メルセデス・ベンツのEVブランド「EQ」の第2弾となるEQAが、日本導入を開始した。人気のSUVタイプのEVとはいえ、先行導入限定車「EQA 250 エディション1」は、たった5日で限定50台の予約が埋まるなど注目度の高さを伺わせる。
そんな新型EQAは、第一弾のEQCと比べ、サイズも価格もコンパクトとなっていることも注目される理由のひとつだろう。メルセデスが送り出した新EV、EQAとは、どんなクルマなのだろうか。
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文/大音安弘 写真/ Mercedes-Benz
【画像ギャラリー】普及型ベンツEVとなるか!? メルセデスEQA
■ベンツEV第2弾はコンパクトSUVに
メルセデス・ベンツ日本は、2021年4月26日、メルセデス・ベンツのEV「メルセデスEQ」シリーズの第2弾となるコンパクトSUV「EQA」を発表し、同日より販売を開始した。モノグレード「EQA 250」のみとなり、価格は640万円となる。
メルセデス・ベンツの新EV「EQA」が日本上陸。人気の高いコンパクトSUVデザインを採用する
ジャーマン3を中心に、日本の輸入車市場で話題となっているのが、EVの存在だ。
メルセデス・ベンツも、2019年に第一弾となるEV「EQC」の導入を開始している。EQCは、全長4770mmのゆとりあるキャビンと2モーター4WDシステムによる力強い走りが特徴であるが、最新仕様でも895万円と高価だ。
それに対して新EV「EQA」は、メルセデスの普及型EVともいえる存在で、使いやすいサイズとより現実的な価格などの多くの武器を備える。
■個性的なEQデザイン
パッケージングは、メルセデス・ベンツの小型SUV「GLA」譲りのもの。ボディサイズも同等クラスとなり、全長4465mm×全幅1835mm×全高1625mm(標準車)と、街中でも扱いやすいサイズに留めている。
ただデザインでは、EVであることを示すべく、EQ専用の前後マスクを採用。フロント部は、特徴的なブラックパネルグリルと、その上部に光ファイバーを水平に配置することで、LEDヘッドライトの備えるデイライトと一体化させ、昼夜を問わず、EQAの存在を主張する。
リアスタイルもフロント同様、センターガーニッシュ内部にもライトを内蔵することで、水平基調のランプデザインを実現。さらに左右のLEDテールランプとガーニッシュのデザインを一体化させたクサビ型デザインとしているのも大きな特徴となっている。
フロント以上に個性的!? リアテールランプは、水平基調のデザインとしながらも、それぞれランプデザインが独立しているのも面白い
■GLA感覚で扱えるインテリア
インテリアは、同クラスとなるGLAのデザインとほぼ同じなので、必要充分のスペースを確保。コクピット周りのデザインは、共通性が高いものの、64色のアンビエントライトとバックライト付きスパイラル調インテリアトリムを連動させることで未来感ある空間を演出する。
アンビエントライトが演出する華やかなコクピットが未来的
ラゲッジスペースは、EVシステムの影響で、GLAと比べるとわずかに減少。しかしながら、標準時340L~最大1320Lを確保。利便性を高めるべく、リアシートには3分割可倒式機能を標準化。また標準状態でも積み方によりゴルフバッグ2個を収めることができるようだ。
標準で340Lとなるラゲッジスペース。日常利用なら問題ないサイズだろう
■なんと航続距離はEQC越え!
EVシステムについて解説すると、EQAは、前輪側に電気モーターを搭載する前輪駆動車になる。その電気モーターの性能は、最高出力190ps、最大トルク370Nmとなかなか力強いもの。
これに66.5kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを組み合わせることで、航続距離422km(WLTCモード)を実現。なんとEQC 400 4マチックの400km(WLTCモード)を上回る。持ち前の小さいサイズと前輪駆動車による軽さを活かし、実用性を高めている。
EQAのパワートレーンは、前輪側に電気モーター、フロア下に駆動用バッテリーを備えるもの
充電については、6kWまでの200V普通充電と100kWまでの急速充電に対応。6kWの普通充電器の場合は、約11時間で満充電に。50kWの急速充電の利用では、約1.3時間で約80%までの充電が可能となる。
■EVならではのサポートも……
メルセデス・ベンツ日本では、初めてのEVの保有を検討する顧客の不安を一掃するサービスプログラム「mercedes me charge」を提供。
代表的な取り組みを紹介すると、保険料、税金、メンテンス費用などを含めた月々定額のサブスクリプションサービス「メルセデス・スタイル」、5年10万kmの新車保証及び定期メンテナンスや24時間対応のサポートを含む「EQケア」、EQケア期間中に希望のメルセデス・ベンツを5回無料でレンタルできる「シェアカープラス」、1年間の提携充電器の無料利用などが用意されている。
EQA 250は、640万円と高価だが、5年10万km保証とメンテナンス、先進の安全運転支援機能「レーダーパッケージ」、前席パワーシート及びシートヒーター、インフォテイメントシステム「MBUX」など基本装備が充実。
これ以外の必須アイテムは、ナビゲーションパッケージに加え、ETC車載器やフロアマットくらいであることを考慮すると、かなり戦略的な価格といえる。
またCEV補助金に関しては、現在申請中だという。今後、補助金のサポートも加われば、ユーザー負担がより抑えられるので、EVの中でも魅力的な選択のひとつと言えそうだ。
メルセデス・ベンツのフォローもEV初心者には心強いだろう。写真は急速充電時の様子
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