フォーミュラE第15戦ロンドンePrixの決勝レースが行なわれ、ミッチ・エバンス(ジャガー)が優勝。2位となったジェイク・デニス(アンドレッティ)がワールドチャンピオン獲得を決めた。
今季残るはダブルヘッダーの2レースのみ。決戦の舞台は、インドアセクションが特徴的なロンドンのエクセル展覧会センターに設けられた特設コースだ。
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ポールシッターはランキング2番手のニック・キャシディ(エンヴィジョン・レーシング)。2番手には、前戦ローマでリードを広げたポイントリーダーのデニスが続いた。
36周のレースがスタートすると、3番グリッドのセバスチャン・ブエミ(エンヴィジョン・レーシング)が好スタートでデニスの前にマシンをねじ込み、2番手に浮上。タイトル獲得の権利を残すキャシディを援護する上で、最高のポジションにつけた。
ブエミがデニス以下を抑える中、ギャップを広げたキャシディは悠々トップを維持したまま2度のアタックモードを早々に消化。一方、デニスはタイトル獲得の権利を残すミッチ・エバンス(ジャガー)にも抜かれる厳しい展開だ。
エンヴィジョンはブエミにもアタックモードを消化させようとしたのか、キャシディとブエミのポジションを入れ替えるが、この機を逃さずエバンスがキャシディをパスし2番手に浮上した。その後ブエミがアタックモードを使ったことで、エバンスが首位に。2番手ブエミ、3番手キャシディという並びになった。
デニスはアタックモードの起動に失敗するミスがあったものの、キャシディのインにマシンをねじ込んだ。2台の加速が鈍った隙にレネ・ラスト(マクラーレン)が2台をパスしたが、デニスは最大のライバルの前に出ることができた。
しかし、キャシディがデニスにやり返すようにオーバーテイクを仕掛けると、ブエミがデニスの前を塞ぐようにドライブ。チームプレイでキャシディがデニスを抜き返すことができた。
だが再びエンヴィジョンのチームプレイに綻びが生じた。キャシディがブエミの前に出ようと並びかけるが、意思疎通が出来ていなかったのかブエミがキャシディのフロントウイングを踏んでしまう。これでキャシディはスローダウン。緊急ピットインでウイングを交換せざるを得なくなった。結局キャシディはリタイア。これでタイトル獲得は絶望的となった。
最大のライバルがいなくなったデニスだが、同じポルシェのパワートレインを使い、ギリギリタイトル獲得の権利を残すパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)に激しい攻撃を仕掛けられ、無線で怒りを爆発させた。
29周目、日産のサッシャ・フェネストラズが他車と接触し、そのままタイヤバリアに突き刺さってしまったことでセーフティカー出動。その後、バリア修復のために赤旗が掲示された。
リスタート時の隊列は首位エバンス以下、ブエミ、ラスト、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)、デニスというトップ5だ。
33周目からレース再開となると、アタックモードの使用義務を残すエバンスとブエミは早速アタックモードを起動。2分のアタックモードを使ったエバンスが首位を維持したのに対し、ブエミは4番手に後退した。
フィニッシュまでに6分のアタックモードを使い切らなければペナルティ対象となってしまうブエミは露骨にペースダウン。後続を抑えにかかった。
しかしこのブエミの戦略が大クラッシュを招いてしまう。ターン19でオーバーテイクを仕掛けたノーマン・ナトー(日産)と接触し、2台がコースを塞ぐような形となってしまい、後続のマシンも玉突きクラッシュ。4番手以下のマシンが全車このコーナーで立ち往生する事態となった。
これにより2度目の赤旗。傷だらけのマシンがピットレーンに戻り、隊列を整えると、アディショナルラップを加えた残り2周でレースは再開された。その後は大きな事故も発生せず、無事にチェッカー。エバンスが優勝を飾った。
2番手でチェッカーを受けたダ・コスタには、タイヤ内圧の技術規定違反で3分のタイムペナルティが土壇場で科され、2位に繰り上がったデニスが波乱のレースを生き残って今シーズンのチャンピオン獲得を決めた。3位にはブエミが入っている。
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