリンクの金曜日にミックとカラムが走行する際に、役立つだろう」
ニュルブルクリンクで開催されるF1第11戦アイフェルGPでは、シューマッハーがアルファロメオから、アイロットがハースから、フリー走行1回目に参加。F1公式セッションデビューを飾る予定となっている。
シューマッハーは昨年バーレーンで行なわれたインシーズンテストにフェラーリおよびアルファロメオから参加しており、現代F1マシンのドライブは今回のテストが3回目となった。
「非常に複雑な手順に再び慣れることができたし、このスポーツのトップレベルでのチームの仕事ぶりにも慣れることができた」
そうシューマッハは語った。
「ドイツでまたコクピットに乗り込むのが待ち遠しいし、母国のファンの前で初めてフリー走行に参加できるのは嬉しいよ。チームには父と一緒に働いていたメカニックもいるし、それがさらに特別なものにしてくれるだろう」
アイロットはこれまで昨年バルセロナで開催されたテストでアルファロメオのマシンに乗ったことはあるものの、フェラーリでのテストは初。忘れられない一日になったと話した。
「グランプリデビューまであと10日と迫った中で、マシンの感触をつかむことができた」
「SF71Hの何よりの魅力は、その空力効率の良さで、他のカテゴリーにはないグリップレベルを持っているということだ。エンジンのパワーは圧倒的だし、ブレーキングも強烈だった」
2019年FIA F3チャンピオンのシュバルツマンにとっては、今回のテストが初のF1マシンドライブ。彼はテストを「ファンタスティックで最高に楽しかった」と語った。
「アクセルを踏めば、際限なくパワーが発揮される。ブレーキも印象的だった。コーナーを曲がるのに、速度が速すぎると思ってもクルマが止まるんだ」
「チームと一緒に仕事をすることも特別なことだった。チームにはたくさんの人がいて、細かいところにまで気を配ってくれる。彼らは本当に高いレベルで仕事をしている」
「この記念すべき日を実現させてくれたすべての人に感謝している」
2021年のF1シートの空きは少なくなっているが、ハースおよびアルファロメオのシートはいずれも確定しておらず、シューマッハーとアイロットがその座を争っていると見られている。また、シュバルツマンも11月中旬に開催されるアブダビGPで、フリー走行デビューをする予定だ。
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