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BTCC第4戦はキャリア初&今季初優勝組のフレッシュな週末に。トヨタ移籍のブッチャーも初勝利

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BTCC第4戦はキャリア初&今季初優勝組のフレッシュな週末に。トヨタ移籍のブッチャーも初勝利

 2021年BTCCイギリス・ツーリングカー選手権の第4戦が7月31日~8月1日にオールトンパークで開催され、予選でキャリア初ポールポジションを獲得したセナ・プロクター(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/BTCレーシング)が、レース3を制してチーム移籍後の初優勝を記録。

 さらにレース2ではこちらも今季からスピードワークス・モータースポーツ(SWM)に移籍し、新たにTOYOTA GAZOO Racing UKのエースに就任したロリー・ブッチャー(トヨタ・カローラGR SPORT)がカローラでの初勝利を収め、レース1でも2021年より名門チーム・ダイナミクスに加入した前戦ポールシッター、ダニエル・ロウボトム(FK8型ホンダ・シビック・タイプR)がBTCC初優勝を達成するなど、フレッシュなリザルトの週末となった。

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 6月末の第3戦以降、短いながら早めのサマーブレイクに入っていたシリーズは、このオールトンパークで“満員の”観客を動員してのシリーズ再開が切られた。その公式練習ではウエスト・サリー・レーシング(WSR)のトム・オリファント(BMW330i M-Sport)や、2021年投入の新型クプラ・レオンBTCCに乗るジャック・ゴフ(チーム・ハード・ウィズ・オートブライト・ダイレクト)らが速さを見せたものの、予選では一転してトヨタvsホンダの日本車対決構図に。

 残り10分時点で暫定ポールに立ったブッチャーのカローラGR SPORTに対し、今季から古巣に戻りBTCC復帰を果たした3冠王者ゴードン・シェドン(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/チーム・ダイナミクス)と、TOCA共通エンジン搭載ながら同じくホンダをドライブするBTCのプロクターがタイムを更新し、わずか0.076秒差でプロクターがBTCC初ポールを獲得。3番手カローラの背後にはシェドンの僚友ロウボトムが並ぶなど、トップ4をこの2メーカーで独占するグリッドとなった。

 シーズンのラウンド10を数えるレース1は日曜正午を前に隊列が整うと、FF勢が並ぶ最前列勝負で気が焦ったか、ポールシッターのプロクターがクラッチミートに失敗してスローな蹴り出しとなり、アウト側からシェドン、ロウボトムのチーム・ダイナミクス勢がするすると抜け出して1コーナーへと向かっていく。

 その背後には7番手からジャンプアップを見せた前戦レース3勝者のアダム・モーガン(BMW330i M-Sport/カー・ゴッツ・ウィズ・シシリー・モータースポーツ)が、FRのトラクションを活かして2台のシビックを追走するポジションへと上がってくる。

 7周目にはWSRオリファントのBMWと曲者ジェイソン・プラト(ヴォクスホール・アストラBTCC/エイドリアン・フラックス・ウィズ・パワーマックスド・レーシング)が絡み、車両大破によりここで赤旗中断が宣言されるも、グリッドから6周スプリントで再開されたレースでは、ロウボトムがリスタートでシェドンを出し抜きシリーズ初優勝を手にした。

「正直に言うと、少し恥ずかしいんだけどオンボードカメラからもわかるように、フィニッシュ後は思わず涙を流してしまったよ! ハルフォーズ・レーシング・ウィズ・カタクリーンとして1-2が飾れたなんて信じられないほど素晴らしいことだ」と、喜びを爆発させたロウボトム。

■レース2ではTGRワークスカラーのカローラが勝利
「フラッシュ(シェドンの愛称)はご存知のとおり完全にハンターだ。マシンのリヤから『コツン、コツン』と突かれている感触が伝わり、それで『ああ、完全に張り付かれている』と思い知った。でも中断前の前半戦は彼についていくのが難しいと感じていたから、赤旗再開後は本当にうまくいったね」

 このヒートの事故処理でタイムスケジュールよりわずかに遅れて開始されたレース2は、ロウボトム、シェドン、そしてモーガンの前戦トップ3が順当にターン1をクリアしたものの、ここから4番手スタートのトヨタ・カローラGR SPORTが躍動。

 続くターン3のカスケードでBMWをパスすると、ヘアピンで2番手シェドンのインサイドに飛び込んだカローラは、立ち上がり加速で首位ロウボトムとサイド・バイ・サイドに持ち込み、結果的にホンダの2台をまとめて仕留める華麗なオーバーテイクを披露する。

 そのまま12周を走破したブッチャーは、ロウボトム、モーガンを従えて今季初勝利を挙げるとともに、TGR UK移籍後の初優勝、そしてワークスカラー採用のカローラとBTCC初のトップチェッカーを受けた。

「今季は時間を掛けてクルマを理解し、セットアップを地道に進めてきたが、ここへきてカローラは僕のドライビングスタイルに適応した挙動を示すようになってきた」と、フォード時代以来の勝利に満足げな表情を浮かべたブッチャー。

「リードを奪った後は、それを安全に持ち帰るだけというパターンだった。クルマの感覚が自分に合っている場合は、簡単にこうした違いが生み出せる……というだけの話さ。現時点で、そのウインドウに実際にクルマが入っているし、ドライブが本当に楽しい。この感覚まで導いたのは、すべてチームの努力だ。残りのシーズンが本当に楽しみだよ」

 そして週末最終のレース3はリバースグリッド“抽選”の結果、予選最速のプロクターが順当にポールを得てスタートが切られたものの、直後にフロントロウを分けていたディフェンディングチャンピオン、アシュリー・サットン(インフィニティQ50BTCC/レーザー・ツールズ・レーシング)に大外刈りを決められてしまう。

 すると背後では10台近くが絡む多重クラッシュが発生し、週末で再びの赤旗中断に。その後グリッドからのリスタートが切られると、ターン1で“首位奪還の再現”を狙ったサットンのインフィニティに、BTCシビックの左フロントが軽く接触。これでトラクションを失ったFRのQ50はたまらず白煙を上げてスピンを喫し中段に復帰したものの、続くターン3で再びヒットされ完全にレースから脱落。

 その後は上位陣に変動なく8周短縮のチェッカーとなり、プロクターがステファン・ジェリー(BMW330i M-Sport/WSR)とシェドンのシビックを従え今季初優勝を決めた。

 次戦となるBTCC第5戦は2週間後、8月14~15日の週末にノックヒルで争われるが、レース3で無念のリタイアに終わった王者サットンは「レース3ではいい展開に持ち込めそうだったが、計画どおりにはいかなかっただけさ」と週末不調だったトム・イングラム(ヒュンダイi30 Nファストバック・パフォーマンス/ギンスターズ・エクセラー8)に対し、からくも5点差で選手権首位を守りオールトンパークを後にしている。

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