現行レギュレーションが導入された2022年から他を圧倒してきたレッドブル。2024年も序盤こそその攻勢を維持していたが、ここ数戦は苦しむ姿が見られた。
これについてライバルのメルセデスは、パフォーマンス向上を狙った最近のアップデートで、レッドブルが意図せずマシンを「ダウングレード」してしまったのではないかと指摘した。
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レッドブルはここ3戦中2戦で勝利を逃しており、エミリア・ロマーニャGPではマックス・フェルスタッペンが優勝したものの、レース終盤はマクラーレンのランド・ノリスに攻め立てられる展開となった。
レッドブルの今季マシンRB20の弱点として、高い縁石やバンプを乗り越えた際のマシン挙動が指摘されているが、メルセデスのテクニカルディレクターであるジェームス・アリソンは、それ以上に複雑な状況になっていると推測した。
アリソンは、レッドブルがエミリア・ロマーニャGPで持ち込んだ、新しいフロアとフロントウイングを含む大型アップデートパッケージが、実際には期待されたようなパフォーマンス改善をもたらさなかった可能性があり、それがレッドブルの苦境を説明できるかもしれないと語った。
レッドブルに対して感じていることについて、アリソンはカナダGPで次のように説明した。
「コーナリングスピードの幅が広がれば、また(RB20が)機能するようになるだろう。しかし彼らのアップデートはダウングレードだったようだ」
「だから、アップデートで本当に失敗していることを祈っているよ」
「(アップデートが機能しないと)状況は苦しくなる。ツールを信頼できなくなった瞬間、後戻りしなければならなくなり、時間を失うことになるからね。時間は最大の友だが、それを失うことは最悪の敵だ」
レッドブルが上位集団に飲み込まれるのを見て、メルセデスは活気づいているのかと尋ねられたアリソンは次のように答えた。
「このスポーツでは、みんな他人の不幸が大好きなんだ」
メルセデスはカナダGPで今季マシンW15にさらなるアップデートを投入。モナコGPではジョージ・ラッセルが新開発のフロントウイングをルイス・ハミルトンより先に試した。
チームはフロントサスペンション形状の変更を含むアップデートによって、高速コーナーだけでなく低速コーナーでもマシンパフォーマンスが向上することを期待している。
アリソンはマシンの進歩を実感しつつも、レッドブルにフェラーリやマクラーレンといったチームが接近している状況から冷静さを保っている。
「正直に言うと、そういう大局的な見方はしていない」とアリソンは言う。
「ただ、2レース前よりはいくらか良くなっていると思う」
「上手くいけば、2~3レース後にはもっと良くなっているはずだ」
「開幕当初は本当に恥ずかしくなるようなひどい状態だったのが、今は(優勝)戦いに近いところまできている。あと少しで、混戦の中に入れるはずだ」
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