上海モーターショーでフォルクスワーゲン初のグローバルBEV、ID.7が発表された。 ID.シリーズ初のアッパーミドルクラスとなるID.7は、ベストセラーモデル、パサートのBEVバージョンとも言える。スペインの試乗会でその量産プロトタイプに試乗した。(Motor Magazine2023年7月号より)
プロとプロS、2種類のモデルを用意
フォルクスワーゲンは、2020年にドイツブランドとしてはID.3で初の量産BEV市場への進出を果たした。しかし、ID.3はいわばゴルフのBEVVバージョンゆえにその後、トレンドを追うようにティグアンサイズのクロスオーバーSUVのID.4やID.5、さらには中国向けのID.6と矢継ぎ早に新機種を導入した。その結果、ドイツ国内でのBEV新車販売台数を見るとフォルクスワーゲンはおよそ14%のシェアを得てドイツブランドの中では一位の座を確保している。
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しかし、世界的に見ると、いまだ24%近いシェアでテスラがトップの座を確保している。フォルクスワーゲンは、中国市場においてもテスラの後塵を拝しており、そろそろアッパークラスのID.シリーズが求められる時期である。もちろんフォルクスワーゲンの準備は周到で、18年にはパサートサイズのコンセプトモデルID.ヴィジョン、そして22年はその進化版となるアエロを公開している。
そして23年の上海モーターショーでその量産モデルID.7が誕生した。ID.7はこれまでどおりBEV専用のプラットフォームMEBを採用しているが、全長4961mm×全幅1862mm×全高1520mmとパサートよりも200mmも長く、かつてのトップモデル、フェートンを思わせる。
23年秋から発売予定のこのID.7にはプロとプロSの2種類のモデルが用意され、搭載されるバッテリーの容量は前者には77kWh、後者には86kWhが搭載され、最大航続距離はそれぞれ615kmと700kmに達する。また400Vのエレクトリックアーキテクチャーを持ち、充電時間は11kWのAC家庭充電で8時間15分、170kW(急速充電)では28分で、航続距離役300kmぶんの充電が可能だ。
電動サルーンに相応しい高級感と高い実用性
スペインで行われた試乗会に現れたのは量産プロトタイプで、最高出力は210kW(286ps)、最大トルクは545Nmを発生するベースモデルである。正式なダイナミック性能はまだ未発表だが0→100km/hはおよそ7秒以下、最高速度は180km/hと予想される。
ID.7プロのエクステリアデザインは、コンセプトモデルから受け継がれた非常にクリーンなサーフェスを持ったワンモーションラインで、空力特性はCd値が0.23と、このクラスのトップレベルに達している。ただしMEBベースゆえにID.7でも相変わらずデジタルサイドリアビューカメラは採用されていない。
すべてが人工リサイクル素材で構成されている、広く明るいキャビンの快適性はトップサルーンに相応しいもので、とくに「インテリジェントエアフロー」と名付けられたエアコンシステムでは温風と冷風はすべて自動的に制御され基本的にドライバーが操作する必要はない。必要であれば、中央のタッチスクリーンや音声で空気の流れを調整することができる。もちろん遠隔エアコン調整も可能でドライバーが近づくと季節に応じた温度調整がスタートする。
また、ソフトな人工素材を採用したハイテクシートは一般的なヒーター、クーラーではなく表面の水分センサーによって冷暖房が作動するアダプティブクライメートロニックも採用されている。まだ正式な発表はないが、この素晴らしいエアコンシステムは、およそ6万ユーロ(約900万円)の標準車両価格に含まれるという。
フロントにマクファーソンストラット、リアには5リンクのサスペンションがもたらす乗り心地はワイドなホイールベースの助けもあって快適そのもの。オプションの20インチタイヤでもスペインのオートルートを平和にクルーズする。ステアフィールは全体的に軽いが、路面からのフィードバックは常に感じられ、スポーツモードを選択しても十分に対応可能だ。
ID.7はドイツのエムデン工場で生産され、今秋から欧州を中心に発売が開始される。フォルクスワーゲンはこのアッパークラスBEVでとくにドイツ国内では法人需要を掘り起こしテスラの牙城を崩そうと狙っているようである。
ID.7の日本への輸入は現時点ではまだ発表されていない。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)
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