身を削って働く、小さな部品たち
どれだけ気をつけて自転車に乗っていても、どうしても不具合は発生してしまいます。日々のメンテナンスを欠かさず行なっていたとしても「毎日乗るもの」だからこそ調子が悪くなってしまうこともあります。そんな経年劣化と言える現象のひとつが「チェーン伸び」です。
自転車の修理と言ったら、まずパンク修理ではないでしょうか。そしてその次に思い浮かべるのが、突然チェーンがギアから外れてしまうトラブルだと思います。
「チェーン外れ」の原因としては、無理な段差の乗り越え、転倒、変速機の調整不足など、さまざまな要因が考えられますが、一般的なママチャリ(シティサイクル)においてはチェーンの「伸び」が主な原因と言えます。
チェーンが伸びてしまうと、ギアから外れなかったとしてもペダルを踏み込んだ力が十分に後輪へ伝えられなかったり、「カシャカシャ」と不快な音がする、ギア自体を痛めてしまうなど、さまざまな悪い状況を招くことになります。
そもそも「鉄でできているチェーンがどうして伸びるの?」という疑問もあると思いますが、その理由はチェーンの構造にあります。
チェーン(chain)は直訳すると「鎖」ですが、その名が表す通り「リンク」と呼ばれる約2cmほどの小さな金属プレートが連なったもので、間にローラーを挟みながら、フレキシブルに動けるようわずかに隙間がある状態で、ボールペンの芯ほどの太さのピンでいくつも連結された構造になっています。
チェーン全体を見ると頑丈そうですが、構成する部品自体は使い続けることで金属プレートが摩耗したり、ローラーが摩耗で削れてリンクの隙間が広がるなど、徐々に長さが伸びます。1カ所だけ見るとわずか1ミリ以下の伸びですが、自転車のチェーンは(車種によって異なりますが)約90~116リンクで構成されているので、塵も積もれば山となるように、全体ではけっこうな長さで伸びてしまうことになります。
一般的には、チェーンの長さが初期状態より1%伸びると、ギアの歯と噛み合わなくなり、不具合が発生すると言われています。外部環境が大きく影響するので具体的な耐用年数を測ることは難しいですが、おおむね3000~5000km走行したら交換時期と言われています。
意外と知られていませんが、チェーンは消耗品です。チェーンが伸びてしまったからといって、自転車が寿命を迎えるわけではありません。修理すれば気持ちよく走れるようになります。
チェーンまわりの修理については装備しているギアによって異なりますが、多くのスポーツタイプの自転車に見られる、後輪に何枚ものギアが装着されている「外装変速機」の場合、チェーンの交換になります。多少の伸びは後輪に装備されたリアディレーラーという装置がバネの力などで吸収してくれますが、それにも限度があります。
この修理についてはそこまで複雑ではなく、必要な知識といくつかの専用工具さえあれば自分でも作業が可能なので、中・上級者向けにはなりますが挑戦しても良いかもしれません。
一方、ママチャリなどに多く装備されている、ギアが後輪のハブ軸に収納された「内装変速機」や、そもそも変速が無い自転車の多くについては、チェーンを交換する手前で通称「チェーン引き」という方法で調整することができます。
「チェーン引き」とは、ざっくり説明すると後輪を後方にずらして固定することで、チェーンの伸びでできてしまった弛みを「張る」という方法になります。
チェーンが張ることでペダルを踏み込んだ力のロスが少なくなり、また交換ではないので修理費用を抑えることができます。ただ、根本的な解決にはなっていないので、いずれチェーンを交換する必要はあります。
ちなみに「チェーン引き」については、個人で挑戦するのはオススメしません。まず修理の際に後輪全体が自由に動くようさまざまなネジやナットを外すため、複数の工具が必要になります。またその際に、後輪のブレーキにも触れることになるので、チェーンを引いた後のブレーキ調整など細かな対応が必要になります。
相当慣れた人でない限り、チャレンジすることは控えた方が良いと思います。
自転車のチェーンは頑丈そうに見えますが、じつは意外と繊細で緻密な部品です。日々、人間の足で踏み込まれる強い力を後輪に伝えるため、地味に身を削って働いているわけです。
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みんなのコメント
>相当慣れた人でない限り、チャレンジすることは控えた方が良いと思います。
そうすると、この世から作業できる人が枯渇する事にならないか。