働くクルマ「コンフォート」をベースとした過激なコンプリートカー
コンフォートはトヨタが発売していたタクシーや教習車向けの車両で、ひとまわりほど大きなクラウン・コンフォートもあって、タクシーで乗車した人も多いだろう。現在はユニバーサルデザインのJPN(ジャパン)タクシーがお馴染みだが、かつては日産セドリックやクルーとライバルにある、身近な働くクルマだったのだ。
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そんなコンフォートの教習車をベースに、エアロパーツやスーパーチャージャーを取り付けたスポーティなモデルが存在した。その名はコンフォートGT-Z。トヨタのモータースポーツ活動を担うTRDの専用パーツを取り付けた、過激なコンプリートカーとして発売。希少なMT仕様のFRセダンとして注目を集めたマシンだ。
そもそもコンフォートとは?
コンフォートは、ホイールベースを105mm延長したクラウン・コンフォートという仕様もあったことからクラウン・ベースと思われがちだが、実は80系のマーク2がベース。サスペンションはフロントがストラット式、リヤがリジッド式で、LPG仕様のほかに設定されるガソリン・エンジンは1.8Lの4S-FE型とディーゼルの2L-TE型を搭載。 2001年のマイナーチェンジでガソリン・エンジンが3S-FE型に変更され、5速MTと4速ATの組み合わせで街中の風景に溶け込んでいたモデルだ。
往年の「走り屋風カスタム」で武装
そこにTRDが限定コンプリートカーとして作り上げたのがコンフォートGT-Zで、チューニングカーショーのイベントに展示したところ、高評価を受けて市販化に至ったモデルだ。 ベースとなるのはコンフォートで、数多くのトヨタ車でおなじみの2L直4の3S-FE型エンジンを搭載。その際に小倉クラッチ製の「TX07」をベースとした、ルーツ式スーパーチャージャーとスポーツマフラーを装着。
ガソリンはハイオク仕様で、最高出力160ps/6100rpm、最大トルク22.5kg-m/3300rpmというスペックを発揮した。スーパーチャージャーを効かせるタイミングを変えられるノーマルとファストのモードが選べるようになっていたのも面白い。
サスペンションは4段階の調整ができる専用スポーツ仕様で30mmのローダウンが施され、専用のストラットタワーバーとスタビライザーが備わる。ブレーキはパッド(フロント)とシュー(リヤ)にも専用のスポーツ仕様が採用された。
タイヤはフロントが205/60R15、リヤが215/60R15のRSワタナベ製アルミホイールにブリヂストン製ポテンザG3を標準装備。車両購入後に好みのタイヤサイズをチョイスしたいというチューニング派向けに、あえて175/80R14サイズも設定された。
また、オプション装備としてTRDセレクティブLSD、もしくはトルセンLSDが装着でき、走りに磨きをかけることも可能。そのほか、TRDスポーツシートやステアリング、大森メーター製作所のブースト/油圧/油温の三連メーターが装備される。専用エアロパーツ、熱線&UVカットのフロントドア強化グリーンガラスが備わって、1980年代の走りのセダンを彷彿とさせる内容となっていた。 クリーンエアフィルター付きマニュアルエアコンが装備され実用性も高いものであったが、ウインカーが一体型のハザードスイッチが備わるのがタクシー仕様を思わせる。
販売台数は僅かだったが記憶に残るモデルだった
このコンフォートGT-Zは、2004年6月24日発売で11月17日に受付終了の限定モデルであった。販売店は横浜・東京・埼玉・千葉のトヨペットのみの扱いで、販売台数はわずか60台程度と言われている。
おそらく売れても、売れなくても儲からない理由からの限定発売だったのであろう。車両販売価格は227万~298万1000円となっていた。インターネットが発達したこの時代、現在であったら希少な5ナンバーサイズFR+MTマシンとして人気を集めていたに違いない。
ドリフトをするならコンフォート、そんな時代が来ていた可能性を感じさせる一台だ。
■トヨタテクノクラフト・コンフォートGT-Zスーパーチャージャー
全長×全幅×全高=×4590×1690×1480mm
ホイールベース=2680mm
車両重量 1320kg
乗車定員 5名
最小回転半径 4.6m
エンジン 3S-FE型直列4気筒DOHC+スーパーチャージャー
総排気量 1998cc
最高出力 160ps/6100rpm
最大トルク 22.5kg-m/3300rpm
タイヤサイズ 前:後 205/60R15:215/60R15
ブレーキ 前/後 ディスク/LTドラム
サスペンション 前/後 ストラット式/トレーリングリンク
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みんなのコメント
アフォですか、認識の基準が低「すぎる」んじゃないですかね