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一時1-2-3を築いたフェラーリ499Pの牙城崩れる。トヨタ7号車が猛追中【第6戦決勝前半レポート】

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一時1-2-3を築いたフェラーリ499Pの牙城崩れる。トヨタ7号車が猛追中【第6戦決勝前半レポート】

 9月1日、サーキット・オブ・ジ・アメリカズででWEC世界耐久選手権第6戦『ローンスター・ル・マン』の決勝がスタート。6時間レースの折り返しとなる、スタートから3時間の時点はAFコルセの83号車フェラーリ499P(ロバート・クビサ/ロバート・シュワルツマン/イーフェイ・イェ組)が総合トップに立っている。

 アメリカ・テキサス州のオースティンにWECが帰ってきた。同地で4年ぶり7回目となったローンスター・ル・マンの決勝日は、初日と予選日に続いて晴天に恵まれ、スタート予定時刻の13時の段階で気温は32℃、路面温度は46℃に達している。

【途中経過】2024年WEC第6戦オースティン 決勝3時間後

 レースは定刻スタートに向け、俳優でレーシングドライバーでもありCOTAでのサポートレース『マスタング・チャレンジ』にも出場した、フランキー・ムニッズのフラッグ振動で各車がダミーグリッドを離れた後、フォーメーションラップを経て戦いのときを迎える。なお、LMGT3クラス6番手の54号車フェラーリ296 GT3(ビスタAFコルセ)はトラブルによりグリッドに着くことができず、ピットで修復作業が行われている。

 大きな混乱なく各車が1コーナーをクリアしていったスタートでは、51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)がホールショットを奪い83号車フェラーリ499P(AFコルセ)が2番手で続く。ミゲル・モリーナの50号車499P(フェラーリAFコルセ)が5番手から3番手に順位を上げたことで“跳ね馬”のワン・ツー・スリーに。

 その後方では50号車フェラーリにパスされた2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)と35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)が激しく順位を争い、ターン12ではあわや接触の場面も。この際20号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)が2台のバトルに巻き込まれる。この隙を突いて姉妹車の15号車BMWが先行しBMW勢が4番手、5番手となった。キャデラックはグリッドから順位を4つ下げ7番手に。フェルディナンド・ハプスブルク駆る35号車アルピーヌにはドライブスルーペナルティが課せれた。

 中団グループでは、6番手にジャンプアップを果たしていた93号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)が徐々に順位を下げていき、代わって2号車キャデラックをかわしたマイク・コンウェイ駆る7号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)が6番手に浮上。姉妹車の8号車トヨタはブレンドン・ハートレーがスタートを担当し12番手を維持している。

 スタートから30分過ぎ、ロバート・クビサがドライブする83号車フェラーリが51号車の前に出た。右リヤにハードタイヤを装着するこのクルマはペースが良く、後続を引き離して1回目のピットストップ後もトップを守っている。

 初回のピットタイミングでは2号車キャデラックがアンダーカットを仕掛け、コンウェイからニック・デ・フリースにドライバー交代した7号車トヨタの前に出る。また、後方に沈んでいた選手権リーダーの6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)が13番手から9番手にポジションを上げている。

 2時間目の半分を迎える直前、フェラーリ勢の後ろを走る15号車と20号車のBMWが順位を入れ変える。この直後15号車は急激にペースが落ち、2号車キャデラック、7号車トヨタなどにかわされ、たまらず早めのピットインを余儀なくされた。

 その約15分後、ターン12でアントニオ・ジョビナッツィ駆る51号車フェラーリが他車との接触を避けるかたちでスピンを喫した。これがきっかけになったか、3番手を走っていたポールシッターの51号車はその後トラブルに見舞われピットガレージに収められてしまう。

 また、3時間目に入る直前には50号車フェラーリがレネ・ラストがドライブする20号車BMWにオーバーテイクを許し、跳ね馬の牙城が崩れた。なお直後に迎えたハイパーカークラス2度目のピットタイミングの後、20号車BMWは5番手に順位を下げた。これはアウトラップで2号車キャデラックと50号車フェラーリにかわされたのに加え、デ・フリースからふたたびコンウェイに交代した7号車トヨタが2番手に浮上したことが要因となっている。

 予選9番手から大きく順位を上げてきた7号車トヨタは、気温33℃路面温度は50℃に達しているレース中盤、6時間の折り返しを前にペースを上げ、首位を行く83号車フェラーリとのギャップを17秒から10秒を切るまでに削ってきている。そこから約4秒後方に母国ラウンドを戦う2号車キャデラックが3番手につけ、やや遅れて50号車フェラーリ、20号車BMWが続く。

 スタートから3時間のタイミングでハイパーカー各車に3度目のピットタイミングが訪れるなか、この直前の段階ではアンドレ・ロッテラー駆る6号車ポルシェが6番手につけ、平川亮がステアリングを握る8号車トヨタが7番手となっている。

 LMGT3クラスはポールシッターの27号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(ハートオブ・レーシングチーム)が首位を快走中。

 序盤から85号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(アイアン・デイムス)と81号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)、さらにバレンティーノ・ロッシを擁する46号車BMW M4 GT3(チームWRT)などが上位を争うなか、3時間目の半ばにラヘル・フレイ駆るランボルギーニとルイ・アンドラーデのシボレーが接触し、女性チームのウラカンは一時ガレージ内で修理を行うなど大きく順位を落とすことに。左フロントのサイド部にダメージを負った81号車シボレーもタイムを失い、この漁夫の利を得るかたちで選手権リーダーの92号車ポルシェ911 GT3 R(マンタイ・ピュアレクシング)が2番手に浮上している。トップのアストンマーティンとは17秒差だ。

 日本勢は、このあとレース後半に佐藤万璃音が乗り込む95号車マクラーレン720S GT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)がクラス11番手。小泉洋史がスタートスティントを担当した82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)が14番手、木村武史がスタートを担当した87号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)が15番手につける。Dステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3は17番手を走行中だ。

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