ポルシェのワークスドライバーであるケビン・エストーレは、所属するポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)がライバルメーカーであるトヨタやフェラーリに対しマシンのペースで及ばないものの、自身を含む6号車ポルシェ963のトリオがシーズンを通して一貫性を保っているために、WEC世界耐久選手権のドライバーズランキングで首位に立ち続けていると考えている。
このフランス人ドライバーとチームを組むローレンス・ファントールとアンドレ・ロッテラーは今週末、113ポイントで並ぶ7号車トヨタGR010ハイブリッドの小林可夢偉/ニック・デ・フリース組(マイク・コンウェイはル・マンを欠場したため権利がない)、50号車フェラーリ499Pを駆るアントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン組を12ポイントリードした状態で、2024年シーズンの終わりから2番目のラウンドとなる『富士6時間耐久レース』に臨む。
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3月に中東で行われた開幕戦『カタール1812km』を制して以来、6号車のトリオはチャンピオンシップをリードしてきたが、トヨタとフェラーリが優勝争いを繰り広げたテキサスでのレースの後、そのポイント差は小さくなっている。
エストーレは9月15日(日)に決勝が行われる第7戦富士と、獲得ポイントが1.5倍に増加する最終戦バーレーン8時間レースが残っているため、自分たちがシリーズチャンピオンに輝くチャンスは「厳しくなる」と考えている。
「彼らは非常に強く、打ち負かすのが難しいことは明らかだ」とエストーレはSportscar365に語った。「この1年、彼らはずっとそうだった。僕たちが彼らよりも速かったのは1回だけ。カタールが唯一のレースだった」
「他のどのレースでも僕たちはせいぜい2番目か3番目だった」
「僕たちが今もランキングのトップにいるのは、クルマのペースが優れていたのではなく、自分たちに一貫性があったからだ。平均ラップタイムなどを見れば、それは誰の目にも明らかだ」
「例によって、トヨタは(第5戦)サンパウロでとても強かった。僕たちはそこで少しの運に恵まれ、良いレースをして、非常に良い結果を出すことができた。しかしペースの面ではトヨタに及ばなかった。(第6戦)オースティンでも彼らは速かったし、フェラーリもそうだった」
エストーレは、「パフォーマンスの面では、本当に(第2戦)イモラ以来、ずっと劣勢に回っている」と付け加えた。
「ル・マンを含むほとんどすべてのレースで、本当に僕たちは彼らより遅かった。我々はライバルたちよりも良いレースをしているので、平均してより多くのポイントを獲得しているだけだ」
「ほとんどの場合、彼らは運が悪かったり、ミスをしたりする。それに比べて僕たちはミスが少ない傾向にあるという話だ」
「まだレースがふたつある。富士でのレースは僕たちにとって良いレースになると思う」
「しかし、トヨタはここで過去10レースのうち9レースを勝っている。だから今回も厳しい戦いになるだろうが、諦めずに全力を尽くすつもりだ」
ポルシェ963で2年目のシーズンを戦っている6号車のクルーは、1年前のWEC富士でレースの3分の2をリードし、最終的に3位でフィニッシュした。エストーレはこのパフォーマンスが2024年のキャンペーンを始動させる助けになったと考えている。
「2023年のレースは間違いなく(963によるWECの初年度で)最高の戦いだったし、セットアップやクルマの理解を深めるためのスタートにもなった。僕たちそれを基盤に努力を積み重ねてきた」と彼は述べた。
「セットアップは一年を通して少し進化しているが、昨年からのベースラインは非常に良いと思う。事前にテストをせず、ベースのセットアップが『大丈夫だ』という確信を持たずに到着したレースはこれが初めてだ」
「昨年のレースのフィーリング、昨年のバランス、そして今年の進化を考えると、自信を持ってここに来ることができたと思う」
「一方、オースティンははるかに困難だった。インテルラゴスも難しかった。フィーリングの面でも自信の面でもね」
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