■海外では軽トラックの代わりがいない?
軽自動車は日本独自の規格として発展してきました。なかでも軽トラックは、日本の農業や運送需要に対応するため、独自の進化を遂げています。そんな軽トラックが、現在海外で人気を集めています。その理由はどこにあるのでしょうか。
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2019年で軽自動車の規格が誕生して70年。軽トラックは、農業や運送、地方での手軽な移動手段として、根強い需要があります。
全国軽自動車協会連合会によれば、2019年時点の軽トラックと軽バンの保有台数は、全国で約848万台とのことです。農業が盛んな地域では保有台数が多くなる傾向にあり、もっとも多い長野県では30万台以上にのぼります。
軽トラックは価格も低く、車種やグレードによって100万円を切ります。ホンダ「アクティトラック」の安いグレードは、83万6000円で、これは2020年2月時点で軽トラックのなかでは最安値です。
使い勝手と低価格が魅力の軽トラックですが、日本だけではなく、海外でも人気が高まっています。
ある海外向け中古車サイトでは、軽トラックが多数販売され、日本円で約50万円以上という価格の中古軽トラックもありました。
例えば、ダイハツ「ハイゼット(1994年式)」の日本での中古車相場は約20万円ですが、2020年2月現在の同サイトでの価格は8000ドル(約88万円)となります。
SNSでは、海外ユーザーが古い軽トラックを購入し、ナンバーを付けて公道を走っている写真を見ることもできます。
古い軽トラックが高額で取引されるのは何故なのでしょうか。ある中古車販売店のスタッフは、以下のように話しています。
「古いのに高いのではなく、古いからこそ高いのかもしれません。アメリカでは中古車を輸入するには25年ルールをクリアする必要があります。アメリカで古い軽トラックが人気なのは、『ようやく登録できるようになった』という理由もあるのではないでしょうか。
また、海外だと軽トラックのようなクルマが無いことも価格が高騰する要因だと思います。小型で1人から2人乗りのクルマとして、海外には『ATV』がありますが、ATVには屋根もエアコンもありません。そのため、雨風がしのげて、冷暖房が付き、荷物も載せられる軽トラックに人気があるのではないでしょうか」
※ ※ ※
アメリカでは、国内で販売されなかった輸入車は一般道を走ることができません。これは、アメリカの安全基準や排出ガス試験をクリアしていないためとされています。しかし、製造から25年を経過した車種は「クラシックカー」として扱われ、試験をクリアすることができます。
日本では、製造から25年が経過した、日産「スカイラインGT-R」などのスポーツカーがアメリカへ輸出され、国内の中古車価格が高騰する現象も発生しました。
映画や日本車ブームなどで人気が高まった国産スポーツカーとは異なり、軽トラックは使い勝手や便利さなど、別の理由で人気が高まったようです。
■アメリカだけじゃない? 世界で人気者の「軽トラック」
軽トラックは、シンプルで頑丈な構造から、カスタムベースのクルマとしても人気があるようですが、海外に渡った軽トラックは、実際にどのような使い方をされているのでしょうか。
ニュージーランドでは、日本から軽自動車を輸入し、現地のニーズに合わせてカスタマイズした車両も販売されているようです。
ニュージーランドで人口第4位の都市、ハミルトンで開催された南半球最大級の農業祭「フィールデイズ」では、現行型のハイゼットや、スズキ「キャリィ」のカスタム車を展示。リフトアップカスタムや、動物と衝突した際にクルマを守るフロントガードを装着したものもありました。
ニュージーランドでは、アメリカのような「25年ルール」が無いため、並行輸入車や中古車なども問題なく販売できます。英国連邦の国のため、日本と同じ右ハンドル車が中心ということも、軽トラックが受け入れられている理由かもしれません。
また、アメリカでは、かつてスバル「サンバー」が輸入・販売されていたこともありました。アメリカの安全基準の厳格化に伴って販売されることは無くなりましたが、農場などの公道ではない場所で活躍していたとされています。
アメリカの農場は日本に比べて規模が大きく、農林水産政策研究所の調査によれば、日本の平均が77ヘクタールに対して、アメリカは倍以上の182ヘクタールもあり、もっとも大きい農家では1546ヘクタールにもなるようです。
これは東京都目黒区の面積にほぼ等しく、たとえ公道が走れなくても、軽トラックが必要となる理由が伺えます。
※ ※ ※
海外でも人気がある軽トラックですが、軽トラックを製造するメーカーは少なくなりつつあります。
現在は、スズキ「キャリイ」、ダイハツ「ハイゼットトラック」、ホンダ「アクティトラック」がありますが、ホンダは2021年6月に「アクティトラック」の生産を終了します。
トヨタ、日産、スバル、マツダ、三菱は、自社で軽トラックを製造しておらず、国内の軽トラックはアクティトラックを含め実質3車種のみとなっています。
海外では、インドのタタ自動車が「タタエース」という、700ccエンジンを搭載した軽トラックによく似た外観のクルマを販売。今後も海外での人気が高まると予想される軽トラックですが、どのような市場に成長するのか注目です。
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みんなのコメント
海外で軽トラが人気だという証拠、定量的なデータが一切書かれていない。
分かるのは、海外にも日本の軽トラ輸入して乗る物好きが若干名はいることと、海外向け中古軽トラに国内向けより高いプライスタグが付いてるという何の不思議もない話のみ。