7月13日、インテルラゴス・サーキットでWEC世界耐久選手権2024年シーズン第5戦『ロレックス・サンパウロ6時間』の予選が行われ、小林可夢偉が乗り込んだ7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/可夢偉/ニック・デ・フリース組)が、姉妹車8号車トヨタを従えポールポジションを獲得した。
LMGT3クラスでは、アイアン・デイムスの85号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(サラ・ボビー/ミシェル・ガッティン/ラヘル・フレイ組)がポールを奪い、シーズン後半戦最初のレースを同カテゴリーの先頭からスタートする権利を得ている。
3月にカタールで開幕してから、先月フランスで行われたル・マン24時間レースで前半の4戦を終え、シーズン後半戦に移っている2024年のWEC。第5戦の舞台はブラジル伝統のトラック、インテルラゴス(正式名称:アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ)だ。同地でWECのシリーズ戦が開催されるのは2014年以来、10年ぶりとなっている。
金曜日に設定された2回のプラクティスと土曜のプラクティス3を経て迎えた予選は、曇り空の下で現地14時30分から、まずはLMGT3予選がスタート。ここでは初日のクラッシュにより今大会から撤退を決めた78号車レクサスを除く9メーカー計17台のGT3カーが、上位10台が進むハイパーポールを目指すこととなる。
12分間のセッションでは31号車BMWを駆るダレン・レオンが1分36秒252というターゲットタイムを設定する。これを1分35秒台のタイムで95号車マクラーレンが上回り、さらに55号車フェラーリや92号車ポルシェがトップタイムを更新していく。
後方で目まぐるしく順位が変わるなか、最終的には1分35秒299をマークした85号車ランボルギーニが予選トップ通過を決め、92号車ポルシェ、95号車マクラーレン、55号車フェラーリ、27号車アストンマーティン、81号車シボレー、59号車マクラーレン、54号車フェラーリ、91号車ポルシェ、31号車BMWがハイパーポールに駒を進めた。
一方、佐藤万璃音組95号車マクラーレン以外の日本勢はここで脱落となり、小泉洋史がドライブした82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)は13番手、777号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(Dステーション・レーシング)が14番手、木村武史が乗り込んだ87号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)は15番手から決勝に臨むことが決まった。
予選から8分間のインターバルをおいて開始されたLMGT3ハイパーポールは、トーマス・フローがドライブする54号車フェラーリが、セッション開始直後にターン4の出口でスピンを喫しストップしたため赤旗が提示される。
残り8分から再開されたセッションでは、59号車マクラーレンが1分35秒470をマークして暫定トップに。これを姉妹車95号車マクラーレンが1分34秒860で塗り替える。59号車もタイムアップし34秒台に入れるが逆転には至らず。マクラーレンがワン・ツーを築くなか、予選トップ通過のサラ・ボビーが各セクターベストを並べ1分34秒413というタイムをマーク。これで85号車ランボルギーニがトップに浮上する。直後92号車ポルシェが1分34秒804で2番手につけた。
これ以降上位に動きはなく、アイアン・デイムスの今季2度目のポールポジションが確定。92号車ポルシェの後方に2台のマクラーレンが続き、5番手にはもう一台のポルシェ91号車が入っている。
■首位から10番手まで0秒938
ハイパーカークラスの予選は定刻から3分おくれで開始された。こちらも12分間の予選で上位10台のハイパーポール進出車を決めるシュートアウト・セッションとなる。
7号車トヨタを先頭にコースインした19台のマシンのなかで真っ先にアタックに入ったのは、可夢偉がドライブする7号車で1分24秒524が最初のターゲットタイムとなった。これをセバスチャン・ブエミ駆る8号車トヨタが上回り、ポルシェ、キャデラック、フェラーリ勢も続いていく。
可夢偉は連続アタックで1分23秒426へとタイムを伸ばすが、直後にカラム・アイロットの12号車ポルシェがこれを上回ってトップに。さらに、3番手タイムを記録していた5号車ポルシェがタイムを更新し12号車を逆転。マット・キャンベルが記録した1分23秒263が予選セッションの最速タイムとなった。
ハイパーポール進出のボーダーラインでは、ライバルがミディアムタイヤでスタートするなか、ハードからミディアムに履き替えた20号車BMWが終盤に10番手に食い込み、直前までこの座にいた36号車アルピーヌをトップ10圏外に追い出している。その後20号車はさらにタイムを更新し8番手まで順位を上げてみせた。
ハイパーポールには、ポルシェの5号車、12号車、38号車、6号車とトヨタ7号車&8号車、フェラーリの51号車と50号車にキャデラック2号車とBMWの20号車を加えた計10台が進出。この最終予選でもトヨタ勢が最初にアタックに入り、可夢偉が1分23秒140のターゲットを設定する。
直後からライバルたちが1分23秒台のタイムで続々とフィニッシュラインを超えていくが、いずれも7号車のタイムを上回ることができない。さらに、アタックを遅らせ8番手にとどまっていたブエミの8号車が1分23秒262を記録し、1分23秒331というタイムで2番手につけていた5号車ポルシェを逆転。これでトヨタのワン・ツーとなった。
上位陣はここから動かずトヨタ、トヨタ、ポルシェのトップ3に。4番手に2号車キャデラックが入り、選手権リーダーのアンドレ・ロッテラー組6号車ポルシェが5番手。ル・マンウイナーの50号車フェラーリが6番手につけ、ハーツ・チーム・JOTAの12号車と38号車ポルシェが4列目に並んだ。9番手は51号車フェラーリでここまでが1分23秒台に入ったが、10番手となったBMWもトップの7号車の1秒以内につけている。
引き続き接戦が予想されるWEC第5戦サンパウロの決勝レースは、14日日曜の11時30分(日本時間23時30分)に6時間レースのスタートが切られる予定だ。
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