WEC世界耐久選手権のLMGTEアマクラスや、GT3車両でのシリーズにフェラーリのGTマシンで参戦しているイタリアのアイアン・リンクスは9月1日、同じくイタリア籍で2020年のFIA F2選手権を制したプレマ・パワーチームと組み、2022年のWEC・LMP2クラスに参戦すると発表した。
ふたつのイタリアのチームは、若手ドライバーの育成を促進する共同プロジェクトを立ち上げることを主な目的として、スイスのDCレーシング・ソリューションSAの指揮のもと7月にジョイントを発表していた。それらの共同プロジェクトのうちのひとつとして、プロトタイプカーのレースプログラムが確約された形だ。
2023年限りで終了のGTEプロクラス、最終年はワークスチーム不在となる可能性/WEC
チームが来季走らせることになるオレカ07・ギブソンは、イタリア北東部にあるプレマの本社に近くデリバリーされる。アイアン・リンクスのスポークスパーソンによればエントリーは少なくとも1台で、2台目の参戦も検討する可能性があるという。
アイアン・リンクスは今年、トタルエナジーズ・スパ24時間レースをフェラーリ488 GT3 Evoで制し、ル・マン24時間レースではLMGTEアマクラスの表彰台をフェラーリ488 GTE Evoで獲得するなど、今年GTの世界で実績を重ねている。
一方のプレマ・パワーチーム(プレマ・レーシング)は昨年、ミック・シューマッハーの手によりFIA F2選手権のタイトルを獲得している。
「アイアン・リンクスは今季、GT耐久レースで重要なリザルトを残しており、プレマはシングルシーターのレースにおける最高のチームのひとつとして広く認識されている」とアイアン・リンクスのチーム代表、アンドレア・ピッチーニは述べている。
「双方のチームの知見によって、最高のレベルで競争をするための完璧なブレンドが形成されるだろう」
プレマのチーム代表ではあるレネ・ロジンはこう付け加える。
「これは我々のチームにとって非常にエキサイティングな進展であり、高いモチベーションを起こさせる新しい次元へと、我々を導くものだ」
「我々はアイアン・リンクスと協力し、ベストな活動と知識を共有することを楽しみにしている。これが、耐久レースにおける未来の成功の序章に過ぎないことを願っている」
将来的に隆盛が予想されるル・マン・ハイパーカー(LMH)、LMDhの両カテゴリーを含むハイパーカークラスにおける潜在的なプログラムを前に、多くのチームがプロトタイプカーでのレース活動を模索していることから、このところLMP2は急激な成長期を迎えている。
アイアン・リンクスとプレマの双方に密接な関係があるフェラーリは、AFコルセのファクトリー・エントリーを通じて2023年のWECにハイブリッドシステムを搭載する新型LMHを投入すべく開発中だ。
ピッチーニは今年5月の段階で、アイアン・リンクスが「適切な決定を下して、適切な市場に参入するために、スマートでいなければならない」と、Sportscar365に対し語っていた。
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