F1オランダGPは、振り返ってみればマクラーレンのランド・ノリスによる圧勝劇だった。2位に入ったレッドブルのマックス・フェルスタッペンとは約23秒差……レッドブルがワンツーフィニッシュを果たして、3位に入った他チームに25秒差をつけていた開幕戦から形勢は逆転した。
マクラーレンでチーム代表を務めるアンドレア・ステラは、大差での勝利を予想していなかったものの、ダブルタイトル獲得を狙うことも夢ではないと語った。
■角田裕毅オランダGPの結果に落胆。チームに戦略見直し要求「ピットタイミングが完全にミス……他車の後ろに閉じ込められ、何もできなかった」
今季は9戦を残す段階。コンストラクターズランキングでは、オランダGPでマクラーレンのオスカー・ピアストリが4位に入り、レッドブルのセルジオ・ペレスが6位となった関係もあり、2チームの差が30ポイントに接近した。一方でドライバーズランキングでは、首位フェルスタッペンから2番手ノリスまで70ポイント差という状況だ。
ノリスが今季のドライバーズタイトルを狙うのは難しいという声もある。しかし、2013年シーズンに当時レッドブルのセバスチャン・ベッテルが成し遂げた後半戦9戦9勝を再現することができる可能性はゼロではない、そう考える必要があるとステラ代表は言う。
「コンストラクターズタイトル争いでは、このレースの前から戦いが始まっていた。ドライバーズタイトル争いに関しては、可能性があるという事実に集中したかった」
ステラ代表はレース後、そう語った。
「2013年にベッテルがやったことを見て、同じことができるかもしれないとも話していた。なら、やってみない理由はないよね?」
「我々は集中し続ける必要がある。これは可能だと考える必要がある。パフォーマンスという観点からは、今回はとても勇気づけられると言える」
「同時に、ハンガリーがそうだったように、今回は我々のマシンにとても合っているサーキットで起きたことだ」
「ハンガリーの後でも、みんなは『毎レース、ワンツーになるだろう』と言っていた。でもそうじゃなかった。今のところ、サーキットに左右されているようだ。今回は、昨日も含めて予選のパフォーマンスも決勝のパフォーマンスも、そしてタイヤのデグラデーション(性能劣化)も予想以上だった」
マクラーレンはこのオランダGPで、5月のマイアミGP以来となる大型アップデートを投入した。ただステラ代表曰く、現状ではマクラーレンが全てのタイプのサーキットで最速というわけではないという。
そこでマクラーレンはレッドブル勢を打ち負かすべく、シーズン終了までにさらなるアップデートで戦闘力の強化を図るとステラ代表は語った。
今年の残る9戦でレッドブルが先行するレースがあると感じているか? それとも今は勢力図が変化していると思うか? と訊かれたステラ代表は次のように語った。
「相対的な競争力という点では、あまり分からない。こういったサーキットに来れば、我々はハイダウンフォースのロングコーナーなどで力強いパフォーマンスを発揮できると自信を持つことができる」
「仮にシルバーストンのような高速コーナーがあるサーキットに行けば、レッドブルはこういうレイアウトに強い。オーストリアでは予選で0.4秒差のアドバンテージを持っていたからね」
「でも今はアップデートのおかげで、レッドブルが潜在的に我々よりも速かった領域でも、より競争力を蓄えることができたと思う。簡単には分からないけどね」
「その点、ベルギーでは予選でインターミディエイトタイヤを履いていたため、ドライコンディションでどこが一番速いマシンを手にしているのかを見る機会を逃してしまった」
「しかし現在の状態のマシンでは、全てのレースで最速となるために必要なパフォーマンスという点では不十分かもしれないと我々は考えている」
「そのため、シーズン終了までにさらなるアップデートを実施する予定だ」
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