新型フライングスパーにも間もなく導入
ベントレーは2020年4月30日に、カーボンファイバーを用いた新たなパッケージオプション「スタイリング スペシフィケーション」を設定すると発表した。
ベントレー、カーボンで武装した「スタイリング スペシフィケーション」を新設定
コンチネンタル GT、コンチネンタル GT コンバーチブル、およびベンテイガへ新設定する「スタイリング スペシフィケーション」はスポーティさを際立たせるパッケージオプション。おって新型フライングスパーにも追加導入するという。
ベントレーバッジも特別に開発
ハイグロス仕上げの2×2ツイル織り(綾織り)カーボンファイバーで仕立てたフロントスプリッターとサイドシル、リヤディフューザー、トランクリッドスポイラーを装備する。電鋳で表面処理を施したベントレー3Dバッジも特別に開発された。
さらに、ベンテイガにはハイグロスカーボンファイバー製のバイプレーン(複葉)デザインのスポイラーおよびリヤスクリーンストレーキ(整流板)も装着。同素材仕立てのフロントエアブレード、ウイングベント、ミラーキャップをオプションで追加することもできる。
織り柄ひとつにさえこだわったカーボンパーツ
室内のウッドパネルに見られるブックマッチよろしく、カーボンファイバー製のエクステリアパーツもシンメトリカルなビジュアルを徹底。2×2の綾織り柄はすべての構成部品で同じ方向になっており、統一感のあるデザインとなっている。
サイドスカートには電鋳処理した立体的なベントレーバッジを配置。宝石のようなファセットカット(切子面)を施している。コート剤にはラッカーを使用しているが、もちろん気泡の類は一切見られない。
外観品質のみならず機能品質もベントレー基準
外観をスポーティに「見せる」だけでなく、それぞれのカーボンファイバーは幾層も重ねた構造を取り、最適な強度と耐久性を確保しながら重量を最小限に制限。コンポーネントごとに設計、開発、テスト、製造承認という厳格なプロセスを経ており、新型車開発と同等の品質・性能を確保している。
コンチネンタル GTファミリーとベンテイガの空力性能をより高めるため、数値流体力学(CFD)、ソフトウェアを活用。前後リフト量や全体の抗力など、空力性能試験を重ねて作り上げた。パワートレインやブレーキの冷却、騒音・振動・ハーシュネス(NVH)に対する影響もシミュレーション。電気的テストも実施し、センサーやレーダーシステム、車載通信やエンタテインメント機器用アンテナに至るまで、カーボンファイバー製パーツが車両システムに与える影響を最小限に留めたという。
生産ラインに至るまで貫く厳格な姿勢
バーチャルテストにくわえ、もちろん物理的なプロトタイプを使った風洞試験やテストコース走行も実施。最高速度までのあらゆる走行条件下で安定性やフィーリング、加速・制動時の性能評価を行っている。
さらに、10万kmの車両総合試験を含めた耐久性プログラムをはじめ、渡河性能、縁石への衝突、悪路走行性などの過酷なテストも敢行。品質を徹底するべく、ラボラトリー内でも振動や熱循環、点荷重、衝撃などの過酷な試験を通して最終的な性能を評価した。
開発作業を終えても、製造工程でさらなるテストが待っている。ベントレーに求められる厳しい要件を満たすべく、一貫した製造公差が得られるまで試作を繰り返していく。製造精度の評価には、ベントレーが誇る先進の3Dスキャンも活用している。
ハイパフォーマンスマシンを手掛けたエンジニアが開発を担当
「スタイリング スペシフィケーション」を構成するすべてのパーツは、先代のコンチネンタル GT(GT3-R、スーパースポーツモデル含む)やパイクスピーク、アイスレース用コンチネンタル GTで用いられたカーボンファイバー部品を担当したエンジニアリングチームが開発した。
「スタイリング スペシフィケーション」は新車購入時に選択できるのはもちろん、ベントレー正規販売店を通じてオーダーすることも可能。日本への導入時期、および価格は現時点では不明だ。
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