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後席はロールス・ロイス級の広さ ジェネシスG90へ試乗 独ブランドとのギャップが見える 後編

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後席はロールス・ロイス級の広さ ジェネシスG90へ試乗 独ブランドとのギャップが見える 後編

外界との高い隔離性 予想以上に運転も楽しめる

2代目へモデルチェンジした、韓国ジェネシスのフラッグシップ・サルーン、G90。通常ホイールベース版では、3.5L V6ツインターボエンジンが380psを発揮する。

【画像】独ブランドとのギャップが見える ジェネシスG90 競合クラスのサルーンと比較 全134枚

今回試乗したのは、ロングホイールベース版。これにはe-SCと呼ばれる電動スーパーチャージャーも加勢し、最高出力は414psまで高められている。

G90の風格ある見た目に相応しい、たくましい動力性能が与えられている。上質なだけでなく、必要になれば怒涛の加速力も披露する。燃費は8.5km/Lと、褒められる数字ではないが。トランスミッションは8速ATが組み合わされる。

サスペンションは、マルチリンク式にエアスプリングという構成で、外界からの隔離性は高い。舗装されてから数10年が経過したアスファルトでも、最近工事を終えたばかりのように均してみせた。

そのかわり、タイトコーナーでは若干ボディロールが大きめ。とはいえ、不安になるほどではない。ステアリングホイールの重み付けは妥当で、全長5465mm、車重2207kgのサルーンとして、良好な応答性と回頭性を実現している。

後輪操舵システムも備わり、狭い市街地での小回りと、高速道路での高い安定性を両立している。ショーファードリブンのサルーンながら、運転も予想以上に楽しめそうだ。ヒョンデ譲りの、多彩な運転支援システムも備わる。

ラグジュアリー・クラスに一石を投じる

それでは、メルセデス・ベンツSクラスと比べた時はどうだろう。長い伝統を持つクラスリーダーは、孤高といえる水準に到達している。

数世代に渡って進化を重ねた結果、Sクラスの隔離性や乗り心地は、他ブランドの手が届きにくい領域にすらある。今回試乗した韓国の道路環境は、英国のそれと比較的似ていたが、G90は同等に路面からの入力を吸収できていなかったといえるだろう。

価格設定は、従来どおり競争力が高い。欧州市場へ導入される予定はないものの、G90のトップグレードでさえ、エントリーグレードのSクラスより低く設定されていることには唸らされる。

英国の通貨に換算すると、現地価格は約6万2000ポンド(約998万円)から約11万5000ポンド(約1851万円)の間に相当する。欧州の富裕層にとっては少し低すぎる設定といえるが、高級車を扱うタクシー会社やハイヤーとして活躍の機会はありそうだ。

それでも、ドイツ・ブランドが擁するモデルとは異なる個性を持ち、見事に設えられたサルーンを、少ないコストでガレージに収められることは事実。ラグジュアリー・クラスに一石を投じたいというジェネシスの狙いは、達成されているように思う。

小さくないドイツ・ブランドと間のギャップ

実際のところ、G90は欧州市場での販売が想定されていない。だが、ご当地の韓国では好調に売れている。先代も含め、過去7年間の生産数は通算100万台に達するということだが、その半数以上は自国市場でさばかれている。

最近韓国を訪れた読者ならおわかりかと思うが、確かに一般道を走るとG90を頻繁に目撃する。大抵は、お抱え運転手付きの状態で。

欧州へ導入されない理由の1つが、道路環境やユーザーの嗜好に最適化させるためのコスト。回収できるほどの販売利益を望みにくいのだ。プレミアム・カテゴリーではドイツ御三家の独壇場に近いこの土地は、ブランド・マーケティングも容易ではない。

G90専用にプラットフォームが開発されていることを考えると、販売台数は多いことに越したことはないだろう。だが、このクラスでの競争に挑むなら、よりシリアスな取り組みが必要になる。

ジェネシスは、完成度の高いバッテリーEVのSUV、GV60をリリースするなど、高評価なモデルを提供し始めている。G90も頂点を飾るのに不足ないフラッグシップ・サルーンではあるが、成果を残せるとは限らない。苦戦するレクサスのように。

数年という短期間で、欧州市場へ挑戦するに値するモデルを生み出した、ジェネシスの功績は大きいだろう。その反面、ブランディングも含めて、ドイツ・ブランドと間にある小さくないギャップを実感したことは否めない。

ジェネシスG90 プレステージ3.5T e-SC(韓国仕様)のスペック

英国価格:−ポンド
全長:5275mm(5465mm/ロングホイールベース版)
全幅:1930mm
全高:1490mm
最高速度:234km/h(予想)
0-100km/h加速:5.0秒(予想)
燃費:8.5km/L
CO2排出量:274g/km
車両重量:2207kg
パワートレイン:V型6気筒3470ccツイン・ターボチャージャー+電動スーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:414ps/5800rpm
最大トルク:55.8kg-m/1300rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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