ドイツ・アイフェルのニュルブルクリンク・北コース”ノルドシュライフェ“で開催されている伝統の24時間レース。このビッグイベントに、ドイツ人F1ドライバーのニコ・ヒュルケンベルグが訪問した。
現在ハースからF1に参戦しているヒュルケンベルグは、来季はゆくゆくアウディワークスチームとなるザウバーへと移籍するが、F1キャリアを終えた後はこのニュルブルクリンク24時間レースへ参戦する可能性もあり得ると示唆した。
■フェルスタッペン、ヒュルケンベルグのアウディ/ザウバー入りを祝う「不運もあったけど、彼は素晴らしいドライバー」
「僕はラベノールの招待でここにいるんだ」
モナコGPとカナダGPの合間を縫って母国に戻ってきたヒュルケンベルグはそう語った。
ラベノールは2024年ニュルブルクリンク24時間レースのメインスポンサーを務める潤滑油メーカー。現在F1では、ビザ・キャッシュアップRBのチームスポンサーを務めている。
「ここの雰囲気を逃したくはなかったんだ」とヒュルケンベルグは続けた。
「このグリッドで起こっていることは印象的だ。信じられないような雰囲気だよ」
ニュルブルクリンク24時間レースでは、スターティンググリッドが観客に開放される。大勢の観客でマシンの姿は見えなくなり、その光景はレース後にファンがコースになだれ込むF1イタリアGPの舞台モンツァを彷彿とさせるのだ。
ヒュルケンベルグ曰く、彼はF1レギュラーシートから離れていた2020年から2022年の間、ポルシェで“グリーン・ヘル”ことノルドシュライフェを走ったことがあったという。
「ノルドシュライフェは、休暇中にプライベートで走ったことがあるだけなんだけど、僕はこのサーキットが大好きだよ。世界で最もチャレンジングで難しいコースのひとつだ」
そんなノルドシュライフェで繰り広げられる24時間レースは、最も過酷なモータースポーツイベントのひとつと言われる。ヒュルケンベルグも「昼夜を問わず、どんな天候でもここでバトルを繰り広げるドライバーたちを心から尊敬している」と語った。
日頃ヒュルケンベルグは、夜でも昼間のように明るいグランプリサーキットでレースをしているが、過去にはもうひとつの24時間レースで優勝を果たした経歴を持つ。
ヒュルケンベルグは2015年、F1カレンダーの合間にポルシェから世界耐久選手権(WEC)旧LMP1クラスにスポット参戦。ル・マン24時間レースでは、アール・バンバー、ニック・タンディとトリオを組んで919ハイブリッドを駆り、総合優勝を果たした。
またヒュルケンベルグは既にGT3マシンにも乗っており、F1休暇中にはランボルギーニのウラカンGT3でテスト。ただこの時は、セルジオ・ペレス(現レッドブル)の代役としてフォースインディア(現アストンマーティン)からイギリスGPへ急遽参戦することとなったため、2020年ADAC GTマスターズへの出場は叶わなかった。
そんなヒュルケンベルグ。ニュルブルクリンク24時間レースへの出場は選択肢に含まれているのだろうか? この質問に対して彼は「決してありえないとは言えないよ」と答えて次のように続けた。
「将来、F1の物語が終わった時、僕にとっても可能性はあると思う」
いずれにせよ、ヒュルケンベルグには大きなバックアップがいる。ラベノール・モータースポーツのマネージングディレクターであるマーティン・フニングは「彼がノルドシュライフェを制覇したいと望むなら、私はいつでもサポートするつもりだ」と語っており、ヒュルケンベルグのニュルブルクリンク24時間レース挑戦を支えるはずだ。
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