現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【クロカン列伝04 ランドクルーザー シグナス編】セルシオのオフロードカーと言われるほどの完成度を誇った

ここから本文です

【クロカン列伝04 ランドクルーザー シグナス編】セルシオのオフロードカーと言われるほどの完成度を誇った

掲載 更新 11
【クロカン列伝04 ランドクルーザー シグナス編】セルシオのオフロードカーと言われるほどの完成度を誇った

1980年代、「クロカン」ブームを支えた4WDが、各自動車メーカーから続々と発売された。この連載企画では、今でいうSUVとは、ひと味もふた味も異なる「泥臭さやワイルドさ」を前面に押し出したクロカン4WDを紹介する。第4弾は「ランドクルーザー シグナス」だ。

ランクル100と同じ235psを発生する4.5L V8を搭載
プレミアムカーブランドの「レクサス」と、スパルタンな4WDとして誕生した「ランドクルーザー」。相反する方向性の2種を結びつけたのが「ランドクルーザー シグナス」だ。1989年、北米で誕生した「レクサス」は、1996年に「ランドクルーザー80」の最終型をベースに「LX450」をラインアップした。これがレクサスLXシリーズの初代モデルになる。LX450はランドクルーザー80と同様の4476cc直列6気筒DOHC「1FZ-FE型/215ps」を搭載していた。

【くるま問答】最近のクルマにテンパータイヤはない。パンク修理キットをどう使う? 最高速は?

これに加え、フロントフェイスやヘッドライト、バンパーやサイドステップ、また内装もラグジュアリーな仕様へと変更した上級モデル。そして登場から2年後の1998年、ランドクルーザーの80は、100へとフルモデルチェンジする。それと同時に輸出仕様のLX450は廃止され、新たにランドクルーザー100をベースにした「LX470」へとリニューアルされた。

一方、日本はバブル経済絶頂期を迎え、高級志向のクルマが注目された時代。しかし、レクサスブランドが日本で立ち上がったのは2005年。LX470を日本でアピールするすべがなかったのだ。そこでLX470をランドクルーザー100のプレミアムグレード「ランドクルーザー シグナス」として1998年12月に発売した。ランドクルーザー100とは異なるスタイリングとインテリア、そして秀でる静粛性など、「セルシオのオフロードカー」と言われるほど完成度の高いモデルだった。エンジンはランドクルーザー100と共通のV8「2UZ-FE型」(4663cc/235ps)を搭載。

ランクル100とは異なるオリジナルの4灯式ヘッドライトを採用
シグナスでまず目を引くのが、専用の4灯式ヘッドライトと、メッキグリルを統一したボンネットフードで築かれた存在感のあるフロントフェイスだ。専用設計の大型バンパーも相まって、レクサスブランドでもなく、ランドクルーザー100でもない、唯一の個性を持たせている。

高級本革をふんだんにあしらった内装は、ランドクルーザー100の上をいく。標準装備の本革シートは一見するとランドクルーザー100と同じものに見えるが、実はオリジナルデザインを採用している。さらにパネルやステアリングなど随所にウォールナット材があしらわれ、メモリー付きのステアリング調整や運転席パワーシート、ドアミラー、運転席&助手席のシートヒーターなど、乗員8名が快適に過ごせる優雅なスペースを実現している。

トヨタ初の夜間走行の視覚をサポートする「ナイトビュー」を設定
1999年には、VSC(横滑り機能)やアクティブTRC(タイヤの空転防止機能)の標準搭載で走行性能に磨をかけた。2002年には4速ATから5速ATに変更、速度に応じてステアリングの切れ角を調整する「VGRS」、トヨタ初の夜間走行の安全性能を向上させる「ナイトビュー」などをオプションで設定した。ナイトビューの技術は軍用技術を民間転用したもので、当時はキャデラックの一部モデルに採用されていた最新装備だった。快適装備では、アメリカの高級オーディオブランド「マークレビンソン」、2003年にはカーナビゲーションに「テレマティクスサービスG-BOOK」をラインナップするなど、完璧なパッケージを完成させている。

そんな最上級のSUVだが、足まわりを覗き込むとラダーフレームとリアのリジッド構造が見てとれる
。このスタイルは、現行型のランドクルーザー200とそれをベースにしたレクサスLX570にも採用されているが、実はランドクルーザー誕生時から継承されている旧式でスパルタンなレイアウトなのだ。だが、この構造こそハードに使用しても根を上げない高い耐久性を保持する所以であり、時代やスタイルが変わってもランドクルーザーのDNAが受け継がれている主要部といえる。そんなスタイルを持ちながらも、見た目やドライビングフィールからは微塵もハードさを感じることはない。この完璧な完成度からも、シグナスのクオリティの高さがうかがえる。

「ランドクルーザー シグナス」は、ランドクルーザーの確固たる強さと、オフロード4WD車の水準をはるかに超えたオンロード性能、そして当時の最新技術と快適性を獲得した「トップオブSUV」だった。(文:田尻朋美)

[ アルバム : ランドクルーザー シグナス はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

コラピントの2025年のF1参戦に向け「ウイリアムズは最善の体制を探っている」とマネージメント会社が言及
コラピントの2025年のF1参戦に向け「ウイリアムズは最善の体制を探っている」とマネージメント会社が言及
AUTOSPORT web
“低燃費”な新型「クーペSUV」発表!軽量ボディד独自ユニット”装備でめちゃ楽しそう!「映え内装」も超カッコイイ「アルカナ」の魅力とは?
“低燃費”な新型「クーペSUV」発表!軽量ボディד独自ユニット”装備でめちゃ楽しそう!「映え内装」も超カッコイイ「アルカナ」の魅力とは?
くるまのニュース
崖っぷちの英国自動車業界に「希望」がある理由 日本も無関係ではなかった
崖っぷちの英国自動車業界に「希望」がある理由 日本も無関係ではなかった
AUTOCAR JAPAN
2030年までに電気自動車だけにするのは到底ムリ! ベントレーが「ビヨンド100戦略」を見直し…2026年には初のBEVを投入予定
2030年までに電気自動車だけにするのは到底ムリ! ベントレーが「ビヨンド100戦略」を見直し…2026年には初のBEVを投入予定
Auto Messe Web
Moto3ソリダリティ予選|王者アロンソ、ぶっちぎりタイムでポールポジション獲得。日本勢は古里8番手が最上位
Moto3ソリダリティ予選|王者アロンソ、ぶっちぎりタイムでポールポジション獲得。日本勢は古里8番手が最上位
motorsport.com 日本版
日本仕様もまもなく刷新!? 独マツダがラージSUV「CX-60」の2025年モデルを発表!「課題の足回り」大幅改良 “格上の新グレード”も設定へ
日本仕様もまもなく刷新!? 独マツダがラージSUV「CX-60」の2025年モデルを発表!「課題の足回り」大幅改良 “格上の新グレード”も設定へ
VAGUE
傑作アニメが大いに影響「超絶オシャレなキッチンカー」の代名詞的存在とは? 所有者“ならでは”の苦労も
傑作アニメが大いに影響「超絶オシャレなキッチンカー」の代名詞的存在とは? 所有者“ならでは”の苦労も
乗りものニュース
『NDロードスター』に輝くチタンブルー! ブリッツのオールチタン製エキゾーストシステム「ニュルスペックF-Ti」がラインナップ追加
『NDロードスター』に輝くチタンブルー! ブリッツのオールチタン製エキゾーストシステム「ニュルスペックF-Ti」がラインナップ追加
レスポンス
バニャイヤ、逆転タイトルに向け勢い付けるポールポジション獲得! 引退戦エスパルガロ2番手|MotoGPソリダリティGP予選
バニャイヤ、逆転タイトルに向け勢い付けるポールポジション獲得! 引退戦エスパルガロ2番手|MotoGPソリダリティGP予選
motorsport.com 日本版
6速MTあり! 全長4.5m級“ちょうどいいサイズ”の「新型スポーツカー」が凄い! 480馬力“直6ツインターボ”×FRのみってサイコー! 新型「BMW M2」どんなモデル?
6速MTあり! 全長4.5m級“ちょうどいいサイズ”の「新型スポーツカー」が凄い! 480馬力“直6ツインターボ”×FRのみってサイコー! 新型「BMW M2」どんなモデル?
くるまのニュース
名付けて「ザ・直線番長」! 大排気量でツーリングもラク 気になる個性派「大型スポーツクルーザー」3選
名付けて「ザ・直線番長」! 大排気量でツーリングもラク 気になる個性派「大型スポーツクルーザー」3選
VAGUE
乗用車とはちょっと違う! 独自の進化を遂げるトラック用スタッドレスタイヤ
乗用車とはちょっと違う! 独自の進化を遂げるトラック用スタッドレスタイヤ
WEB CARTOP
東北初! トーヨータイヤ・ファンミーティング in 宮城が11月24日に開催
東北初! トーヨータイヤ・ファンミーティング in 宮城が11月24日に開催
レスポンス
11/23(土)THE MOTOR WEEKLY 放送予告!
11/23(土)THE MOTOR WEEKLY 放送予告!
Auto Prove
日本最後の「トロリーバス」いよいよ今月末に廃止…「本当に残念」「昔乗ったなあ」の声も!? “ほぼ電車”な激レア風景 立山でラストランイベントも
日本最後の「トロリーバス」いよいよ今月末に廃止…「本当に残念」「昔乗ったなあ」の声も!? “ほぼ電車”な激レア風景 立山でラストランイベントも
くるまのニュース
カワサキの名車「シェルパ」17年ぶり“新型”で復活! オフから高速まで使える「新・万能マシン」って最高!「ゆったりツーリング」に最適な新型「KLX230シェルパ」発売へ!
カワサキの名車「シェルパ」17年ぶり“新型”で復活! オフから高速まで使える「新・万能マシン」って最高!「ゆったりツーリング」に最適な新型「KLX230シェルパ」発売へ!
くるまのニュース
メルセデスAMG『GT』新たなエントリーモデルが登場、電動ターボ搭載で約1600万円から
メルセデスAMG『GT』新たなエントリーモデルが登場、電動ターボ搭載で約1600万円から
レスポンス
マカオGP予選レース:大雨で赤旗中断となったレースをマクラーレン育成ウゴチュク制す。日本人最上位はトムスの中村仁
マカオGP予選レース:大雨で赤旗中断となったレースをマクラーレン育成ウゴチュク制す。日本人最上位はトムスの中村仁
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

11件
  • その当時だけ、メルセデスのGやランドローバーのレンジローバーに比類されてたけど今に至っては、その面影は消え失せた。
  • カッコいいけど燃費極悪過ぎだったわ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

583.8636.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

143.0339.8万円

中古車を検索
ランドクルーザーシグナスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

583.8636.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

143.0339.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村