アメリカのバイク乗りたちの間で根強い人気があるダートトラックは、1920年代から行なわれている伝統的なレースです。楕円のコースを左回りに周回して順位を競いますが、右コーナーとジャンプのある「TT」というレースも選手権には組み込まれています。
競技人口も多く、どんなに小さな町にもフラットトラックのコースがあると言われているほどアメリカでは浸透していて、週末になればローカルレースも開かれます。筆者(青木タカオ)も見に行ったことがありますが、地元のおじいちゃんやおばあちゃんも応援し、日本で言うところの草野球みたいな雰囲気です。アメリカンレーシングの根底に、フラットトラックがあることが分かります。
【画像】インディアンモーターサイクル「FTR S」(2022年型)をもっと見る(18枚)
その全米選手権(American Flat Track)への注目度はひときわ高く、フロリダ州デイトナで3月に幕開けした2022年シーズンは全19戦が行なわれ、そのうち8戦はダブルヘッダー。そこでマニュファクチャラーズ・チャンピオンシップ6連覇を達成したのが、「インディアンモーターサイクル」(以下、インディアン)です。スーパーツインズクラスで「FTR750」を駆るジャレッド・ミーズ選手が、通算8度目のチャンピオンに輝きました。
フラットトラックレーサー、インディアン「FTR750」の血統を受け継ぐ公道向けモデルが「FTR1200」シリーズです。スチール製トレリスフレームに、バンク角60度の水冷VツインDOHC4バルブエンジンを搭載します。
「FTR750」のパワーユニットは53度Vツイン、フレームもダブルクレードル式ですから、「FTR1200」はいわゆる「レーサーレプリカ」ではありません。ただし、トラクション性能に優れるエンジン、俊敏なハンドリングはそのネーミングに相応しいもので、前後ホイールサイズを17インチ化し、ロードモデルへのキャラクターをより強めた「FTR S」(2022年型)は、よりスポーティな走りが味わえます。
「FTR S」のシート高は780mmで、身長175cmの筆者の場合、片足立ちならカカトまで地面にベッタリ。足つき性は良好と言えるでしょう。
アップハンドルのグリップ位置は高く、視線も高く疲れにくいアップライトな乗車姿勢です。上半身がわずかに前傾し、少しだけ後方に配置されたステップのおかげで、ネイキッドスポーツ然としたライディングポジションとなっています。
排気量1203ccのエンジンはボア×ストロークを102mm×73.7mmとし、最大トルク120Nmを6000rpmで発揮します。中高回転でパワフルかつレスポンス良く回り、レイン、スタンダード、スポーツの3種を設定するライドモードでスポーツを選べば、ひときわピックアップとダッシュが鋭いものになります。
それでいて、低回転域を使ってゆったりと走らせることも許容し、巡航も苦手にしません。クルーズコントロールも装備し、高速道路を使った長距離移動もこなしてくれます。
電子制御も充実し、リーンアングルに対応したコーナリングABSをはじめ、スタビリティーコントロールやトラクションコントロール、ウィリーコントロールなどを4.3インチのタッチスクリーンで操作できます。
ZF Sachs製の前後サスペンションはフルアジャスタブル式ですし、ブレンボ製のブレーキシステムもフロントは4ピストンラジアルマウントキャリパー+大径320mmローターと申し分のない装備内容です。
テールエンドを大胆にカットした軽快な車体に、右2本出しマフラーが跳ね上げられてセットされ、見た目もじつにスタイリッシュにまとまっています。
アメリカンレーシングの匂いをプンプン漂わせつつ、洗練された外観で走りもスポーティ。同じ米国ブランドであるハーレーももちろんですが、欧州勢のハイパフォーマンスモデルたちもライバルとなってくるのではないでしょうか。
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