現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 全車僅か3年足らずで消滅!! 記憶に残る超短命車 5選

ここから本文です

全車僅か3年足らずで消滅!! 記憶に残る超短命車 5選

掲載 更新 12
全車僅か3年足らずで消滅!! 記憶に残る超短命車 5選

 なかには2年未満で消滅したモデルも! 記憶に残る個性派はなぜ3年足らずで消えた?

 車という工業製品は、企画から開発、発売まで多くのコストが費やされている。しかし、それでも人気車は一握り。1代限りで消滅するモデルも少なくない。

黒船SUV上陸熱望!! トヨタ アーバンクルーザー&日産 マグナイトがカッコいい!!

 とはいえ、発売から10年経過して今なお販売を継続している車も少なくなく、3年程度で販売打ち切りとなるのは、極めて異例だ。

 本稿では、僅か3年足らずで消滅したモデルのなかから特に記憶に残る5つの個性派モデルを改めて紹介したい。

文/片岡英明、写真/TOYOTA、HONDA、SUZUKI、DAIHATSU、MAZDA

【画像ギャラリー】ロードスタークーペのタイプ別顔くらべも! 記録より記憶に残る超短命車を写真で見る

■数奇な運命を辿って消えた悲劇のSUV

●トヨタ ヴォルツ(2002年7月~2004年4月)

GMと提携していたトヨタが販売した逆輸入車ヴォルツ。アメリカほどの人気は得られず2年足らずで姿を消した

 ヴォルツは数奇な運命を辿り、短期間で消滅した悲劇のクロスオーバーSUVだ。

 アメリカのゼネラルモーターズ(GM)と提携していたトヨタはヴォルツを共同開発し、2002年8月に日本ではネッツ店にスプリンターカリブの後継として送り込んでいる。生産はアメリカのカリフォルニア州フリーモントにあるGMとの合弁会社、NUMMIで行う。俗に言う、逆輸入車だったのだ。

 北米ではプリズム(USスプリンター)の後継、マトリックスの兄弟車と位置付けられ、ボンティアックブランドはヴァイヴを名乗った。

 9代目カローラのMCプラットフォームをベースに、SUV風のボディを被せたヴォルツは1.8Lの1ZZ-FE型とスポーツツインカムの2ZZ-GE型エンジンを積んでいる。主役の1ZZ-FE型エンジン搭載車はFF車のほか、4WD車を設定した。が、個性の強いデザインや中途半端な性格が災いしたようで、販売は伸び悩んだ。

 RAV4やCR-V、エクストレイルなど、日本には手強いライバルが多く、ユーザーも目が肥えている。アメリカでの好調とは対照的に、販売は低調だった。そのため、わずか1年8カ月販売しただけで姿を消している。

 筆者は、発売を前にNUMMIの工場を取材したが、日本向けのヴォルツは品質検査が厳しかったし、組み立ても丁寧だった。正当に評価されず、販売を打ち切ったのは残念だ。

■アメリカの若者をターゲットに開発された逆輸入車

●ホンダ エレメント(2003年4月~2005年7月)

個性的なデザインが目を引くホンダ エレメント。SUVが人気の今の方がむしろ受け入れられるかも?

 ジェネレーションYと呼ばれるアメリカの若者たちをターゲットに開発されたクロスオーバーSUVがホンダの意欲作、エレメントだ。

 ライフガードステーションをモチーフにしたエクステリアデザインは個性的で、シンプルな面だけの構成だが、力強いし、迫力もある。

 ドアは左右に開く観音開きとした。Bピラーレスだから開口は大きいし、開放的だ。また、リアには上下に2分割で大きく開くクラムシェルテールゲートを採用した。機能性に関しては満点だったのだ。

 これまたアメリカからのいわゆる逆輸入車である。日本にはアコードと同じ2.4Lの直列4気筒DOHC i-VTECエンジンにインパネシフトの4速ATを組み合わせた仕様が導入された。駆動方式はデュアルポンプ式のフルタイム4WDだ。

 キャビンは広く、前席はウォークスルーできるから、座席の移動もラクだった。シートは防水処理し、しかも大振りだから気持ちよく座れる。ラゲッジルームも防水性を持つワイパブルフロアだ。たくさん荷物を詰めるだけでなく、ロアゲートに座ることもできる。

 日本での発売は2003年4月だった。アメリカ育ちらしい楽しい気分にさせてくれるレジャーカーで、ワゴンにもミニバンにも、そしてSUVにもなる多彩な感覚も魅力だ。

 が、デビューが早すぎたのか、日本では鳴かず飛ばずで2005年夏に販売を終了している。1815mmの全幅も、当時としては広かったから二の足を踏んだ人も多かったのだろう。今なら売れていたはずだ。その証拠に、今でも中古車は高値を付けている。

■時代が早すぎたクロスオーバーSUVの先駆け

●スズキ X-90(1995年10月~1998年12月)

ディフォルメしたスーパーカーといった雰囲気のスズキ X-90。好みの分かれる外見と2シーターが災いしたか?

 1993年秋の第30回東京モーターショーに、スズキは初代エスクードのショートボディをベースにした2シーターのクロスオーバーSUVを参考出品している。それが「X90」だ。

 全長はベースとなったエスクードより長く、全幅も広げられているが、背は低い。ラダーフレームだが、オンロードでの走りを強く意識し、キュートなデザインと開放感あふれるガラス製のTバールーフが目を引いた。インテリアもセダンライクなデザインだ。

 エンジンはエスクードと同じ1.6ℓのG16A型直列4気筒SOHC4バルブを搭載している。駆動方式はハイ/ロー2段の副変速機を備えたパートタイム4WDだ。

 1995年10月、このショーカーは「X-90」と表記を変え、市販に移された。今につながるクロスオーバーSUVの先駆けで、メインターゲットは北米である。

 が、日本では販売が低迷し、1998年に販売を終了している。販売台数は1300台あまりにとどまり、不人気車のレッテルを貼られたが、企画そのものは悪くなかったと思う。

 致命的だったのは、2人乗りだったし、時代が早かったことだ。4人乗りだったら違う評価になっていたはずである。ちょっと先走りしてしまったようだ。

■あえて全高を低く抑えたスペシャリティKカー

●ダイハツ ソニカ(2006年6月~2009年6月)

ハイトワゴン全盛の中、あえて全高を低く抑えて挑んだダイハツ ソニカ。販売は低迷したが心意気は高く買いたい

 フルオープンのコペンによって新境地を切り拓いたダイハツは、2005年秋の東京モーターショーに「Sケーツアラー」を参考出品した。これを量産に移したスペシャリティ感覚の軽自動車がソニカだ。

 2006年6月に登場したが、主流となっているハイトワゴンではない。全高を立体駐車場が使える高さに抑え、シルエットもクーペのように伸びやかだった。今見ても洗練されたデザインだと思うし、インテリアの見栄えもいい。

 エンジンは直列3気筒658ccのDOHCとDOHCターボを搭載。無段変速機のCVTも世界初のインプットリダクション式3軸ギアトレーンを採用した。当時のダイハツとしては珍しくスタビライザーを全車に標準装備し、ハンドリングは軽快だ。安心感のある走りを披露し、静粛性も軽自動車レベルを超えている。

 上質な軽スペシャリティだったが、広さと積載能力を優先する人が多かったため、強固なハイトワゴンとスーパーハイトワゴンの牙城を切り崩すことはできなかった。販売は低迷し、3年ほどで生産を終了。1代限りで消えていったのである。

■ルーフがついてもロードスター? 当時唯一の国産スポーツクーペ

●マツダ ロードスタークーペ(2003年10月~2004年4月)

ロードスターは元々幌を持つ2ドアの自動車の意味だが、ルーフを被せてしまったマツダ ロードスタークーペ。改めて見ると現行のロードスターRFに似ていなくもない

 1998年1月に登場した2代目ロードスターをベースに、ルーフを被せ、粋なスポーツクーペに仕立てたのが「ロードスタークーペ」だ。エクステリアはCピラーを寝かせたことにより伸びやかで、躍動感を増している。

 「クーペ」と「タイプS」は、ロードスターと同じ顔付きだが、限定発売の「タイプA」と「タイプE」は専用のフロントマスクを採用。

 「タイプE」は、カフェレーサー風の顔が目を引く。インテリアもしゃれたムードだ。ベースモデルは1.6Lの直列4気筒DOHCエンジンをだが、他の3グレードは1.8Lエンジンだった。5速と6速MTのほか。4速ATも選べる。

 マツダの子会社であるマツダE&Tの開発技術を使って設計され、生産された。ボディ剛性は高かったし、重量増加も10kgほどに抑え込んでいたから走りは軽快だ。ボディカラーも美しい。

 当時は5ナンバー唯一の国産スポーツクーペだったが、注目度は今一歩だった。ミニバンやクロスオーバーSUVが持てはやされている時代だったからだ。価格も少し割高に感じたし、ロードスター自体もモデル末期になっていたから販売は低空飛行を続けている。意欲作だっただけに残念な結果に終わった。

【画像ギャラリー】ロードスタークーペのタイプ別顔くらべも! 記録より記憶に残る超短命車を写真で見る

こんな記事も読まれています

【GT500技術レビュー/ホンダ編】シビックだから採用できた“非対称”なチャレンジ精神
【GT500技術レビュー/ホンダ編】シビックだから採用できた“非対称”なチャレンジ精神
AUTOSPORT web
爆排気量“V8”の新型「2ドアクーペ」世界初公開! 800馬力超え×4WDの「最強モデル」! 流麗ボディが超カッコイイ「S Eパフォーマンス」中国に登場
爆排気量“V8”の新型「2ドアクーペ」世界初公開! 800馬力超え×4WDの「最強モデル」! 流麗ボディが超カッコイイ「S Eパフォーマンス」中国に登場
くるまのニュース
アップルアカデミーが新人セミナーで人材育成に注力
アップルアカデミーが新人セミナーで人材育成に注力
レスポンス
なぜかデコトラ乗りは「バニング」と「街道レーサー」が好き! 改造車の「兄弟ジャンル」といえる意外な共通点とは?
なぜかデコトラ乗りは「バニング」と「街道レーサー」が好き! 改造車の「兄弟ジャンル」といえる意外な共通点とは?
WEB CARTOP
車買取のおすすめサービスを比較
車買取のおすすめサービスを比較
くるくら
GRスープラ勢、苦しかった富士でも光ったau TOM’Sの強さ。46kgのSWを積みながら7ポジションアップの4位
GRスープラ勢、苦しかった富士でも光ったau TOM’Sの強さ。46kgのSWを積みながら7ポジションアップの4位
AUTOSPORT web
2024年4月の新車販売台数ランキング アルファードなどミニバン5車種がランクイン
2024年4月の新車販売台数ランキング アルファードなどミニバン5車種がランクイン
グーネット
F1は完走者全員にポイントを与えるべき? チーム代表陣からは「今こそ見直す時だ」との声。導入先送りも議論は進展
F1は完走者全員にポイントを与えるべき? チーム代表陣からは「今こそ見直す時だ」との声。導入先送りも議論は進展
motorsport.com 日本版
1990年代の珍技術3選
1990年代の珍技術3選
GQ JAPAN
WRCポルトガルにフルメンバーで臨むトヨタ。「強力なラインアップ。必ず激しい戦いが繰り広げられる」とラトバラ
WRCポルトガルにフルメンバーで臨むトヨタ。「強力なラインアップ。必ず激しい戦いが繰り広げられる」とラトバラ
AUTOSPORT web
フェラーリ新型「ドーディチ・チリンドリ」世界初公開! 830馬力のV12エンジン搭載 車名はそのまま“12気筒”の意味
フェラーリ新型「ドーディチ・チリンドリ」世界初公開! 830馬力のV12エンジン搭載 車名はそのまま“12気筒”の意味
VAGUE
長いトンネルの「非常口」扉の奥はどんな構造? どこに繋がってる? 普段は見れない「謎の通路」には階段や滑り台が!
長いトンネルの「非常口」扉の奥はどんな構造? どこに繋がってる? 普段は見れない「謎の通路」には階段や滑り台が!
くるまのニュース
トヨタ・コニック・プロ、お台場で歩行領域BEV観光サービス「OSAMPO」を提供
トヨタ・コニック・プロ、お台場で歩行領域BEV観光サービス「OSAMPO」を提供
レスポンス
どうなるF1の次期レギュレーション。懸念の声上げていたレッドブル代表「FIAは我々の声に耳を傾けてくれている」
どうなるF1の次期レギュレーション。懸念の声上げていたレッドブル代表「FIAは我々の声に耳を傾けてくれている」
motorsport.com 日本版
[音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー・国産ブランド…小型・薄型モデルのトレンドを分析!
[音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー・国産ブランド…小型・薄型モデルのトレンドを分析!
レスポンス
次世代「ヴァンキッシュ」に搭載か?アストンマーティンが新型V12エンジンの動画を公開
次世代「ヴァンキッシュ」に搭載か?アストンマーティンが新型V12エンジンの動画を公開
@DIME
F1マイアミGP責任者、”場内の飲食が高い”との批判に反論「実際とは異なる情報が拡散された」
F1マイアミGP責任者、”場内の飲食が高い”との批判に反論「実際とは異なる情報が拡散された」
motorsport.com 日本版
コースごとに異なる舗装での転倒。M.マルケスの優勝も現実的に/MotoGPの御意見番に聞くスペインGP
コースごとに異なる舗装での転倒。M.マルケスの優勝も現実的に/MotoGPの御意見番に聞くスペインGP
AUTOSPORT web

みんなのコメント

12件
  • 全車僅か3年足らずで消滅!!
    ●スズキ X-90(1995年10月~1998年12月)
    ●ダイハツ ソニカ(2006年6月~2009年6月)

    …「弊社の記事は信用しないでください」という記事だね。
  • ロードスタークーペは限定の特装車という位置づけだから短命とは違う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

272.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

30.0227.8万円

中古車を検索
エレメントの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

272.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

30.0227.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村