フォーミュラE第7戦ベルリンePrixを3位で終えたマキシミリアン・ギュンター(マセラティ)は、これまで困難なレースが続いていただけに、気持ちが軽くなったと語った。
開幕前のプレシーズンテストではトップタイムを連発していたギュンターだが、シーズン開幕後は苦しいレースが続き、これまでポイント獲得も出来ていなかった。
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「もちろん、ホームの観客の前で表彰台に立つのは素晴らしいよ」と、ギュンターは『Motorsport-Total.com』に語った。
「これは僕にとって特別なことで、とても誇らしいことでもある。マセラティにとって初めてのフォーミュラEの表彰台を獲得できたことも、とても大きなことだ」
「このレースの後、みんなの気持ちが軽くなったよ」
とはいえ、ギュンターの表彰台獲得までの道のりはかなり険しいものだった。ベルリンePrixは前戦サンパウロと同様、スリップストリームを使ってエネルギーを節約することが重要なレースとなったからだ。
そのためドライバーたちはレース後半に向けてポジション取りに奔走。ギュンターは一時トップに立った一方、9番手付近まで後退する瞬間もあった。
「その時、早くポジションを上げなければ、隊列から離されてしまうかもしれないと思った。エネルギーマネジメントという点では、非常に繊細だった」とギュンターは言う。
ギュンターは周囲のライバルよりもエネルギー残量が少ない状態が続いたが、レース終盤に2台のジャガーとセバスチャン・ブエミ(エンヴィジョン・レーシング)の後ろでエネルギーを節約し、レースの最終局面に向けて状況を整えることができた。
4番手でファイナルラップを迎えたギュンターの前では、サム・バード(ジャガー)とブエミが2位争いを繰り広げていた。そしてギュンターは、その争いに敗れたブエミを最終コーナーで攻略にかかった。
「僕たちはみんな、同じようなエネルギー残量で走っていた。それは事前にチームから聞いていた。だからもし僕らの前にいる人たちが激しく争っていたら、彼らは厳しくなるだろうと思ったんだ」
「できるだけ(前のクルマの)リヤに近づこうとしたんだ。セブ(ブエミの愛称)はターン10の手前でインサイドを守っていたが、そのとき彼はエネルギーの面で本当に限界にきているのではないかと感じたんだ」
ブエミがブレーキングゾーンでガクッと減速した一方、エネルギー残量に少し余裕があったギュンターが前に。しかしブエミがギュンターに軽く接触する形になり、2台が横並びで最後のストレートに向けて立ち上がっていった。
「僕たちはコーナーをサイド・バイ・サイドで抜けて、ゴールまではちょっとしたドラッグレースのようだった」
「僕の方が前にいたと思うけど、彼の方が距離が短いラインだった。それが彼に有利に働いたけど、僕の方が少しエネルギーが多かった。もちろんエネルギーは尽きてしまったけど、彼のほうが一足早く使い果たしてしまったんだ」
ギュンターは、仮に4位に終わっていたとしても喜んでいたのではないかと語った。
「正直なところ、今日はポイント獲得が最優先だった」
「それがチームにとってどれだけ意味があるのか、どれだけ重要か分かっていたんだ」
「もちろん僕はレーシングドライバーだからチャンスを待っていたし、それをモノにした。だから3位でもっと嬉しいよ。でも全体的には良い結果を得ることだけが重要だった」
「シーズンのスタートが簡単でなかったことは、誰もが外から見て分かっていた。僕たちは常に正しい方向に進んでいることを強調してきたが、ポイントを獲得できなければ、その言葉も必ずしも信用できるものではないかもしれない」
「でも、僕たちはそれを信じていたし、今日はそれに報いることができた日だった」
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