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コロナ禍でも青天井? 高騰が続くブガッティのヒストリックカー

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コロナ禍でも青天井? 高騰が続くブガッティのヒストリックカー

ブガッティのワークスドライバーたちがそのステアリングを握った「タイプ59スポーツ」は、約13億2000万円で落札!

ブガッティ・オートモビルズはこのほど、2020年に開催された国際的なオークションで5台のヒストリックモデルが出品され、落札額の記録を更新したことを発表した。

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ブガッティのヒストリックモデルは、年々市場での価値を高めている。国際的にクラシックカー市場を分析している専門会社「クラシック・アナリティクス」によれば、創業者エットーレと彼の長男ジャンの時代のブガッティ車は、レースでの歴史もあり常に高価なクラシックカーとして認知されており、戦前のモデルへの関心が全般的に低下しているにもかかわらず、人気は増加傾向にあるという。

同社のフランク・ウィルケは次のように述べている。
「現在オークションは対面からオンラインに変化しているのですが、高級クラシックカーの価格は高水準で安定しています。とりわけ歴史的なブガッティ車はユニークで、1920から193年代の終わりまでに製造されたモデルは、パフォーマンスとデザインの両面において高水準です。今年開催されたオークションで出品された車両は、歴史と独創性の点で特に優れていました」

国際的なオークションを開催している「グッディング」や「ボナムズ」などで、昨年出品された5台のモデルを見てみよう。

ブガッティ・タイプ59スポーツ

シャシーナンバー57248のタイプ59スポーツは、昨年9月にロンドンで開催されたグッディングのオークションにおいて、1268.1万ドル(約13億2000万円)で落札。ブガッティ車として最も高価な値段がつけられた。

このタイプ59スポーツは、ブガッティGPファクトリーチームのレーシングマシンとして製造され、スパ・フランコルシャンで開催されたベルギーGPを制し、後のモナコGPで3位を獲得している。これまでこのモデルのステアリングを握ったのは、ロベール・ブノワ、ルイ・シロン、ルネ・ドレフス、アキーレ・ヴァルツィ、ジャン・ピエール・ウィミーユなど、多くの成功を収めたブガッティ・レーシングドライバーの面々。

レースでの成功の後、このモデルはスポーツカーに改造され、1937年にベルギーのレオポルド王(3世)が購入した。この個体は現在もオリジナルのままで、約250psを発揮する3.3L直列8気筒スーパーチャージドエンジンを搭載している。なお、1936年まで製造されたタイプ59の中には、最高出力が380psに高められたバリエーションもあった。

ブガッティ・タイプ57Sアタランテ

1937年のタイプ57Sアタランテは、グッディングのオークションにおいて1044万ユーロ(約13億2000万円)で落札。

シャシーナンバー57502のこの個体は、1937年に英国のレーシングドライバーでブガッティ愛好家のアール・ハウエ氏によって購入されたもので、ジャン・ブガッティが当時センセーショナルだったアタランテボディを装着したわずか17台のうちの1台。175psを発揮する3.3L直列8気筒ターボエンジンを搭載している。

ブガッティ・タイプ55スーパースポーツロードスター

ジャン・ブガッティによって設計されたタイプ55スーパースポーツロードスター(1932年/シャシーナンバー55220)は、昨年3月に開催されたボナムズのアメリアアイランドオークションに出品。710万ドル(約7億5000万円)で落札された。

ブガッティは1935年までに、このモデルを38台製造。第3代ロスチャイルド男爵のヴィクター・ロスチャイルドはシャシーナンバー55220の個体を新車で購入し、何十年にもわたって保管していたが、1985年にボストンのディーンS.エドモンズJr.教授が44万ポンド(当時のレートで約1億2700万円)で譲り受け、当時英国で販売された中で最も高価なクルマとなった。1993年にはペブルビーチ・コンクールデレガンスでクラス優勝を果たしている。

ブガッティ・タイプ35C

1928年から製造されたタイプ35Cは、グッディングがロンドンで開催したオークションで、523万ドル(約5億5000万円)で落札。タイプ35Cには、125psを発する2L直列8気筒スーパーチャージドエンジンが搭載され、今から90年以上前に造られたにもかかわらず、最高速は200km/h以上をマークした。

シャシーナンバー4871のこの個体は、もともと1928年開催されたタルガ・フローリオに参戦するために造られたもの。最初の個人所有者はフランスのレーシングドライバー、ジャニーン・ジェンキーで、仏ディジョンで開催されたクーペ・ド・ブルゴーニュで総合優勝した。

製造から90年以上が経過しているこの個体は、1932年以降、4名の所有者のもとをわたったが、車体はオリジナルままである。

ブガッティ・タイプ55スーパースポーツ

シャシーナンバー55221のタイプ55スーパースポーツは、昨年2月にパリで開催されたオークションで、507万ドル(約5億3000万円)で落札された。これにより「レトロモビル」のオークションにかけられたなかで最も高価なクルマとなった。




この個体は傑出していて、モナコ出身のレーサー、ルイ・シロン(現行車のシロンは彼の名から採られた)のドライブによって、1932年のル・マン24時間レースにファクトリーレーシングカーとして参戦したものだ。後の所有者はユニークなフィゴーニボディを装着し、60年以上そのままの状態で保管された。約160psを発する2.3L 8気筒ターボエンジンを搭載する。

2020年にオークションにかけられたこれらのモデルの落札額の高さは、ブガッティのクラシックモデルが史上最も価値のあるクルマとみなされた証である。

1936年から1938年の間に、「タイプ57 SCアトランティック」が4台生産されたが、そのうちの3台は80年以上経たいまも存在している。残りの1台は行方不明となっているが、もし見つかった場合、その価値は非常に高いものになるとみられている。

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